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トサノクロムヨウラン [ランの仲間]

開花するクロムヨウラン
 クロツバラ同様,「クロムヨウラン?」2017.12.6から4年が経過した。その記事では「来年(2018年)の夏には花を撮影できるだろう」と結んだが,その後2年間は全く出現せず。諦めかけていた2020年,蒴果を再発見することができた。
 2021年8月,コロナ禍が山峡の秩父地方にも押し寄せてきた。県を跨ぐことや高山に行けるような状況ではなく,井の中の蛙状態。そんな状況下の8月3日,ようやく蕾を発見することができた。まさに「禍転じて福と為す」となった。
 盆行事を除いて出かけることもないので,自宅から10分ほどの自生地を訪れることが日課となった。日に開花するのは1(-2)花,下から上へ順に咲いていくようだ。その日の天気に関わらず開花していた。午前7時前後には既に平開していたことから,早朝から開きはじめると思われる。正午前後から閉じはじめ,時には午前10時過ぎから閉じはじめることもあった。
 「開花するクロムヨウラン」と「開花しないクロムヨウラン」の存在が誤解や混乱を生じていたが,2018年末次健司氏らによって解明された。詳細は神戸大学末次健司研究室を参照していただきたい。

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クロツバラ

注目度は低い?
 クロウメモドキ属2017.11.26として取り上げてから4年が経過した。この時もクロツバラと推定したが,継続観察後に同定するつもりであった。ところが撮影した個体はまもなく除伐された。今回撮影した個体は2020年に見つけた。約30年前のダムの建設残土よって造成された土地に自生している。造成地は優に5haを超える。秋に草刈りが行われる程度で植栽はなかった。この数年,病院やヘリポート,介護施設,住宅などの建設が進めらている。ここに生育する植物の多くは帰化植物であるが,荒川に面した斜面の植生は多様化している。
 本種の注目度は低いが関東地方5県(埼玉県を含む)では絶滅危惧Ⅰ類に指定されている。黒色の核果を啄む鳥類を観察したことはなく,その多くは萎んで落下するようだ。クロツバラがどのようにこの造成地(標高200m)へ入って来たのかが興味深い。
 ※写真は上から順にA~E
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