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ヤチアザミ [キクの仲間]

湿地性のアザミ
 のどかな風景が広がる休耕田を今年も訪れた。自宅近くにある谷津の休耕田は耕作放棄で藪になっているが,ここでは様々な湿生植物が観察できる。ここの主役は地中に匍匐茎を伸ばして大群落を形成するアザミだ。本種についても国立科学博物館植物研究部日本のアザミを参照させていただいた。
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ムラサキベンケイソウ

念願叶う
 ベンケイソウ2022-10-25)から間もなく1年が経過する。見誤った昨年の経験を生かして「柄のない葉」を意識して観察した。
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キジノオシダ [シダの仲間]

キジノオシダ属2種(その2)
 同じ仲間でキジノオシダ,オオキジノオ,タカサゴキジノオの3種はよく似ている。頂羽片,上部羽片,下部羽片などに注目して撮影した。本県にはオオキジノオも分布しているので近いうちに撮影したい。
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ヤマソテツ [シダの仲間]

キジノオシダ属2種(その1)
 この仲間は単羽状複葉,2形性の葉,などで形態的によく似ている。栄養葉と遅れて出る胞子葉が揃っていたので撮影した。胞子葉は茶色に変色し,すでに胞子放出後である。本種は温帯域の湿った林床に生育し,多雪地のブナ林で群生していたのを思い出す。
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クラガリシダ [シダの仲間]

決め手は葉表にある1条の溝
 ある深山を再訪した。ある程度の土地鑑(勘)があるので駐車してからあまり時間を要しない。今回は過去に訪れた際に見落とした径木の着生植物が目的である。極めて珍しいのでシシランと見違えてもおかしくない。高所に着生したもの(写真AB)では区別しにくいが,接写できるような所(写真CDE)にも着生しているのでで同定しやすい。葉はシシランより細く,特徴である葉表中肋の凹んだ1条の溝(写真D)も容易に確認できる。葉裏に生じる2条の胞子嚢群を期待したが全て裸葉であった。
 ※ 写真は上から順にA~E
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ハマベノギク [キクの仲間]

残暑の海浜植物
 特別保護区の森から平野に下りた。時間的な余裕があったので砂浜で道草を食うことにした。一度訪れたことがあるので見当をつけた場所へ直行した。見頃は過ぎていたが本種の生態的な特徴がよく分かるところだ。厳しい残暑のうえ,砂に足を取られて熱中症になりそうで早々に退散する。それにしても植物はたくましい。
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ドロノキ

沢沿いの柳絮
 風がほとんど吹いていない中,羽毛のようなものが舞っていた。1本立ちの径木に近づくとその正体が分かった。地面に花序のまま欠落しているもの(写真C)があり,見上げると綿毛(写真A,B)が確認できた。この地方ではドロノキの柳絮は9月になるという。早生樹種のドロノキは大径で通直になるものが多く良材になると感じたが,軽軟で耐久性は低く,製材時に刃物への損傷があることなどから用途は少ないという。和名の由来には諸説があるようだ。
 ※ 写真は上から順にA~D
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ハイイヌガヤ

多雪地に適応した変種
 特別保護区の林床でイヌガヤによく似た常緑低木が随所に見られた。膝の高さの樹高でも実をつけているので念のため撮影した。葉の感触や裏面にある2本の気孔帯もイヌガヤとほぼ同じである。種子は苦くて食用にならないイヌガヤに対して本変種は食用になるようだ。
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ハクサンカメバヒキオコシ

類似種多し
 カメバヒキオコシに似るが少し様子が異なる。花はヤマハッカ属Isodon 共通(写真C,D)であまり違いがないが,変種の多い仲間なので念のため撮影した葉の先端にある裂片にカメバヒキオコシとの違い(写真B)が見られた。母種はイヌヤマハッカIsodon umbrosus
 ※ 写真は上から順にA~D
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サワアザミ [キクの仲間]

初見の大型アザミ
 沢沿いで人の背丈を越える大型のアザミに気づいた。大きく羽裂した葉,中部以上でよく分枝するがあまり伸びない枝,下向きの頭花と頭花下部の苞葉などが印象的だった。同定には国立科学博物館植物研究部日本のアザミが決め手となった。
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タイミンガサ [キクの仲間]

