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ツキヌキソウ

“ツキヌキ”とは ...「なるほど」
 葉の基部を撮影中(写真下),思わず独り言を発した。カタカナ表記から植物を連想しにくいが,「突き抜き」という和名はまさにそのもの。 
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ヤマゴボウ

類似種との相違
 マルミノヤマゴボウとの違いを意識しながら観察した。検索表では, 
 ヤマゴボウ 心皮は8個で離生,種子は平滑,葉は鈍頭
 マルミノヤマゴボウ 心皮は7-10個で合生,種子には繊細な同心円状の線条,葉は鋭尖頭
 今回の観察ではヤマゴボウ花は白色,葯は淡紅色(マルミノヤマゴボウ淡紅色,葯は白色)を確認した。
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フジキ

当たり年
 2017-06-26ユクノキにとても良く似ている。毎年訪れる場所近くで“手の届くような所に咲いている”との情報をいただいた。フジキの小葉の柄の基部に小托葉(写真下の矢印)があることが大きな違いであるが,高木の葉を確認するのは容易ではない。刺状の小托葉の長さは短く(1-4㎜),色が変わりはじめていた。葉よりも先に脱落するようだ。
 今年はユクノキとともにいろいろな所で白い花を見かける。
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ヤマタバコ

45年前が蘇る
 職に就いて2,3年後,友人に誘われてこの地方を訪れた。湿地の植物が目的だった。“広大な湿地帯がある”と友人は地理院の地図で示した。確かに地図上には広範囲に湿地記号が表記されていた。期待して現地を訪れると湿地らしい場所は全くない。あるのは整備された広大なゴルフ場だ。2人で落胆した厳しい残暑の在りし日が蘇った。友人は10年前に他界した。
 開発前はこのような風景があちこちで普通に見られたことだろう。古希を過ぎて希少種に出会えたことに感謝。
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シシガシラ [シダの仲間]

葉は放射状に
 各地で見られる常緑性シダで,多くの別名がある。栄養葉が車座に出る,栄養葉の羽片表面は中肋が凹んだようになる,葉柄はかなり短い,などで類似のオサシダと区別できる。冬の葉はロゼット状に地表に伏した状態になっている。キソキバナアキギリダンドタムラソウが生える斜面を下ると多くのシダを観察することができた。
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クロイチゴ

紫黒色に熟す果実
 日当たりの良い山野で見るナワシロイチゴの花に似ているが,3出複葉の小葉が異なっていた。直感的にキイチゴ属Rubus の中では美味しいと評判の黒莓であると気づいた。
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クルマバソウ

同定に迷う
 ヤエムグラ属Galium はアカネ属Rubia に似て,対生する本来の2枚の葉と2-8枚の葉と全く同形の托葉があり,4枚から多数の葉が輪生(偽輪生)しているように見える。数㎜の花はやや魅力に欠け,葉の枚数も変異があるので取っ付きにくい。撮影した個体はクルマムグラと思ったが,葉は6-8枚で,葉縁には毛を確認した。花冠はクルマムグラに似ていて,この同定には不安もあり課題としたい。本種をクルマバソウ属Asperula とする考え方もあり,非常に近縁であることは理解できる。
 この日,お目当てのタガソデソウが見つかり,気を良くして苦手な植物に挑戦した。

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レンゲツツジ [ツツジの仲間]

無人の群生地
 蕾の様子を蓮華に見立てたことが和名の由来で,別名は同色のヤマツツジに対する名といわれている。有毒植物で牛や馬なども食べないことから群生地して有名な牧場もある。個人的にはあまり馴染めない花であるが,残雪の山並みの美しさにしばし見蕩れ,至福のひとときを過ごした。
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ダンドタムラソウ

地域限定
 キソキバナアキギリを撮影中,近くに白っぽい花に気づいた。アキノタムラソウが脳裏を過ったが,繊細で草丈も低くナツノタムラソウに近い。この周辺には茎の基部から長い走出枝を出す変種の存在を教えていただいたので,容易に思い出した。よく見ると花の色は薄っすらと青紫色を帯びていた。見頃は終盤で唯一残っていた個体を撮影した。種小名stolonfela には“匍枝をもった”という意味がある。
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キソキバナアキギリ

