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ハハコグサ [キクの仲間]

春の七草4種目
 「梅雨のはしり」であろうか,重苦しい世相に追い打ちをかけるような天候が続いた。まもなく深緑の候を迎える時に春の七草は少し違和感を感じるが,つい最近まで散歩コースの至る所で見ることができた。秩父盆地内に留まったままなので,掲載するのは道ばたの植物に限られる。すっきりとした写真に心掛けたが,全草に綿毛が多いせいか思うような写真にならない。
 秩父市内の感染者はこれまでに2名,感染者は約2箇月間ゼロ。5町村にいたっては岩手県同様である。隣接県の山間部へ出かけてもおそらく問題はないだろうが,他県の方が「埼玉県ナンバー」を見ればどう思うだろうか。そんなことを想像するとやはり自粛せざるを得ない。
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ミヤマシラスゲ

地味な花に惹かれる
 散歩途中,近くの耕作放棄田に立ち寄った。スゲ属Carex の知識はないに等しく,いつもならば素通りしてしまう。この日は美しく群生する様に惹かれ,雄小穂と雌小穂をじっくり観察した。この仲間はタヌキラン以来,2種目の掲載となる。
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トウグミ

合弁花に見える花
 とても地味なグミの花にどことなく愛着があるのは,舌に子どもの頃に味わった記憶が残っているからかもしれない。
 筒状の花弁状部は萼片で,花弁はない。落葉性で春咲き,常緑性で秋咲きの仲間に分けられる。春咲きのものは初夏から秋に熟す。一方,秋咲きのものは春から夏にかけて熟す。
 ナツグミと思って撮影したが,念のため葉をルーペで確認すると星状毛が残っていた。ナツグミの葉の表面には星状毛ではなく鱗状毛がある。同定しても本種の分布(福島県~静岡県の太平洋側を除く)が気になるところである。栽培されることもあるので逸出した個体かもしれない。一方で秩父地方は太平洋側に位置するが,特異な分布が存在する地域でもある。
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イヌザクラ

試験管ブラシのような花序
 自生するサクラの仲間(サクラ類)をいくつかの仲間(亜属)に分類する,という考え方がある。多くの種はサクラ亜属(Subgenus Cerasus)に属し,ヤマザクラ,エドヒガン,カスミザクラ,マメザクラ,ヒカンザクラなどが一例である。ところが中には変わった仲間(亜属)もある。その代表的なものがウワミズザクラ亜属(Subgenus Padus)であろう。花は穂状の総状花序で,慣れないとサクラと気づかないこともある。この仲間は日本では4種,秩父盆地では2種(ウワミズザクラ,イヌザクラ)が分布する。4月下旬から5月上旬にかけて花期を迎え,落葉広葉樹林の新緑に白い花穂が映えて大変美しい。これまでウワミズザクラばかりが目立っていたが,1本見つけると次々に見つかるものだ。自宅から3㎞圏内にイヌザクラ5株を確認した。花序下部に葉があるかないかで両種を区別できる。
 
写真は上から順にA →E  A~D:イヌザクラ E:ウワミズザクラ
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オオカワヂシャ

本種も繁殖力旺盛
 オランダガラシと同じ小川で撮影した。この小川の中流域はオオカヂシャとオランダガラシで優占されている。本種は特定外来種生物・植物に指定(最終更新:平成30年4月1日)され,「生態系被害防止外来種リスト」(平成27年3月作成)では「緊急対策外来種」に指定されている。理由は在来種との交雑で遺伝的な攪乱をおこす恐れがあるからだ。近縁の在来種カワヂシャと比較すると,より大型であること,葉の鋸歯が不明瞭でほぼ全縁に見えること,青紫色の花に濃い青紫色の条が入ること,花柱がより長いこと,などに違いが見られるという。萵苣(ちしゃ)とはキク科の野菜のことでレタス,サラダ菜などをいう。

