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ケイリュウタチツボスミレ [スミレの仲間]

スミレの春は短し_その8
 今年是非見たいと計画していたスミレである。名の通り渓流沿いの岩の割れ目や河原の石の隙間にたまった砂(写真下)などが生育地で,増水時には冠水する湿潤な環境に生えていた。地下茎(写真中)は節間が詰まり,葉の基部は切形となり,タチツボスミレとは異なる。
※ 写真は上から順に上,中,下
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ミドリミツモリスミレ [スミレの仲間]

スミレの春は短し_その7
 7年ぶりに見たミドリミツモリスミレは2016-12-20と比べて小振りな個体だった。周辺の木々が生長してスミレには厳しい環境へ遷移しているのかもしれない。それでも久しぶりに見る交雑スミレをじっくり味わった。
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フモトスミレ [スミレの仲間]

スミレの春は短し_その6
 すでに掲載済と勘違いしていた。遅ればせながら1枚の写真で本稿を取り繕う。広い分布で花の色や葉などに変異も見られ,他のスミレとの交雑種も知られている。シハイスミレなどよりも花期は遅い方といわれるが,やや旬を過ぎていた。今年は異常な早さである。
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ヒナスミレ [スミレの仲間]

スミレの春は短し_その5(風変わりなヒナスミレ)
 葉の基部(心形),葉縁(鋭い鋸歯),葉の先端(尖る)など,葉の形態はヒナスミレである。葉の裏は脈が紫を帯びただけで緑色であるが,裏面が淡緑色のヒナスミレもある。半日陰の林縁はヒナスミレの好む環境である。違うのは変形した花と花色,数個体を確認した。花が葉化したものと思われる。先祖返りとして扱うこともあるようだ。
 調べるとタチツボスミレにも同様なものがあることが分かった。「BG Plants 和名ー学名インデックス」(YList)で検索するとViola grypoceras A.Gray f. viridiflora Makino ex F.Maek 和名タチツボスミレ,別名ミドリタチツボスミレと示され,viridiflora=緑色の花と理解した。残念ながらヒナスミレには同じような記述はなかった。ミドリヒナスミレ(仮称)として扱っている方もいらっしゃる。植物分類学者による研究の成果に期待したい。
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ヒラツカスミレ [スミレの仲間]

スミレの春は短し_その4
 前回のキクバヒナスミレの周辺で母種ヒゴスミレを探していた際に出会った。ヒゴスミレと思いながらピント合わせをしていると花弁の色や縁にエイザンスミレの特徴を感じた。自信はないが,複葉性の葉をもつヒゴスミレエイザンスミレとの交雑種とした。花弁が虫喰いのように欠損していたが唯一の個体ゆえに掲載した。
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キクバヒナスミレ [スミレの仲間]

スミレの春は短し_その3
 美しいスミレを母種(ヒゴスミレ×ヒナスミレ)とするのでその交雑種もやはり美しい。
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フイリオクタマスミレ [スミレの仲間]

スミレの春は短し_その2
 オクタマスミレの品種。観察地ではヒナスミレフイリヒナスミレも混じる。花はすでに終盤,混生のフイリオクタマスミレとフイリヒナスミレ(写真下)を掲載して本ページを繕った。
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オクタマスミレ [スミレの仲間]

スミレの春は短し_その1
 ゆっくりスミレの季節を堪能したいと思うが自然は思い通りには行かない。特に,春と秋の期間が年々短くなるような気がする。冬から初夏になるまでが早く,さらに夏が長い。季節が記録的に早く進む中,今年はグッドタイミングで貴重なスミレを観察できた。 
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ヤマウツボ [寄生植物]

季節の進み具合は想定外
 平年並み気候であれば4月20日頃から地表に現れることが多い。今年は10日から約2週間ほど季節の進みが早い。まだ早いと思いながらも自生地を訪れると20個体以上が乱立していた。因みに2017年撮影は4月24日。
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カスミザクラ

一見ヤマザクラ
 各部が無毛のヤマザクラに対して花柄や葉柄などに毛があるものが多い。遠目にはヤマザクラより赤みが薄く緑色を帯びる感じがする。小渓流を挟んだ向かい側に生えていたので遮るものもなく写せた。ケヤマザクラという別名がある。

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チョウジザクラ

れっきとした野生種
 葉の展開前またはほぼ同時に開花する。花数は疎らで花弁は小さく,下向きに咲くことから目立たない野生のサクラだ。別の落葉低木の花を探していたので意外と気になった。葉や萼・花柄に多く見られる毛を意識して写した。
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コブシ

コブシ咲くあの丘 . . .
 植栽されているものを見かけることが多いが,自生の花を間近に見られる機会は意外と少ない。丘の中腹を巻く林道直下に咲いていた。花の下に小葉があることでタムシバと区別できる。歌の一節のように青空が広がり,風は南風だった。
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オキナグサ