まさに大明傘
 花の少ないアキギリに少しガッカリしたが,近くの特別保護区にはトチノキ,サワグルミ,カツラなどの巨木がそびえる見事な森が広がっていた。シカの食害のない林床は多様な植物相で被われ,傘になるような大きな葉をつけたコウモリソウ属Parasenecio も点在していた。
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アキギリ

紫色のサルビアSalvia
 関東の者であれば広く分布するキバナアキギリが一般的であろう。以前から赤紫色~青紫色の花を見たいと思っていた。キバナアキギリと同じような環境に生えて分布する地方では比較的容易に見ることができる。花は美しいが順序よく花序に着いている花は少なく,全体の草姿にはあまり惹かれない。ハナバチや風の影響なのか,周辺には欠落した花が多数見られた。花は落ちやすく撮影には気を遣う。人より昆虫が訪れて受粉が完了すれば花の役割は果たしたことになる。アキギリにとって見栄えなどどうでもいいことだ。
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ヤマトリカブト

猛毒植物の観察
 トリカブトの仲間が少し分かってきたので,できるだけ撮影して調べるようにしている。本種については2022-10-21で取り上げているが,ツクバトリカブトも分布する地域だったので念のため撮影した。花柄には屈毛が生え,葉や葉柄には毛がないことを確認した。
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ウメバチソウ

美しい仮雄蕊
 高原の湿り気のあるところで見かけることが多い。掲載済みのコウメバチソウよりも母種が後になってしまったが,花のつくりの巧妙さにいつも感嘆する。雄蕊は全部で10個,そのうち花弁と対生する5個は仮雄蕊で,残り5個に葯がつく。花糸は1本ずつ伸びて花粉を順々に出すと思われる。
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チョウジギク [キクの仲間]

多湿斜面に生える
 水が染み出るような斜面に群生(写真B)していた。ウサギの耳を思わせる葉をつけることがウサギギク属Arnica の由来という。種小名mallotopus には「長軟毛のある足」という意味があるようだ。何より変わった形の花に興味をそそられる。やや見頃が過ぎた状態で旬な花(写真D)は少なかった。
 ※ 写真は上から順にA~D
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ナガミノツルケマン

撮り難い植物
 林縁や林道脇などで見かけることがあり何度も撮影してきた。今回も掲載に迷うほど出来映えの悪い写真だ。多数の花を着けるが見栄えしないところが特徴か。茎は四方八方によく分枝するもののまとまりがない。直立せずに他に寄りかかるように伸びるので始末が悪い。ややまれなツルケマンに比べれば見かけることは多く,花の黄色はより濃い。
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イタドリ

生で食す
 色鮮やかなイタドリに出会った。わずかに花は残っているが,赤や白に見える部分はほぼ果実となっていた。ルーペで見ると3つの翼からできている。翼は萼の3外裂片が大きくなったもので,この中に種子ができている。一般的には花や果実は白色であるが,品種レベルで赤いものがある。
 物心がついた頃,年上の人を見習って少し伸びてきた新芽を折って,生でしゃぶった。例えようのない酸味は今でも脳裏に焼き付いている。秋になると茎に寄生したイタドリ虫を採り魚釣りの餌とした。まだ物資が不足していた昭和30年代初期が懐かしい。
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サンヨウブシ

数少ない青紫色の花
 シロバナサンヨウブシ一色の自生地で青紫色の花をようやく見つけた。念のため花柄や葉柄の毛の有無を確認した。
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シロバナサンヨウブシ

白花の鳥兜
 以前から気になっていた白花のトリカブトをじっくり観察することができた。無毛の花柄,葉も茎も無毛,トチノキやカツラなどが混じる典型的な水流沿いの温帯林に生えること,などからサンヨウブシA. sanyoense の白花品種とした。ここでは青紫色の花を見つけることが難しいほど,随所で白花が見られた。
 ※ 写真は上から順にA~F
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タマガワホトトギス

