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タシロラン [ランの仲間]

分布域拡大
 神奈川県や東京都での自生は承知していたが,いずれは埼玉でも見られるだろうと思っていた。意外に早くその時がやってきた。
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マヤラン [ランの仲間]

発見地は神戸・摩耶山
 最新の図鑑では花期及び分布の表記が変わってきている。従来は関東地方南部以西といわれていたが,近年では関東地方北部でも見られるという。菌従属栄養植物の研究が進んでいることも一因であろう。埼玉県でも自生地の拡大及び個体の増加が認められる。ここでは9月にも開花を確認している。個体群の消長が激しく,群落や大きな株でも数年で消えてしまうこともあるという。
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クリンソウ [サクラソウの仲間]

大型のPrimula
 各地に群生地があり,観光で訪れる人も多い。しかし,野生のものは極めて少なく,植栽されたものが多い。地元の群生地は観光を目的として植栽されたものだ。野生種を見るには奥秩父から八ヶ岳まで行かなければならない。Primula は「primos(最初)」が語源といわれ,他に先駆けて早春に花が咲くという意。この群生地では遅い春が6月末に訪れる。今年はより遅く,7月に入り見頃を迎えた。
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ユウスゲ

梅雨明けが待ち遠しい
 クロンキスト及びエングラー分類体系ではユリ科,APGⅢ分類体系ではワスレグサ科,APG Ⅳ(2016)からはツルボラン科に分類されるようになった。年寄りは変化についていけない。
 外出自粛の頃,過去の写真(7年前)を整理していた時に見つけた。山地に草地の少ない本県では見ることは難しい。それにしても異例な時が続く。せめて梅雨空ぐらいは季節に相応しい空に戻ってほしい。
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チングルマ

広大な白の絨毯
 6月21~23日に撮影したものを長期にわたって掲載してきた。見頃の花を数多く写すことができたが,そろそろ季節感がずれてきた。最後は秋田駒ケ岳のチングルマの大群落で締めくくりたい。
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タカネザクラ

高嶺に咲くサクラ
 サクラの仲間では最も標高の高い所に生え,ハイマツ帯の中で見かけることが多い。この日は快晴でコントラストの強い写真ばかり。唯一柔らかめの光で写したものを取り上げた。
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ミネカエデ

亜高山帯のカエデ
 本種に類似する種として,コミネカエデ,ナンゴクミネカエデ,オオバミネカエデ,が知られている。分類についても異論があり,同定は意外に面倒である。便宜上,標高や地域で分類しているような事例も見かける。ここではミネカエデと同定したが,あまり自信はない。
 秋田駒ヶ岳8合目以上ではミネカエデとナンゴクミネカエデが混生している,と聞いたことがある。登山道沿いに見られる10個体ほどを写し,帰宅後画像を拡大して調べた。両種の中間型と思えるような個体もあるが,ナンゴクミネカエデ(葉の掌状裂片の先が全て尾状に長く尖る)と断定できるものは写っていなかった。minekaede.jpgminekaede2.jpg

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ツルツゲ

極小花に立ち止まる
 ハイマツ帯の中でひっそりと咲いていた。名前が思い出せず,証拠写真として3枚写した。撮影中に「何の花ですか?」と聞かれたが,「葉はイヌツゲに似ていますが,花は別の仲間と思います。判らないので写しています。」と答えた。帰宅後,葉を拠り所にして同定した。撮影したものは全て雄株ばかり。雌株を探したが,視界にタカネスミレが入っていたので先を急いだ。
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ハイマツ

極めて生長の遅い樹木
 ミヤマダイコンソウ,ミヤマハンノキに続いて今回も地味な花,3種とも高山帯では欠くことのできない構成種である。ハイマツはゴヨウマツ(五葉松)の仲間に近く5葉性である。球果はホシガラスの重要な食料源で,夏の高山帯では球果をついばむ様子をしばしば観察できる。食べ残しによって種子が散布される。新枝が伸びはじめる時期で,まだ雌花はついていない。
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ミヤマハンノキ

地味な花にも見所あり
 ハンノキ属Alnus は“雄花序に柄があるもの(ハンノキ亜属)”“雄花序に柄がないもの(ヤシャブシ亜属)”に分けられる。雄花序(写真上)と雌花序(写真下)の様子が分かるように撮影した。ミヤマハンノキは“ハンノキ”でありながら,柄がないのでヤシャブシの仲間である。本種の根にはオクニが寄生することでも知られている。雪渓が近くにあり,ここは未だ早春を感じる環境である。
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ミヤマダイコンソウ