早咲きのサルビア
 2021年6月下旬,オオヤマレンゲを目的にこの地方を訪れた際,近くに少し変わったキバナアキギリが咲くことを知り立ち寄った。痛んだ花が数輪だけで,すでに見頃は過ぎていた。花期に合わせた今回は母種と比べながらじっくり観察することができた。より淡い花の色,すっきりと立ち上がった茎,より大きく張り出した葉の基部など,初秋に咲く母種とは異なる。そして,何より発見者の鋭い感性に敬服した。
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タガソデソウ

粋な和名
 ミミナグサ属Cerastium の中では異色の存在で,草丈50㎝に近い個体も珍しくないようだ。花も大型で花弁には半透明の条があり,和名とともに奥ゆかしさを感じる。ある標高を越えると車道沿いの林縁に点在していたが,除草作業で刈られた個体を何株も目撃した。自生地は国定公園内にあるが,タガソデソウは環境省カテゴリでは絶滅危惧Ⅱ類(UV)に指定されている。
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ニッコウバイカウツギ

毛の有無を確認
 バイカウツギを観察したのは約10年前,デジタル一眼を使い始めた頃だ。写したものはピントが甘く気に入らないものばかり。それ以降は出会うことなく,梅雨に入ると毎年気にかけていた.
 久しぶりに見るバイカウツギに心躍った。前回は葉の様子を気にかけることもなかったが,今回はじっくり観察した。それは葉裏に毛のあるニッコウバイカウツギの存在を知ったからである。撮るまでもなく,触れるだけで毛のあることが分かる。3日後,別の場所でもバイカウツギを見つけたが,やはり「ニッコウ」であった。調べると関東地方周辺ではニッコウバイカウツギの報告が多いようだ。
 ルーペで確認すると毛が多いのは葉裏で,表より裏の毛が2倍ほど長い。真正面からの葉裏の接写(写真6)は毛の存在が一目瞭然。一方,葉表を同様の方法で写すと毛は白い点でしかない。葉を反らせて斜め方向から葉表一部にピントを合わせた(写真5)。
 ウツギマルバウツギヒメウツギなど(ウツギ属Deutzia) とは別属である。ウツギ属Deutzia の葉は星状毛であるが,バイカウツギ属Philadelphus の毛は枝分かれしない。
※ 写真は上から順に1~6(写真5と写真6の倍率は一致しない。)
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掲載種更新 [掲載種一覧]

これまでに「華甲からの花巡り」で紹介した植物の一覧表を更新(6月15日現在)しました。
下記をクリックしてご覧ください。
華甲からの花巡り「掲載種和名一覧」

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トウゲシバ [シダの仲間]

シダに見えないシダ
 葉の大きさなどによって3つに区別して,変種とする考えもある。ここでは3型に分ける視点も持ち合わせていないので,トウゲシバとして広義の学名を用いた。
 あえて3型として分けるとすれば,掲載した個体はホソバトウゲシバに相当する。

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コヨウラクツツジ [ツツジの仲間]

数多くの瓔珞
 北海道から九州に分布するが,冷温帯から亜寒帯が主な生育地となる。特徴である歪んだ壺形の小さな花がたくさんついていた。根元には50㎝ほどの残雪がまだあった。
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ナンゴクミネカエデ

カエデの花に注目
 山腹上部から尾根にかけて見られることがミネ(峰)の由来と聞いた。以前の図鑑では本州は近畿地方南部とされていたが,現在では東北地方まで分布するといわれている。ヒメコザクラを観察後,登山口から駐車場に戻る県道(標高約1200m)で撮影した。
 本種は独立種とする考えと
ミネカエデの亜種または変種とする考えがある。ミネカエデとの違いは「葉の裂片すべてが尾状鋭先頭である」といわれるが,同一のシュート(主軸)であっても生長とともに葉形が変わることから,同定は容易いことではない。
 花序及び花は
ミネカエデ似て,葉形はコミネカエデに近いと感じる。花序と花(花弁と萼片)を確認すれば,確かな同定が可能と思われる。開きはじめの花を手持ちで撮影した。薄曇りで静穏,強力な手振れ防止に助けられ,自己満足の写真となった。
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ミヤマキンバイ

