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ツルネコノメソウ [ネコノメソウの仲間]

未だ明瞭な走出枝は見えず
 タチネコノメソウに似るが,本種の特徴でもある地上性の走出枝を確認するために1週間ほど空けて再訪した。ややそれらしいものが見えるが顕著なのは伸長した草丈だけだった。沢沿いの水湿地の岩上を好み,背景(写真A)には終盤のハナネコノメも生えていた
※ 写真は上から順にA~C
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ツルネコノメソウ(ユキノシタ科)Chrysosplenium flagelliferum 蔓猫の目草 別名 ヒメネコノメソウ
 北海道・本州(近畿以北)・四国(剣山)に分布,落葉広葉樹林下などの沢沿いの水湿地に生える多年草。
 地上性の走出枝があり,花茎の葉と同形の葉を互生する。花後に走出枝は急速に伸長し,その先端は発根して新個体となり,大きな根出葉を出して独立する。根出葉は普通花時には枯れる。葉柄は長さ5-8㎝。葉身は円形で,長さ2-3.5㎝,幅3-5㎝になり,基部は心形,縁に7-17個の切頭または円頭に終わる鋸歯がある。葉は薄く,表面は緑色で,粗い毛を散生する。葉の裏面は淡緑色。
 花茎は高さ3-15㎝で,2-3葉を互生し,ほとんど無毛で,集散花序を頂生する。茎葉は有柄,普通扇形で,基部は鈍形または切形,長さ2-8㎜,幅3-9㎜,無毛,上縁に5-7個の鈍頭または円頭に終わる鋸歯がある。
 苞は下部のものは茎葉に同じで,上部のは卵形。
 花期は4-5月。花は径3-6㎜,短い花柄がある。萼裂片は広卵形で,花時に平開し,緑色または黄緑色で,長さ1-2㎜,幅1.5-2.5㎜。花盤は黄色。雄蕊は8個で,花盤の外縁から出て花時に直立し,長さ0.7-1㎜。裂開直前の葯は黄色。子房は下位で,下半分は萼筒と合着する。花柱は長さ1㎜位で,果時は広く開出する。種子は卵形または長卵形で,長さ0.6㎜位,1稜があり,平滑だが長さ0.5㎜ほどの微細な乳頭状突起を生じる。染色体数は2n=24。
 花後に著しく伸長する地上性の走出枝の先端に大型の葉を根生することが本種の特徴。和名もこの性質に由来する。(AB:2024.4.8 C:2024.3.31)

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