贅沢な風景
 秋田駒ヶ岳8合目から登ること約30分,眼下に田沢湖を臨める場所がある。ミヤマダイコンソウは高山では普通に見られる植物で,この花を写す人は少ない。この日は雲一つなく日本最深の湖は鮮やかなコバルトブルー。この視界から外れた遥か左遠方には,残雪の鳥海山を望むこともできた。その風景も撮影したが,主役不在の写真となる。ここでの主役はミヤマダイコンソウとした。
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ツガザクラ [ツツジの仲間]

亜種ナガバツガザクラ?
 前回のイワハタザオについては予備知識をもって撮影したが,本種については無意識に撮ってしまった。帰宅後,図鑑に目を通しいると亜種ナガバツガザクラ subsp. tsugifolia があることに気づいた。もはや後の祭り。葉の長さや幅,狭卵形の萼片など,全く意識せずシャッターを切ってしまった。図鑑(日本の野生植物.1982.平凡社)には,“東北地方北部から北海道の高山には,葉が細長く,長さ6-12㎜あり,萼片は狭卵形で長さ約3㎜のものがあり” と記述されている。秋田駒ケ岳のものは,ほぼ亜種に相当すると思われる。
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イワハタザオ

変異の多い仲間
 本変種の基本種は富士山に生えるフジハタザオ A. serrata var. serrata といわれている。形態的,生態的に変異の多い種といわれ,いくつかの変種や品種が認められている。分類上では顕著な特徴はなく,微妙な違いが多く識別が難しいともいわれている。過去に静岡県でシコクハタザオ A. serrata var. shikokiana を見たことがあるが,同定するまでに数年を要した。決定づける文献も少なく,分布域で判断していることが多いようだ。
 秋田駒ケ岳や岩手山には花柱の短いイワテハタザオ A. serrata var. japonica f. fauriei があることは承知していた。そのため,今回の秋田駒ケ岳では本変種についても注視して登った。スタートの8合目からほどなくして出現し,戻るまでに数箇所で撮影した。写真上は火口原,写真中は大焼砂,写真下は稜線,それぞれで写した。ネット上では,この山塊のヤマハタザオ属 Arabis の多くはイワテハタザオとして紹介されている。本州中部の高山型としてウメハタザオ f. grandiflora,北海道から本州北部にはエゾノイワハタザオ var. glauca があり,まさに識別が難しい。一度は3枚の写真をすべてイワテハタザオとしたが,特徴的な短い花柱は確認できなかった。最終的には一番無難なイワハタザオとした。率直な疑問として,果期になるにつれて花柱はしだいに伸長していくように思うのだが.....。疑問は解けそうにない。iwahatazao.jpgiwahatazao2.jpgiwahatazao3.jpg

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ムシトリスミレ

食虫植物の一種
 多雪の秋田駒ケ岳には本種の好む環境が数多くある。阿弥陀池の木道沿いでも容易に見ることができるが,この日は被写体として良いものがなかった。写真は前述の“シラネアオイロード”の上部で写したもので,捕虫した様子をとらえることができた。花弁は合着してスミレ科とは無縁である。
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シラネアオイ

天上の楽園
 所持する図鑑(日本の野生植物.1982.平凡社)では1科1属1種,日本特産のシラネアオイ科として分類されている。これ以前はキンポウゲ科,現在では再びキンポウゲ科に位置づけられている。独立した科の根拠は,雄蕊にボタン科に似た特徴があること,染色体数や果実などにキンポウゲ科にない特徴があること,などが指摘されている。
 タカネスミレの群生地・大焼砂からバス発着の8合目に戻るには幾つかのルートが選択できる。体力,時間,天候など,ともに余裕があったので火口原に最後まで雪渓が残るルート(写真D:通称 ムーミン谷)を歩いた。下山するには最後にきつい登り返しがあるが,ここで想像を絶する群生が待っていた。谷底から稜線に登る約20分間は圧巻のシラネアオイロード。満足!
※写真は上からA~D
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シロバナハクサンチドリ [ランの仲間]

純白のピント合わせに難儀する
 文字通りハクサンチドリの白花タイプで,分類上は品種forma となっている。アルビノ型は比較的よくみられるが,この群生地ではいろいろなタイプがあるので興味深く観察した。わずかに紅紫色が残る個体(写真上・中)と純白の個体(写真下)を選んで撮影した。「純白」のピント合わせはさすがに厳しく,オートフォーカスでは全てピンボケ,マニュアルフォーカスでようやく写すことができた。
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ハクサンチドリ [ランの仲間]