登山道は金梅ロード
 ヒメコザクラを目指す登山道は黄色で彩られていた。この時期,咲く花の種類は限られ,さしあたって田の畔に咲くヘビイチゴといった感じ。梅雨が明けた高山(2018-08-02)では残り花が多くなり,接写には耐えられない。
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チシマアマナ

駄作連発!
 2020-07-04以来の掲載。まだ5月というのに登山道の随所で見頃となっていた。良いアングルの花についカメラを向けてしまうが,傑作の写真はない。
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ミツバオウレン [オウレンの仲間]

3小葉の黄蓮
 様々な場所で見てきたが,そのほとんどが花期終盤のものばかりだった。今回は花期の早いヒメコザクラを目的としていたので,登山口周辺で咲き始めの個体をたくさん見ることができた。名の由来である3小葉はまだ閉じ気味で,蕾の状態のものもあった。
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ナンブヒョウタンボク

無毛の葉,アラゲヒョウタンボクの品種
 絶滅危惧ⅠA類のヒメコザクラを堪能した後,下山しながら撮影した。アラゲヒョウタンボクとは少し様子が異なるので証拠として撮影した。見落とした可能性もあるが,自生を確認したのは1箇所で数株のみ。本品種の個体数を1とするとヒメコザクラの個体数は数えきれないほどの数。環境省レッドデータでは無指定,図鑑には「葉が両面とも無毛で縁にだけ毛が散生するものをナンブヒョウタンボクという」という記述があるのみで,下記の種の詳細については,アラゲヒョウタンボクを参考にした。
 標高約1700m,周囲にはミヤマヤナギ,ハイマツが広がり,6月半ばにはイワウメが一斉に咲き,しばしば強風が吹き抜ける場所だ。この個体の樹高は50㎝に満たない。
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エンシュウムヨウラン [ランの仲間]

初見のムヨウラン属
 1980年遠州・春野町(現・浜松市)で発見,近年では関東地方(東京都,埼玉県,茨城県)にも新産地報告があり,現在の北限は新潟県である。ムヨウラン属Lecanorchis の仲間はその名のとおり情報量が少ない。わずかな情報と過去の経験をもとに自生する環境を推測した。予想したコナラ林を30分ほど歩き,2箇所目で発見することができた。
 本種の特徴である筒状で開かない花がほとんどである。唯一半開したものを見つけ,唇弁の毛を撮影することができた。

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ヒメコザクラ [サクラソウの仲間]

35年越しの念願叶う
 本種の産地を最初に訪れたのは元号が平成となった夏休み。学生時代の恩師と7,8人での山行だった。その時に白花のPrimulaがあることを知った。花期は入梅前後,山開きの頃と聞いた。すでに職に就いていたのでこの季節に訪れることなど無理,当時は登山者も少なく,登山道がロープで制限されることもなかった。
 地球温暖化が危惧される今日,生活圏では多発する豪雨被害が問題であるが,深刻なのは人の住まないような極地に甚大な影響があらわれることと思う。
 “森林帯の寸詰まり現象”のあるこの山は,登山口から約30分弱の標高1300m付近でハイマツ帯となる。岩塊の累積地を登りはじめるとまもなく白いPrimulaが現れた。地元の方は“今年の開花日は5月6日,冬が寒く雪が多かった割には季節の進み具合は異常に早い。どこまで開花が早まるのだろうか。”と嘆きながら語った。標高1500m付近まではすでに花は萎れかけ,1700m付近から瑞々しい花が見られるようになった。まだ5月なのに。

 想像以上に小さなPrimulaだ。絶滅危惧ⅠA類指定にもかかわらず,写真6,7のように随所で観察でき,個体数も多い。若葉には白い粉(写真4),葉は外巻き傾向(写真1,2,4,5)で,終盤の花の葉(写真3)は展開し,葉身の中部以下まで歯牙がある。一方,ヒナザクラの葉は内巻き傾向で上部のみに歯牙がある。
※ 写真は上から1~7
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タカネザクラ

ピーカンは苦手
 亜高山帯まで登るには安全第一を考える。最も気にするのは天気である。贅沢なことであるが,柔らかい花の写真はピーカンの登山日和では難しい。
 目前の満開の花に誘われ,どぎつい写真になることを覚悟してシャッターを切った。

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