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ノササゲ

目立つ豆果
 落葉が舞う季節になった。花はほぼなくなり,被写体は実に変わる。つる性の多年草は珍しいものではないが,草刈りや伐採などで果期にはなくなることもある。本種はどちらかといえば半日陰で見かけること多い。具体的には東向きの林縁で午後は日陰になるような場所で観察してきた。 
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クロヤツシロラン [ランの仲間]

開花後の変化を追う
 個体が2年以上生存するような植物を多年生植物と呼ぶ。塊茎をもつ菌従属栄養植物のクロヤツシロランもこの範疇にあるが,光合成を行う多年草とは別物である。塊茎の寿命は菌が寄生している枯死植物からの養分供給にかかわるからである。塊茎からの根は少なく,根と菌類が作る共生体(菌根)が大きな役割を果たしているという。塊茎からの根は地下深くではなく,落葉の腐植層で水平方向に伸ばす傾向があり,この周辺に発生する菌糸は驚くほど多い。

 毎年訪れる自生地では極めて出現数が少なかった。長期にわたる異常高温のうえ,梅雨期と秋雨期の少雨が菌類の成長にダメージを与えた。菌類は気温変化に敏感で,適温になると一気に発生することが知られている。秋雨後に気温が下がり突如として出現するキノコを何度も見てきた。

 出現数の少ない中から数個体を抽出して定期的に観察し,果期に最も生長する部分は花柄であることを確認した。
 ※ 写真は上から順にA~F
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コウヤボウキ [キクの仲間]

11月なのに
 2016-10-19以来,2度目の掲載となる。本種の花期は例年9月下旬から10月,今年も例年通りに咲きはじめた。11月なればふつう葉は枯れて密に毛がある痩果となる。ところが今年は様子がだいぶ違う。11月なって再び咲きはじめ,葉はまだ枯れる気配はない。ちなみに秩父地方では11月に入り降霜が数回あり,19日には初氷が張った。
 今季には「猛暑の影響で早めに咲き終えたヒマワリから種が落ち,秋の高温で発芽成長して再び咲きはじめた」「ヒマワリが二期作」などが話題となった。近年では秋咲きの品種があるが,これらは通常の品種のようだ。自然界の異変なのか,近くの丘陵地にあるコウヤボウキを注視したい。
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キクタニギク [キクの仲間]

秋は短し
 今年10月の世界平均気温は,これまでの最高記録(2019年)より0.4℃高かった,という。11月に入っても夏日が記録され,記録破りの異常気象,気候変動が危惧されている。色づいてきた葉の色に焼け焦げた感じがするのは私だけだろうか。

 本種は環境省及び埼玉県のカテゴリーで準絶滅危惧に指定されているが,自宅から数㎞内に今年も複数の自生を確認した。例年通りの光景に安堵した。
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ノハラアザミ [キクの仲間]

昔ながらの田園風景
 地元でもあまり知られていない小規模の棚田を訪れた。流れる小川はコンクリートで護岸されているが,必要最低限の土木工事によるもので周辺の自然環境と融和している。除草剤使用や極端な草刈りは少なく,無舗装の畦道沿いではノハラアザミが晩秋を彩っていた。本種は花期に根生葉(写真D)が残る。苞葉が頭花の基部を車軸状に取巻くクルマアザミ(写真C)も見られた。
 ※ 写真は上から順にA~E
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