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ミヤマツチトリモチ [寄生植物]

ツチトリモチ科3種め
 はじめて見た時にはキノコの一種か,と思うほど異質な植物,さらに種子植物と聞いて驚いた。日本には雌株のみが確認され,単為生殖をおこなうと説明されて2度ビックリ。所持する図鑑にはかなりのスペースを割いて事細かく記述されている。
 この日は3度目となる観察,改めて場所によって個体差が大きいことが分かった。撮影した個体(写真A,B)はウリハダカエデに自生していた。山中で出会った方は,オオウラジロノキにも寄生し,シカによる食害もある,と言った。食害については,裏付けとなる塊根(写真D)を6年前に写していた。図鑑には,渓流近くの斜面に発生するものが多い,とあるが,筆者がこれまで観察したのは,いずれも渓流から離れた山腹から尾根である。まだ分からないことが多いのかもしれない。
 ※ 写真は上から順にA~D
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ゴキヅル

雌花を探す
 大きな溜池にあるバックウォーター周辺の畔で,ヨシや手すりに絡まり繁茂していた。こうした環境は開発対象になりやすく,首都圏では絶滅危惧Ⅰ類やⅡ類に指定されている。ゴキヅルの花は単生で雌雄同株,老眼鏡越しに探したがとうとう見つからなかった。
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オオヒキヨモギ

ありそうでないもの
 環境省カテゴリでは絶滅危惧Ⅱ類(UV),埼玉県では絶滅危惧Ⅰ類に指定されている。日当たりの良い乾いた草地に生育するとされているが,この場所は林縁部で乾いた環境でもなかった。類似種ヒキヨモギとは,葉の切れ込みが浅いこと,花が鮮緑色でないこと,などの違いがある。
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アイナエ

再び緊急事態宣言
 あっという間に山峡の秩父地方にもコロナ禍が押し寄せてきた。今までは月に数人程度の感染数だったが,8月に入り市内だけでも150人以上が感染したようだ。この数字が正確なのかも疑わしい。驚くことに,市内数箇所に他地域からの人々で行列が絶えない店があることだ。様々が混沌として,とても八ヶ岳や白馬岳などの他県に行けるような状況ではなく,8月は再び井の中の蛙状態,この一月間はガソリンスタンドに行くこともない。自分の身は自分で守るしかない。

 そんな折,小さな花を愛でることができた。久しぶりに平穏の時を実感。感謝。

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コウホネ

水面から突き出る水上葉
 水生植物が生える小さな池に出くわした。生き生きした葉の様子から,周辺の森林から流れ込む水に必要十分な養分を含んでいるものと思われる。
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クサレダマ

黄色の群落
 地下茎を這わせて生長する植物は群落を形成することが多い。小さな湿地に今年は爽やかな黄色の絨毯が広がっていた。花期はもっと遅いと思っていたが,花の見頃は地域によって差があるが,梅雨明け前後がベストと思われる。
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ミヤマママコナ

早くも見頃
 不確かな記憶では花期は立秋過ぎと思っていたが,今年は7月下旬で写真のような状態である。イネ科やカヤツリグサ科に半寄生すると聞いたが,この自生地ではほとんど見られなかった。飯子菜は,下唇の白斑を飯粒とする説と種子を米粒とする説があるようだ。白斑奥の黄色と苞の様子を意識して写したつもりである。
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ヤクシマヒメアリドオシラン [ランの仲間]

唇弁の裂片に注目
 ハクウンラン属Odontochilus は,唇弁の様子で2分するようだ。唇弁舷部の裂片が4角形になるハクウンランに対し,本種の裂片は概ね3角形になる。初産地が屋久島でヒメアリドオシ(アカネ科)の葉に似ることが和名の由来である。別属にヒメアリドオシランがあるので紛らわしい。
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サクライソウ

摩訶不思議な植物
 分類学上,様々な議論を経て今日の位置づけとなった植物である。写真Aは沢沿いの落葉常緑混交林下で湿潤な環境に生育していた。一部にはミズゴケやバイカオウレンなども生えていた。写真Bは緩やかな尾根に通じる落葉広葉樹林下の山腹に群生していた。絶滅危惧ⅠA類(CR)に指定されているが,想像を絶する群生である。両者の環境の共通点は,北東向きで朝陽だけが当たる樹林下であることと,十分な孔隙(隙間)がある土壌であることの2点である。ふかふかな土で踏み込むのを躊躇うほどだ。菌従属栄養植物であることから土壌微生物の豊かさを思わせる。林内の菌類が放つ「香気」を強く感じ,何ともいえない心地良い匂いが立ち込めていた。前年の植物体がまだ残るような個体(写真B)は意外に多い。極細の淡黄色の茎は堅く腐植し難い感じだ。

 別の目的でこの付近を訪れた時,このサクライソウ自生の存在を教えていただいた。生涯見ることはできないと思っていたが,奥深い菌従属栄養植物の世界を体感することができた。感謝しなければならない。
 ※ 写真は上から順にA~D
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コメツツジ [ツツジの仲間]

花は痛みやすい
 分布は広く,酸性土壌の岩場や風衝草原で見かけることが多い。何度も見てきたツツジであるが良い写真が撮れない。撮影術の未熟さが要因であるが,なかなか旬な花に出会えない。この日も登山道の随所で見かけ,そのたびにカメラを向け,そして諦める。いつものパターンである。
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ミヤマワラビ [シダの仲間]

生育地は冷温
  ‘八字髭’ のような最下羽片,直立する葉柄に対して水平方向に伸びる葉身,などの特徴で印象的なシダである。リンネソウを撮影後,背面に群生していたのでカメラを向けた。
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ヒメシャジン

変異の多い仲間
 ホウオウシャジン及びイワシャジン以来,久しぶりのツリガネニンジン属 Adenophora この属は種も多く,茎葉だけでもふつう輪生(または対生),あるいは互生,など多岐にわたり紛らわしい。種間においても変異があり,変種及び品種が記載されている。この自生地のものは,葉は互生で,萼裂片には疎らに小鋸歯が見られた。
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クルマユリ

葉は輪生状
 花はコオニユリに似ているが,葉の着き方で容易に見分けられる。自生する環境は草原内の半日陰で,陽を遮るものがないところではハクサンフウロやシモツケソウが優占していた。
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リンネソウ

夫婦花と称される
 生物の学名表記を二名法で体系づけたカール・フォン・リンネが愛好していた植物として知られている。学名にはリンネ自身の名が引用されている。
 常緑小低木でありながら,細い茎は苔生した岩上や地表をはいながら伸長し,ときに群生する。強い日射を嫌い,湿潤で肥沃な土壌を好むといわれている。白馬岳のハイマツ帯一部で密生しているが,私の体力では山小屋泊を要すことから,日帰りコースでまとまって咲くところを探していた。標高差約300mを上り詰めた巨岩に囲まれた北向き斜面(写真上)で群生を見つけた。見頃は過ぎて落下した花が散見された。この群生近くの薄暗い針葉樹林下(写真下)で咲きはじめのものをようやく見つけることができた。
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