グンバイヅル

果実は軍配に似る
　久しぶりに群生しているようすを見たような気がする。背丈の高い植物に被われ，日照が減ると群生は消滅していくようだ。絶滅危惧Ⅱ類(UV)に指定されているが，人の影響を受けて裸地化した周辺に新たな群生を形成していた。

グンバイヅル（オオバコ科）Veronica onoei 軍配蔓
　本州中部に限られ，浅間山付近・志賀高原・美ヶ原などに分布，日当たりの良い礫地に生える多年草。茎は長く地上を這い、根を下ろして広がる。葉は対生し，ごく短い柄があり，円形または広楕円形で，先は円く，小さな先の円い鋸歯があり，長さ13-25㎜，幅8-25㎜。花期は7-8月。葉腋から長さ6-13㎝の花序が直立し，多くの花を着ける。花柄は長さ1-1.5㎜で腺毛が生える。萼裂片は披針形でやや尖り，腺毛が生える。青紫色の花冠は漏斗状鐘形，径8㎜。蒴果は平たい倒卵状楕円形で先が凹み，縁に腺毛が生え，長さ4-6㎜，幅3-4㎜。和名は果実の形が軍配に似ていることに因る。クロンキスト及びエングラー分類体系ではゴマノハグサ科に分類される。(2021.7.17)