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ウツギ

夏は来ぬ
 ノビル同様,昔から馴染み深い植物で花は初夏の風物詩といわれる。枕草子や唱歌に登場することから別名の方がよく知られている。類似種のヒメウツギやマルバウツギと混同しやすい。秩父地方ではウツギ(空木)の花期が最も遅く,花は下向きに咲いて平開しない。
 一般に雄しべの花糸には翼があり,翼の先端は歯牙(写真下)となる。同じようにヒメウツギにも歯牙があるが,マルバウツギには歯牙がなく,先になるほど狭まっている。
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ウツギ(アジサイ科)Deutzia crenata 空木 別名 ウノハナ
 北海道~九州に分布,日当たりの良い山野の川沿いや林縁に生える落葉低木。株立ちで高さ1-3mになる。樹皮は灰褐色で短冊状にはがれる。枝は暗褐色,若枝は赤褐色で星状毛がある。葉は対生,長さ4-9㎝,幅2.5-3.5㎝,楕円形~卵状披針形。先は長く尖り,基部は円形~楔形。縁に微細な鋸歯がある。表面に4-6個の枝のある星状毛が生えてざらつく。裏面に10-13個の枝のある星状毛がやや密につく。葉柄は長さ2-5㎜,やや密に星状毛が生える。花期は5-7月。枝先に円錐花序を出し,白花を多数下向きにつける。花弁の外側には星状毛が散生する。10個ある雄しべの花糸の両側には翼があり,翼の先端は歯牙状に鋭く突き出る。萼,花柄,花序の軸には星状毛が密生する。
 別名は,旧暦の4月である卯月に咲くことに因る。エングラー分類体系ではユキノシタ科として分類される。(2021.6.2)



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