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ミツバアケビ

人と関わりの深い植物
 10月頃に熟す果実(長さ約10㎝の液果)がよく知られている。この果実や果肉だけでなく,若い芽は食用,つるは蔓細工の材料となる。
 秩父盆地内ではアケビとともにふつうに見られるが,どのように分布を分けているのかよく分からない。アケビに比べて本種の果実や新芽には程良い苦みがある。まだ緑の少ない山野でこの花を見かけると,心地よい野趣を感じる。
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アカシデ

ソメイヨシノ開花
 東京から約70㎞の首都圏にありながら,秩父盆地の春は遅い。都心部のソメイヨシノは満開と聞くが,秩父ではようやく咲きはじめた。
 丘陵地では見頃のエドヒガンに混じって,樹冠が赤く見える樹木が点在している。秩父地方に分布する4種のクマシデ属Carpinus (クマシデ,サワシバ,イヌシデ,アカシデ)のうち,本種だけは雄花の苞が紅を帯びるのでよく目立つ。同じ落葉広葉樹林の優占種コナラに先駆けて開花する。
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ミヤマウグイスカグラ

ウグイスの鳴く谷戸で
 花冠が5裂し,色が紅色または暗紅色で,放射相称の花をつけるスイカズラ属Lonicera には本種の他,ウグイスカグラ,ヤマウグイスカグラ,コゴメヒョウタンボクが知られる。本種だけは,花冠や子房,萼,花柄,苞に繊毛が多いことで知られている。東北地方,日本海側に多いといわれるが,秩父盆地内の落葉広葉樹林には本種が多い。
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アセビ [ツツジの仲間]

万葉集でも詠まれる植物
 が食べるとったようになるという低,葉を噛むと苦みがあり,有毒植物として知られている。庭木や盆栽などの植栽として用いられる。シカの食害が多い地域では目立つ樹木の一つだ。
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フクジュソウ

シオジ谷の花園
 シオジ谷という名はなく、私が勝手につけたものである。古老に教えていただいた約30年前は,ごく一部の者だけが知る自生地であった。地元に居ながら約10年ぶり、今回が通算で3度目となる。一時はササが群落内に侵入して心配な状況にあったが,10年前の2度目にはササは全くなくなった。一方で多くの人が訪れるようになり、踏みつけによる影響が出てきた。環境保護に関わる方から「最近はツアーが入って困るんだ」という嘆きを伺っていた。また、途中の植林地で大規模な崩落があることも承知していた。そのような理由から三度目の訪問となった。曇天気味でツアーもないことを確認し、少しでも人の少ない日を選んだ。

 大規模な崩落は治まっていたが、シカの食害防止柵が幾重にも張り巡らされて柵内の出入りは面倒だ。沢のガレ場を急登する所では秩父特有のシオジ林となるが、このようなところにも明瞭な踏み跡がある。それだけ人が入っている証拠だ。この日すれ違った人は20人近くになる。天気の良い週末には多くの人々が入山するに違いない。◯◯の花園と検索すると何件もの該当記事がヒットする。中にはGPS軌跡や群落内での記念写真などがあり、最早秘密の場所とはいえない。この写真からは分からないが,10年前には見られなかった踏み跡が網目状に広がっていた。
 この群生地は貴重であることは否定しないが、「人為的なもの」と勝手に思っている。標高1000mを越えた山奥に突然として出現するのが不思議でならない。別の自生地が途中にあってもおかしくはない。麓は限界集落化して久しいが、戦後間もない頃には3つの小中学校(30年前にすべて廃校)や幾つもの集落があった。シオジ谷の下部にはワサビ田の名残もあるように,当時は山での仕事が生業として成り立っていた。タンパク源としてイワナを魚止めの滝上部に放流していたとも聞く。人為的であることの根拠は全くないが、群生する個体間の変異はほとんど見られず,それぞれがクローン状態のような感じがする。
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ホトケノザ

旬の花
 道ばたや畑などでふつうに生える雑草の一つ。自宅近くにある自然農法の畑では,ホウレンソウのまわりで共存している。ホトケノザやハコベなどが生える農地では微生物も多様化し,ほとんどの野菜が育つという。生える雑草で農地の地力が分かるらしい。最近の春めいた天候で,いまや旬を迎えている。
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イヌコリヤナギ

早春の河原
 自宅から徒歩10分ほどで荒川に架かる橋(柳大橋)に着く。秩父では珍しく河原が広く,渡し船があったところである。いまでも橋のたもとにはシダレヤナギの大木が残る。広い河原には野生のヤナギが繁茂して,その多くが花穂(かすい)をつけていた。地味な花序であるが,クローズアップで写すと美しい。もっとヤナギを知りたいと思うが,この仲間の分類は難解である。
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フラサバソウ

春めく盆地
 3月に入り、秩父地方の天候は周期的に変わり,雨も降るようになった。奥秩父の標高1500m以上は遅い雪化粧となったが、盆地の気温は4月を感じさせる。今朝も霜が降りているが,カタクリが地表から芽を出しはじめた。記憶にない早さで季節が進んでいる。
 渇水の影響で元気のなかったイヌノフグリが気になり、いつもの自生地を訪れた。2月下旬とは全く異なり、生き生きとした花をみて安堵する。近くにも同様の小さな花(径3-4㎜)が咲いているので注意深く見ると明らかに別種、秩父地方では比較的少ない帰化植物と分かった。三脚を持たない散歩中、久しぶりに手持ちのMF撮影に挑んだ。
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セツブンソウ2019

渇水の水源地
 今季が暖冬傾向であったことはほぼ予報どおり。しかし,少し気になることがある。それは極端な少雨であることだ。寒の入り以降,関東地方では雨や雪になることもあったが,秩父地方ではちらつく程度で湿り気のない冬となった。秩父地方の道路は冬に凍結しやすいが,今年に限っては例外だ。各道路脇に凍結防止剤の袋が配置されているが,開封されないままで春を迎えた。時間をもてあましている日々なので気象庁HPのデーターから秩父地方の3箇月間(2018年12月~2019年2月)を調べ,降水及び降雪についてまとめてみた。
合計降水量(㎜) 降水日数(日) 合計積雪(㎝) 降雪日数(日)
12月
21
12 0 0
1月 14 9
1
1
2月 14 9 0 0
 降水を記録したのは,12月12日7㎜,これ以降は1月31日14㎜,2月28日14㎜の2日だけで,平年の50%にも達しない。荒川は上流に4つのダムを有することから瀬切れにはならないが,川底の岩盤が見えはじめている。この数日で50㎜ほど降ったが,川の水量は平水にほど遠い。某民放1局が「秩父地方は雨量ゼロ」(2月下旬)と報じていたが,他局は無関心のようである。多くの人が暮らす首都圏の水源は命の源でもある。

 雪や雨が極端に少ない冬にもかかわらず,セツブンソウは律儀に開花してくれた。春を思わせる2月下旬の陽気で一気に見頃を迎えた。有名な自生地では管理が行き届いているが,訪れる人も多く余計な配慮をしなければならない。人の居ない静かな場所でじっくり味わいたい花である。今年も健康で花巡りが始められたことに感謝したい。
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