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ミヤマミミナグサ

6年前の写真から
 本県にもまもなく緊急事態宣言が発出される。コロナ禍が続く今年も山小屋泊の花巡りはできそうにない。年々衰える老体では,高山を巡る花旅はもう無理かもしれない。未掲載の写真でこの時期の高山へ思いを馳せた。
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キレハオオクボシダ [シダの仲間]

避暑は地元の渓谷で part
 イワナンテンを撮影後,渓谷を10分ほど遡った。そこには極めてまれに見られるシダが大岩に着生している。個体数も限られ,絶滅危惧ⅠB類(EN)に指定されている。ほとんど陽の当たらない岩壁に細々と生育している。生育する面積は1㎡ほどしかない。何度も写しているが,発色の良い写真が撮れない。ちなみに写真上のシャッタースピードは1秒,中下は1/8秒。
 標準とされる学名を表記したが,他に数件のシノニムsynonym もある。多方面にわたる今後の研究が待たれる,と図鑑等には記述されている。

 ※ 写真は上から順に上,中,下
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イワナンテン

避暑は地元の渓谷で
 秩父地方では渓谷の岩壁で観察することができる。断崖に自生するので撮影できる場所は限られる。花づきがあまり良くないが,美しい葉だけでも十分に観賞の対象となる。
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ウチョウラン [ランの仲間]

よくぞ,残れたり
 2017-2-05以来,2度目の掲載となる。自生地は舗装道脇の岩壁で,人の背丈ほどの高さにある。標準レンズを用いた手持ちの撮影,もちろんトリミングなし。花数が多ければ人目につきやすいが,貧弱な個体でわずか2花のために目立たない。いつまでもひっそりと咲き続けてほしいが・・・。
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シテンクモキリ

2008年新種記載
 クモキリソウによく似た植物があることは以前から聞いていた。本種と思われるものを数回見てきたが,同定可能な花に出会えなかった。「紫点の濃淡」の差は大きいが,唇弁の反り方にはあまり差が見られなかった。朝露がまだ唇弁に残り,ピント合わせに少々時間を要した。
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グンバイヅル

果実は軍配に似る
 久しぶりに群生しているようすを見たような気がする。背丈の高い植物に被われ,日照が減ると群生は消滅していくようだ。絶滅危惧Ⅱ類(UV)に指定されているが,人の影響を受けて裸地化した周辺に新たな群生を形成していた。
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ミツモトソウ

地味な夏の花
 キジムシロ属Potentilla はどれもよく似て,どこにでもありそうな花である。個人的には見かけることは意外と少ない。名のとおり水源のような環境に生えるという。茎の先が分枝して多くの花を着けるが,花序の様子からまだ咲きはじめのように感じた。
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アキノタムラソウ

変異の多い種
 花期は長く,梅雨末期から咲きはじめる。変異が多く,本来の葉を思いつかないほどだ。「ナツ(夏)」と呼びたいところであるが,花冠の中央から突き出るような雄蕊ではない。また,ナツノタムラソウの変種・ミヤマタムラソウでもないようだ。ここには珍しい白花の個体(写真D:シロバナアキノタムラソウ S. japonica f. albiflora)も混じる。
 ※ 写真は上から順にA~D
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コバノカモメヅル

ヨシ群落で
 放置されたままの休耕田にヨシが侵入すると,はびこる地下茎で耕作がより難しくなる。やがてヨシに絡みつく植物も見られるようなる。こうした遷移の進む休耕田跡でコバノカモメヅルを見つけた。前回2019-09-17は果期の個体であったが,人の背丈よりも伸びたヨシに絡みつく旬のものからは強かな植物の競争を感じた。
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オオバギボウシ

若葉はウルイ
 若葉は山菜として食用となり,栽培されることもある。新芽の頃は,毒草のバイケイソウやコバイケイソウと似ているので注意が必要だ。人家周辺のものは栽培種の可能性があるので,人里から離れた2箇所で撮影した。岩場の個体(写真A,B)は別種と疑って写した。葉の様子から判断して同種とした。
 ※ 写真は上から順にA~D
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イワガネソウ [シダの仲間]

明瞭な違いは葉脈に
 よく似たイワガネゼンマイも同じような環境に生えることから,慣れないと見分けがつかない。久しぶりによく伸びた大形の個体に惹かれ,葉脈を注視して撮影した。
 ※ 写真は上から順に上,中,下
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タニヘゴ [シダの仲間]

湿地に生えるシダ
 撮影地は近くの丘陵にあるわずかな谷津。谷間の田んぼは荒れ放題に放棄され,イノシシが好むような環境が増える昨今である。しかし,ここは耕作していないものの,今でも人の手が入り湿地の環境が維持されている。生育地が限られ,個体数もそれほど多くないといわれるタニヘゴの叢生した状態(写真A)が数箇所にあり,周辺に新たな個体も見られる。直立する葉は1mほどに伸び,見応えのある群生になっている。
 ※ 写真は上から順にA~E
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ノヤマトンボ [ランの仲間]