早春は何処へ
 3月以降,寒の戻りはほとんどなく高温傾向。今年こそ是非見たい花を目的に早めに訪れた場所ではガッカリする景色が広がっていた。汗ばむような天候ですでに芽吹きの季節。近くのオキナグサ自生地に立ち寄るが不安的中,写真Cのようなものばかり。春の遅いこの地も春爛漫を迎えていた。
※ 写真は上から順にABC
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ケヤマハンノキ

目立たないハンノキ属の花_その3
 垂下する雌花序(写真AB)はヤシャブシオオバヤシャブシにはない特徴である。この2種と同じ場所に生えていることから,日本海側に分布するヒメヤシャブシではないかと疑っていた。「本来自生している在来種との競合や遺伝的攪乱を危惧して生物多様性に悪影響を及ぼす」として,警告している県もある。花期はヤシャブシやオオヤシャブシより早く2月には花序が出はじめる。紅紫色で無柄の雌花序はヒメヤシャブシ(雌花序は緑色で有柄)には見られない。何より展開した葉(写真CD)を見れば一目瞭然。ヤシャブシ類の葉とは異なる。
※ 写真は上から順にA~E
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オオバヤシャブシ

目立たないハンノキ属の花_その2
 前回のヤシャブシに近い場所で撮影した。雌花序は雄花序の先に着き,個数は直立で1個など,ヤシャブシとの相違点がある。葉の表面には光沢がある(ヤシャブシには光沢がない)。海岸部が本来の分布域,工事などで持ち込まれた可能性がある。
※ 写真は上から順にA~E
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ヤシャブシ

目立たないハンノキ属の花_その1
 早春から花を着ける樹木が気になっていた。本種は早春から咲きはじめ,同属のハンノキよりも少し遅れて咲く。この仲間の雄花序は垂下するなどよく似ているが,雌花序の個数や着き方はそれぞれ異なる。同じ個体で花期と葉の展開期に観察した。
 本種の雌花序は雄花序の基部に直立して1-2個着く(写真AB)。果穂にはタンニンが多く含まれ,黒色の顔料の代用や染料となる。ハンノキ属の花粉はアレルゲンとなる。古木の樹皮(写真D)は縦に剥れる。
※ 写真は上から順にA~D
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イヌガヤ

注目度の低い樹木
 春爛漫にもかかわらず地味な植物の掲載が続いている。凄まじく早い季節の移り変わりに花期の予測も外れて身近な花を片っ端から写す日々が続いている。
 和名の由来はカヤに比べて有用でないからという。別名にはかなり酷い和名がつけられている。釣り好きの知人がカヤ同様に漁具のタモ枠として利用していた。写した個体はすべて雄株,実を着けた雌株はあまり見かけない。

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オオヤマカタバミ

開い開花条件はシビアか?
 以前にスギ植林下で数回見たことがあるが,個体数は疎らで花を着けていなかった。2022年春,別の目的で歩いた山でこの自生地に出会った。ここはイタヤカエデなどの落葉樹広葉樹林下で,個体数は百の位をはるかに超えて数千の位と感じた。平開に近い花を撮影するために4回訪れたが蕊が見えた花は2個体のみ,ほとんどが写真C・Dの状態だった。コミヤマカタバミミヤマカタバミよりもシビアな開花条件と思われる。ここでは咲き残りのアズマイチゲや咲き始めのニリンソウの花は平開していた。
※ 写真は上から順にA~E
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ヤブサンザシ

徒歩10分の群生地
 2021-04-012021-11-29の撮影地は車で行く距離にあった。今回は自宅から徒歩10分,直線的な近道でもあれば数分の距離にある。2022年秋,通りすがりの散歩中に見つけた。雌株は最下写真のみ,上3枚はすべて雄株である。埼玉県では絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されているが,ノイバラを圧倒する個体数で周辺には芳香が漂っていた。
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ブコウマメザクラ

発見地は武甲山
 1936年に武甲山で採集された標本を基づき,本田正次氏(東京大学名誉教授)がタカネザクラの変種として命名したが,1953年原寛氏(東京大学教授)によってマメザクラの変種(石灰岩地に適応分化した型)として改められ,ブコウマメザクラと命名された。現在では,奥多摩・秩父・妙義山系に分布しているがことが知られている。
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フイリゲンジスミレ [スミレの仲間]

ゲンジスミレの母種
 前回に続いて栽培種を取り上げる。日本の自生種ゲンジスミレ var. nipponica の母種として知られている。自宅近くの古刹の庭で栽培されているので許可いただいて撮影した。石灰岩の砂利を敷いた所と砂利のない土で栽培されていたが,砂利のほうが明らかに生育状況は良い。
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