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クロツバラ

注目度は低い?
 クロウメモドキ属2017.11.26として取り上げてから4年が経過した。この時もクロツバラと推定したが,継続観察後に同定するつもりであった。ところが撮影した個体はまもなく除伐された。今回撮影した個体は2020年に見つけた。約30年前のダムの建設残土よって造成された土地に自生している。造成地は優に5haを超える。秋に草刈りが行われる程度で植栽はなかった。この数年,病院やヘリポート,介護施設,住宅などの建設が進めらている。ここに生育する植物の多くは帰化植物であるが,荒川に面した斜面の植生は多様化している。
 本種の注目度は低いが関東地方5県(埼玉県を含む)では絶滅危惧Ⅰ類に指定されている。黒色の核果を啄む鳥類を観察したことはなく,その多くは萎んで落下するようだ。クロツバラがどのようにこの造成地(標高200m)へ入って来たのかが興味深い。
 ※写真は上から順にA~E
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クロツバラ(クロウメモドキ科)Rhamnus davurica var. nipponica 黒ツ薔薇
 本州(中部地方以北)に分布,日当たりの良い山地や高原に生える落葉低木。雌雄異株。根元からよく分岐し,普通高さ2-4m,大きいものは高さ8m,直径10㎝ほどになる。樹皮は灰黒褐色,長枝の先端は棘になり,短枝が発達する。葉は普通対生し,葉は狭長楕円形で,長さ5-12㎝,幅2-4㎝,先は小さく尖り,基部は広い楔形,縁には細かい鋸歯がある。膜質で表面は無毛。裏面は脈腋や脈に沿って少し毛がある。葉柄や長さ1-2㎝。短枝に着く葉はやや小さく,倒卵形に近い。花期は5-6月。枝の基部近くの葉腋や短枝に,黄緑色の花が集まってつく。花は直径4-5㎜,萼片は4個,雌花の花柱は2裂して反り返る。果実は核果。直径6-8㎜の倒卵状球形で,10月頃に黒色に熟す。
(A・B:2021.11.20 C・D・E:2021.5.13)

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