 径1㎝に満たない多くの花,高い結実率,多数の種子だけでなく,横走する根茎から直立する茎などクローン成長で分布を拡大している。種子や植物体の断片が流水によって移動することでも分布拡大の可能性があるという。小川のほとりでは多数の実生が10㎝ほどに伸長し,すでに花をつけている。
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オランダガラシ

要注意外来生物から生態系被害防止外来種へ
 前回のコンロンソウ同様,武甲山麓に源を発し流路延長約3㎞で荒川に合流する小川で撮影した。
 オランダガラシは清流に生育するといわれていたが,今では汚水でも生育することが定説となっている。クレソンという名のほうが一般的である。
 要注意外来生物リストに指定されていたが,新たなリストの作成に伴い平成27年3月に廃止された。環境省HPによれば,廃止は発展的な解消であり,新たに作成された「生態系被害防止外来種リスト」にも「重点対策外来種」として指定,防除方法も確立されておらず,影響や被害が甚大な種として示されている。
 ゴールデンウイーク期間中,オランダガラシなどの外来種防除のために刈りこみが行われた。写真は刈り残しを写したものである。繁殖力は非常に強く,切ったものを水に入れておくだけで茎から根を出す。ボランティア数人の草刈りで除去するには,至難の業と思われる。しっかり根を張っているため,抜き取りは容易ではない。
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コンロンソウ

際立つ白さ
 新緑が美しい季節になった。4月の気温は平年を下回ることが多く,諸々の開花が平年並みに近づいた感じだ。
 秩父市街地には武甲山麓に源を発し,流路延長約3㎞で荒川に合流する小川がある。生活排水も混じる小川には埼玉県の事業で整備された水辺公園があり,降水量が多い時には清流が戻る。新緑が鮮やかな斜面では白い花が一際目立っていた。和名はこの白さをコンロン(崑崙)の雪に例えたといわれる。崑崙は崑崙山脈なのか,古代神話上の崑崙山なのか,定かではない。
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ノミノフスマ

和名は蚤の衾
 衾(ふすま)とは布団のことで,対生の小さな葉(写真下)をノミの布団に例えた。休耕田のような湿った所で所で見かけることが多い。径1㎝に満たない花は10弁に見えるが,実際には5弁。ハコベ属Stellaria の特徴といわれている。
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サワハコベ

浅裂の花弁
 中学生の頃,新入部員の練習と称して学校の裏山を走らされたことがある。明らかに「先輩からの扱き」であったが,もう半世紀以上の時が過ぎた。廃道に近い山道を記憶を辿り歩いてみた。苔むした昔の石垣に咲く白い花を見つけた。ミヤマハコベに似ているが,5花弁の切れ込みは浅く,茎や花柄は無毛,明らかに別種であると感じた。秩父盆地では圧倒的にミヤマハコベが多い。
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アリアケスミレ [スミレの仲間]

2020スミレ5
 今季,最初に写したスミレで,ヤマアイカテンソウの撮影地に近く,舗装された歩道脇に生えていた。遠目には,白い花弁からアメリカスミレサイシンの白花タイプを想像した。近づくとノジスミレと一緒(写真下)に生えているので,シロノジスミレと期待した。しかし,無毛でノジスミレとは明らかに異なる。葉柄に翼がないのでマンジュリカの白花タイプでもない。シロスミレと疑ってみたが,葉身や葉柄,葉の広げ方から別物である。最終的には,詳しい方に同定をお願いした。
 本種は水田や畑のあぜのような日当たりの良い,湿り気のある所で見てきたが,実際には道端などに生えるなど,分布域の広いスミレだ。無毛の花茎,側弁基部の毛,太くて短い距が特徴と教えたいただいた。
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ノジスミレ [スミレの仲間]

2020スミレ4
 野路菫という名のとおり道端などで普通に見られるスミレ,段々畑の石垣に隙間に生えていた。全体に毛が多く,花弁や葉がよじれた感じで,だらしなく咲くともいわれる。撮影地でも個体数は多いが,被写体に向くものは少ない。汚名返上となるような写真に挑戦してみたが・・・・・
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