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ワダソウ

予想外の出会い
 秩父地方の林道では令和元年東日本台風(台風第19号)による甚大な被害が未だに残っている。一部通行止めが解除された林道を3年ぶりに訪れた。ここは標高800mを越えることから里で見逃した花を観察できる。
 超大型望遠レンズで待機中の方に断って林に入ろうとすると,サブカメラで写した画像を開き「この花何ですか」と聞かれた。ワチガイソウ属Pseudostellaria と分かったが,5花弁の先の切れ込むような凹みに驚いた。10年以上も通っているが,見かけるのはいつもヒゲネワチガイソウ。この野鳥写真家と出会わなければ,ワダソウを観察することもなかっただろう。
 すでに花は終盤,10個ほどの雄蕊にある赤紫色の葯は少ない。Pseudo は“偽りの”,Stellaria は“ハコベ属”といわれている。

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ワダソウ(ナデシコ科)Pseudostellaria heterophylla 和田草
 本州(中部地方以北)・九州北部に分布,山地の草の間に生える多年草。主根は紡錘状で,細い枝根をだす。茎は直立し,2列の短毛があり,高さ10-20㎝になり,枝を分けない。葉に2形あって,上部の4枚仮輪生状,広卵形~菱状卵形,他の葉は倒披針形~長いへら形で基部は細まる。葉は薄く,裏面脈上に疎らな毛があり,長さ3-6㎝。花期は4-5月。花は1-5個で,頂生し,やや長い柄がある。萼片は5個,披針形で先は鋭形,背面に軟毛があり,長さ5-10㎜。白色の花弁は倒卵形で,先はやや凹み,長さ7-8㎜。雄蕊は10個。花柱は2-3個。和名は初産地の長野県和田峠に因む。(2021.4.26) 

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