SSブログ

ヤマネコノメソウ [ネコノメソウの仲間]

猫の目を撮る
 類似種のネコノメソウは葉が対生,本種は互生で水湿地よりも半陰地でよく見られる。和名は,蒴果(写真下)の様子を「昼間の猫の眼(瞳孔が縦に狭くなった状態)」に見立てたことに因る。属名Chrysosplenium は chrysos(黄金の)と splen(脾臓)との合成で,種子散布は雨滴散布と考えられている。
 ※ 写真は上から順に上,中,下
yamanekosou.jpgyamanekosou2.jpgnekonomesou3.jpg
ヤマネコノメソウ(ユキノシタ科)Chrysosplenium japonicum 山猫の目草
 北海道西南部~九州に分布,林床から林縁,または低地の湿った石垣などにも生育する多年草。
 茎の基部は多少ふくらみ,花後に楕円状で有毛の珠芽ができる。走出枝はない。根生葉は長さ2-7㎝で,軟毛が疎らに生える柄があり,葉身は円腎形,長さ5-20㎜,幅8-30㎜,基部は心形,縁には7-11個の浅くて先端が平らな鋸歯があり,両面とも無毛または僅かに軟毛がある。
 花茎は高さ10-20㎝,基部に開出する白毛を散生し,1-2を互生する。茎葉は長柄があり,円腎形~卵円形で,基部は浅心形~切形,縁に浅い平らな鋸歯がある。
 花期は3-4月。花序は普通6-10花を密に着け,径2-3㎝。苞は緑色で卵形,基部は切形または楔状。花は径4-5㎜,ほぼ無柄。萼裂片は緑色で基部は黄色を帯び,倒卵形で長さ1.3㎜位,花時には平開するが花後には直立する。花盤は緑黄色。雄蕊は(2-)4-8個で,長さ0.5㎜位。裂開直前の葯は黄色。子房は下位で,黄緑色を帯び,花柱は極めて短く花時には斜開し,果時には水平となる。
 種子は卵状楕円形で,長さ0.6㎜位,1稜があり,平滑であるが顕微鏡下で見える微細な乳頭状突起を密生する。
 日本のネコノメソウ属の中では分布域,生育地とも最も広いもので,果後に枯死し,種子による他珠芽などから葉を出して越冬し,繁殖する。(上中:2024.3.28 下:2024.4.15)

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。