駐車場周辺の芝生に群生
 岩木山麓から8合目に通じる道路では路肩に点々と咲いていた。途中駐車を考えたが,カーブの多い車道を塞ぐので止むを得ず通り過ぎた。ところが8合目にある駐車場の一角では踏み場もないほど群生していた。都市型公園の芝生に群生するネジバナを彷彿させる光景だ。花の色も濃紅紫色から白花(次回に掲載)まで様々,一般に北方型は葉幅が広くなると聞いたことがある。
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イワヒゲ [ツツジの仲間]

岩場にへばりつく小低木
 ウコンウツギのすぐ近くの岩場で咲きはじめていた。和名の由来となる葉が特徴で,見るからに厳しい環境に適応できる小低木と理解できる。何度も見てきたが,最も旬な花を愛でることができた。
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ウコンウツギ

予想外の出会い
 主な分布は北海道と理解していた。そのため,ミチノクコザクラが咲く山で見られるとは予想もしていなかった。キバナウツギと比較すると,花柄があることや花が終わっても萼が残ること,などが特徴である。華やかさがあり,花も葉もひとまわり大きい感じだ。「鬱金」という名に相応しい花である。
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ノビネチドリ [ランの仲間]

駐車場の法面に咲く
 下山して靴を履き替えている目前で咲いていた。2018-06-09 で掲載した花と色合いが異なるので取り上げた。側花弁には斑が入り,白地の唇弁には紫色の条が2本ある。本種のアルビノ型,シロバナノビネチドリ f. leucantha との中間型と思われる。花の名山には,駐車場にも魅力的な花がさりげなく咲いていた。
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コケイラン [ランの仲間]

道路脇に群生
 ブナ帯と呼ばれる森林帯で,沢沿いなどの湿った登山道で見かけることが多い。驚くことにここでは県道脇に群生,腐植層が厚く積もり,近くには沢がある。特殊な環境ではないが,本種はこのような場所を好むのだろう。
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オオヤマフスマ

ようやく写す気持ちに
 目的の花を目指して山に登る時,麓でよく見かける。先を急ぐので帰りに撮ろうと思うが,それができない。疲れで撮影意欲がなくなり,また何処かで写せるだろうと・・・。この日は余裕があり,トチナイソウナンブイヌナズナを堪能した山塊(写真下)を見ながら撮影した。登山口から駐車場に戻る道沿いには随所で咲いていた。フスマ(衾)は布団を意味するが,和名の由来は分からない。
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ヒロハヘビノボラズ

ユニークな和名
 一度覚えると忘れ難い名前である。花の色が淡く,下向きに咲くので,イワウメのように目立たない。蛇紋岩地では随所で見られ,数多くの花をつけていた。
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チシマアマナ

千島の甘菜
 千島列島(ウルップ島)ではじめて採集され,アマナに似ることが和名の由来という。南部地方の名峰では個体数は多く,中腹から上部の登山道の随所で見られる。岩地全体を被うイワウメに圧倒されて意外に目立たない。一つ一つの花は繊細でとても美しい。
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イワウメ

南部地方の名峰では密
 幾度なく見てきた花であるが,岩肌を被うように咲き誇るイワウメは久しぶりである。快晴の空に白さが映えて眩しい。その美しさは,3密が叫ばれている人間社会を嘲笑うかのようだ。
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タカネスミレ [スミレの仲間]

殺風景を彩る黄色のスミレ
 秋田駒ヶ岳には,1㎞以上にわたり緩やかな稜線が続く“大焼砂”と呼ばれる所がある。カルデラの外周に相当する部分であるが,スコリア質火山礫,火山弾及び火山岩塊で形成されて歩きづらい。保水力に乏しく植物にとって厳しい環境である。ここで生育できる植物は本種の他にコマクサイワブクロなどに限られる。無機質な砂礫地が黄色の絨毯で被われる6月下旬,いつかは訪れたいと思っていた。乏しい撮影術ながら,贅沢な風景をとらえられたと自己満足している。
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ミチノクコザクラ [サクラソウの仲間]

津軽地方の固有種
 本変種は雪渓が消えるところから咲きはじめる。自生する山には山頂部まで道路が延びているので,比較的容易に見ることができる。今年は積雪が少なかったのか,山頂に近い湿地は見頃を過ぎていた。雪渓が見える所まで登山道を下り,旬の花にあり着けた。
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