断崖に残る
 低山帯から亜高山帯に分布し,標高が高いほど開花は早い傾向にある。標高約400mにある撮影地はかつては群生していたが,現在では切り立った崖に5株ほど残るのみ。直立や斜上するというが,ここでは食害や人の手が届かない断崖から垂下する個体だけとなった。
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モミジガサ [キクの仲間]

一級品の山菜
 葉が開ききらない若葉の頃が旬といわれる。美味しい山菜として珍重されるが,トリカブトの若葉と見違えて誤食する事案があるので注意が必要だ。
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コウリンカ [キクの仲間]

生育地は適湿の草原
 反り返って咲く長い舌状花が一見萎れたように見える。今年は数箇所で見かけた。環境省では絶滅危惧Ⅱ類(UV),埼玉県では絶滅危惧ⅠA類(CR)指定されているのが意外である。食害が減少理由とされているが,個人的には茅場や草原などの生育地減少が大きいと感じている。
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カリガネソウ

バネのような花柄
 1mを超える草丈,分枝した上部に花序があることから撮影には無風が必須条件だ。絶好の気象条件に喜び勇んでカメラを構えると吸蜜に訪れるハナバチで揺れ続ける。邪魔な存在が人間であると考え直し,吸蜜行動をしばらく観察した。
 ハナバチが下の大きな裂片に止まると,その重みで花柄がバネのように下に曲がる。ハナバチが離れると瞬く間に元に戻る。わずか1秒前後で受粉が行われるようだ。撮影中は集中していて感じなかったが,写し終えると強い臭気が気になった。

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マルバハギ

厳しい残暑続く
 夜には虫の音を耳にするようになったが,昼の暑さに秋の気配は感じられない。涼しさを求めて標高を上げると秋の花を見て少し安心した。
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ママコナ

1年草の半寄生植物
 ミヤマママコナタカネママコナに比べれると普通に見られる植物だった。半日陰の林道脇の刈り込んだ草地などでよく見られたが,近年では樹木が茂り10年前のような群生地(写真CD)はほぼ消えた。埼玉県カテゴリーでは準絶滅危惧(NT)となった。
 ※ 写真は上から順にA~D
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ホンゴウソウ

極細の地上茎
 幸運なことに奇妙な花を2度見ることができた。最初は植林下,近くにはヒナノシャクジョウも生えていた。この個体(F)では雄花を判別できなかった。次はやや荒れたコナラ二次林下,ここではヒナノシャクジョウは見られなかった数個体がまとまっていて,上部に黒っぽい雄花,その下部に球状の雌花があること確認した。

 ●全体の様子(A,F) ●側方からの花序(B~D) ●上方からの花序(E)
 ※ 写真は上から順にA~F
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オオナンバンギセル [寄生植物]

ナンバンギセルと比較する
 一般道沿いのススキ草原を歩きはじめて間もなく見つかった。ナンバンギセルの黄褐色の萼や花柄には紫色を帯びた条が入るが,本種にはそうした条はなく白っぽい。今年は開花が早まり痛んだものが多かった。
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シロバナイナモリソウ

盛夏に咲く
 全体に小さく初夏に咲くイナモリソウに比べるとかなり地味な存在といえる。長い雄しべが特徴的で,和名からは白花品種と思われるが全く別の種である。
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ヒナノシャクジョウ

摩訶不思議な花
 この仲間の花を見るのはルリシャクジョウ以来,約40年ぶりとなる。極小の本種を一度見て慣れてくると,地表の白い個体に気づけるようになった。筒状の先端が茶色のものは花後,先端がまだ白いものは蕾。花は一日花で,通常は1個体1つずつ咲くといわれている。花のつくり(写真C)は,3つの外花被片(萼片),3つの内花被片(花弁),外花被片間に3つの雄蕊,筒状中心部の底から出て先が3裂している部分が雌蕊と思われる。陽の当たるようなところにも生えていたのは意外だ。
 ※ 写真は上から順にA~C
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カワミドリ

姿勢の悪いカワミドリ
 天候が安定していたのこの日,あえて狭隘で険しい道路をのんびりと帰ってきた。梅雨明け発表前にもかかわらずカワミドリが早くも咲いていた。どの個体も倒れていたので以前写したもの(写真D)を加えた。
 ※ 写真は上から順にA~D
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