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ワダソウ

予想外の出会い
 秩父地方の林道では令和元年東日本台風(台風第19号)による甚大な被害が未だに残っている。一部通行止めが解除された林道を3年ぶりに訪れた。ここは標高800mを越えることから里で見逃した花を観察できる。
 超大型望遠レンズで待機中の方に断って林に入ろうとすると,サブカメラで写した画像を開き「この花何ですか」と聞かれた。ワチガイソウ属Pseudostellaria と分かったが,5花弁の先の切れ込むような凹みに驚いた。10年以上も通っているが,見かけるのはいつもヒゲネワチガイソウ。この野鳥写真家と出会わなければ,ワダソウを観察することもなかっただろう。
 すでに花は終盤,10個ほどの雄蕊にある赤紫色の葯は少ない。Pseudo は“偽りの”,Stellaria は“ハコベ属”といわれている。

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クチナシグサ

3年越しの撮影
 2019年6月に萎れた残り花を見たのが本種との最初の出会いだが,種名未同定のまま画像はお蔵入り。その後,ネット上に掲載された写真で記憶が蘇った。特徴のある葉で同定することができた。
 観察を5月上旬に計画していたが,すでに開花していることが分かり,
2年前の観察地を訪れた。掲載した画像は少し離れた場所で撮影したものである。いずれもコナラなどの二次林縁で,山道脇の乾いた草地に自生していた。イネ科に寄生するといわれているが,根拠となる文献等は見つからなかった。
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ホンシャクナゲ [ツツジの仲間]

今日も過去写真から
 度々のことだが,今回もブログ開始以前の写真を用いた。自生地が近ければ取り直したいが,有名な自生地は遠く簡単に訪れることはできない。キバナサバノオを堪能した後日,比良山系の尾根筋でようやく見ることができた。
 秩父地方にも分布するアズマシャクナゲに似ているが,花冠の裂け方で両種を区別する。5裂する花冠のアズマシャクナゲに対して,本種は7裂の花冠をつけることが大きな違いである。
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ハルユキノシタ

過去の写真から
 本来ならば,新たに撮影したいところであるが,秩父地方での自生は確認できない。やむを得ずブログ開始以前,ちょうど6年前に写した画像を用いて記事にした。特徴はユキノシタよりも花期が早く,上3弁には黄色の紋(ユキノシタには紅紫色の紋)がある。
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サワオグルマ [キクの仲間]

貴重な自生地で一息
 埼玉県では絶滅危惧Ⅰ類に指定されている希少種が山沿いの田んぼ脇に群生していた。水が染み出るような環境と日当たり良さは本種にとって最適地と思われる。この田んぼでは昔ながらの耕作が続いている。東から西に開けた景観は時が経つのを忘れるほど素晴らしい。
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クゲヌマラン [ランの仲間]

ギンランの仲間の違いを実感
 ヤビツギンランを見た時から,その違いを実際に確認したいと思っていた。わずかに残る距,ササバギンランの葉に似た形態など,実際に観察しなければ分からないことである。まさに“論より証拠”である。
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マルバアオダモ

円い葉にあらず
 図鑑をよく読まなかった頃,細葉なのになぜマルバなのかが理解できなかった。マルバは葉の形や葉先が円いことを表すのではなく,葉縁に明瞭な鋸歯がないということを後に知った。よく通う丘陵地では3-5m程の樹高のものが多く,落葉高木であることを感じない。特徴的な円錐花序は新緑に映えて美しい。撮影した個体は雌花(両性花)と思われる。
 外見は離弁花のように見えるが,モクセイ科の花は合弁花,2数性で放射相称,花冠は普通合弁で4裂する。トリネコ属Fraxinus は野球木製バットの材料として知られている。
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ヤマナシ

際立つ白さ
 何度も見てきた花であるが,いずれも近寄って写せるような場所ではなかった。秩父山地を越えた山梨県や長野県の高原には有名な巨木が知られているが,地元で格好な被写体を探していた。秩父盆地から平野部に通じる国道下に生えているが,通勤していた頃には全く気づかなかった。斜面を少し下って望遠レンズで白い花を引き寄せた。
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チドリノキ

カエデらしからぬ葉形
 以前,沢沿いを歩きながら樹木について教えていただく機会があった。カバノキ科のサワシバ,クマシデとともに名前を憶えようとするのだが,葉の形と別名ヤマシバカエデなどとまとめて説明していただき,かなり混乱した。葉が対生することに着目することで少し分かりやすくなった。黄葉する葉の形からは,とてもカエデの仲間とは思えない。写真上は両性花,下は雄花と思われる。chidorinoki.jpgchidorinoki2.jpg

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ウリカエデ

ウリそれともウリハダ
 花期はソメイヨシノの見頃とほぼ同じで,丘陵地などでも見られるありふれた樹木である。カエデの仲間は湿った所を好むものが多いが,本種は乾いた尾根筋でも見られる。元画像を拡大すると雌花(写真上)には先が2分する花柱と退化した雄しべ,雄花(写真中)には8本の雄しべが,それぞれ確認できる。紅色を帯びた鱗片葉(長さ約2㎝)が意外と美しい。ウリハダカエデに似ているが,花の数,葉の形や葉裏の毛,黄葉すること(ウリハダカエデは紅葉),樹皮などに違いが見られる。撮影した樹皮は幹の太い個体で,灰色の裂け目が入っている。
 ※ 写真は上から上・中・下
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ヤマエンゴサク

ヤマエンゴサク祭り
 自宅から直線にして約1㎞の所にこの群落はある。斜面は北向きで,この上方にはアマナの群落もある。毎年訪れているが気に入るように写せない。今回も納得したわけではないが,当たり年とも思える数え切れないほどの花で誤魔化した。群落は写真Aのさらに左側に広がっている。訪れる人は皆無であるが,一面に咲き誇る様子はまさにお祭りである。
 図鑑では花の色は青紫~紅紫とあるが,ここの個体には様々な色があり,白色に近いもの(写真C)もある。小葉の数や形状,小花柄の基部の苞,花の色,いずれも変異するものが多い。
 ※写真は上からA~E
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クサイチゴ

久しぶりのキイチゴ
 キイチゴ属Rubus の種数は多い。北半球には数百種が知られ,雑種も多いと聞く。拙ブロクでは,これまでにフユイチゴモミジイチゴを取り上げた。細長く尖っている葉の先端が気になり,久しぶりに撮影した。
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コケリンドウ [リンドウの仲間]

芝生でコケを見つける
 春に咲くリンドウ3種の中で,秩父地方で普通に見られるのはフデリンドウ,本種や湿地に生えるハルリンドウはなかなかお目にかかれない。
 茎葉よりもロゼット状の根生葉が特徴といわれる。最近,コケリンドウは都市公園の芝生などにも生えることを知った。
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ミズバショウ

過去の写真から
 冬ごもり時に見出したちょうど8年前の写真を取り上げたい。雪解けの頃,新潟平野に近いある山麓で撮影した。有名な観光地ではなく,群生地には人影は見当たらない。
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ヤブサンザシ

雄花と雌花を見分ける
 荒川に近い2箇所の崖で自生を観察することができた。「ヤブ」という名に相応しく,アズマネザサやつる植物と混生していた。雌雄異株であることから意識して雄花(写真C)と雌花(写真D)を見分けたが,雌花にも雄しべがあり,慣れないと判別しにくい。雄花の花柄は比較的長く,雌花の花柄は短い感じがする。
 ※写真は上からA~D
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