ランを脅かすハエ食害
 毎年5月頃,近くの丘陵地で花茎を伸ばしはじめたノヤマトンボを見かける。昨年は見事な3株が並んで生えていた。期待して花期に訪れると3本とも花茎が成長せず,葉のみの状態に変わっていた。こうした現象が数年続いているので疑問を懐いていた。識者から「それはハエ(ランミモグリバエ)の影響」と教えていただいた。「野生ラン」と「ハエ」をキーワードにすると,研究論文や新聞記事を検索できる。研究成果で効き目のある農薬もあるが,素人が手にするには少々値が張る。しばらくして別の丘陵地でこの個体を見つけた。花の数は少ないが,食害とは無縁の個体を久しぶりに見たような気がする。
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ヌマトラノオ

雑種の確認
 時折訪れる谷津にヌマトラノオが群生している。10m足らずの所にオカトラノオも生えていることから,イヌヌマトラノオ(オカトラノオとヌマトラノオの雑種)の可能性も考えていた。ここではオカトラノオの花期がヌマトラノオに比べて約2週間早いが,わずかに咲き残りもみられた。花の見頃をねらって訪れ,数株を抽出して特徴を確認したが,雑種の形跡は見られなかった。
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バイカツツジ [ツツジの仲間]

控えめに
 梅雨時,葉の下に隠れるように咲くので目立たない。この日も地面に落下した花に気づき,辺りを見回して撮影した。ネジキナツハゼハナヒリノキは痩せた土壌の尾根に生えるが,本種は肥沃な土壌からなる鞍部に生育していた。鞍部も含めて尾根などは同じ山中でも酸性傾向が強く,ツツジ科の多くはこうした土壌を好むようだ。
 写真下は葉がなくなり,花が顕わになった異常なものであるが,花の様子がよく分かるので敢えて撮影した。撮影のために故意に葉をもぎ取るような行為は,断じて行っていないことを書き添えたい。
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ハコネラン [ランの仲間]

小型の貴重種
 亜高山帯・針葉樹林下に生えるコイチヨウランに似ているが,垂直分布ではこれよりも低く山地帯・夏緑樹林下に分布する。形態的には唇弁に違いがある。スズタケとともに生えることが多く,これと何らかの関連性をとなえる人もいる。スズタケが消滅した後にハコネランが消えたところもある。フォッサ・マグナ要素植物との考え方もあるが,奈良県の分布には謎が残る。埼玉県ではミズナラが優占する落葉樹林にあり,シコクスミレの葉も点在している。
 ※夏緑樹林=水平方向:冷温帯,垂直方向:山地帯,ブナが極相と考えられるのでブナ帯ともいう。
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ゼンテイカ

たびたび変更される科名と学名
 和名に地名があてられ,学名にも様々な考えがあるようで紛らわしい。拙ブログではデジタル化2017-02-11で取り上げた。一般には別名で呼ばれることが多い。関東周辺の高原や湿原などがよく知られているが,山地の岩場や海岸などにも生育する。分布は広く,埼玉県内でも数箇所に自生する。この撮影地はあまり知られていないのか,この日見掛けた人はたったの1人。のんびりと初夏の景色を独り占めした。
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ニシキウツギ

錦ではなく二色
 和名の「ニシキ」には「錦」と「二色」があるようだ。個人的には「錦」が多いと思っていた。恥ずかしい話であるが,図鑑を開くようになってから錦空木ではないことに気づいた。開花時は白というより,やや淡い黄色を帯びた花である。
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マルバマンネングサ

別名はマルゴケ
 埼玉県西部の低山から山地まで分布しているが,どこにでも普通に生えているものでもない。撮影地は秩父盆地から山峡に入った渓流沿いの道路脇にある。日照時間の少ない多湿なV字谷で,苔生す岩上によく群落を形成する。一時見られなくなったが,復活の兆しが感じられる。「セダム」という名でグランドカバーとして庭園など植栽用されるので,再び消える可能性もある。
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バイケイソウ

下草の少ない森
 巨木のミズナラが優占する深山ではあるが,林床にはシカの糞が点在している。草本層は少なく多様性もない。このような森ではバイケイソウがよく見られる。普段ではカメラを向けることはないが,見頃の花に合わせてシャッターを切った。試験的に食害防止ネットの設置が始まっているところでは,すでに多種の草本が再生しはじめている。
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シナノショウキラン [ランの仲間]

予想外の鍾馗様
 この日のねらいはシナノショウキランではなかった。ゲートのない林道で目的地まで車で行くことができるが,豊かな林相に惹かれて数㎞手前に駐車した。歩き始めてまもなく,道路脇に見たことのない淡黄色に気づいた。草をかき分けると,それは明らかにシナノショウキラン。多くの方が憧れ,わずかな情報を手掛かりに探し求めると聞いてきた。まず見ることはできない貴重種と思っていた。車で通過すれば気づくことはなかった。このような形で遭遇するとは,運を使い果たすようで恐ろしいくらいだ。それも見事な株である。さらに驚くべきことは,ここは信濃の国ではない。初見の淡黄色は想像以上に美しく,しばし見とれて時の経つのも忘れるほどだった。
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