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キシダマムシグサ

自信のない同定
 サツマイナモリが群生する谷間で見られた。ほとんどの株に白斑が入ることや,舷部の先端が糸状に伸びることが特徴であった。この地域では普通に見られる植物のようだ。小葉の縁が全縁のものから鋸歯あるものまで様々である。
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サンショウソウ

初見の地味な花
 サツマイナモリの群生に隠れるように生えていた。初見の植物で全く不明,分かるのはイラクサ科程度で証拠として写した。球状に集まって腋生しているのが集散花序,写真は全て雌株ようだ。周囲には雄株は見当たらなかった。
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ハカタシダ [シダの仲間]

白い斑の葉
 埼玉県にも分布するが,葉に白い斑の出るものは見たことがない。幸運にも和名の由来となるような個体に出会った。葉が整った個体(写真上)はやや黄色を帯び,本来の色のもの(写真下)は葉が欠損していた。
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オオキジノオ [シダの仲間]

下部の羽片は有柄
 キジノオシダヤマソテツ,タカサゴキジノオなどが近縁種として知られている。静岡県が北限とされるタカサゴキジノオ以外は埼玉県にも分布する。埼玉県レッドデータカテゴリーではオオキジノオは絶滅危惧ⅠA類,キジノオシダは絶滅危惧Ⅱ類となっている。サツマイナモリの群生地では両種を確認,ここではオオキジノオが優占していた。
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キンキエンゴサク

変種から種へ
 日本の野生植物(1982.平凡社)ではヤマエンゴサクの変種であったが,改訂新版(2016.平凡社)では種として扱われている。
 花序に花数が少ないこと,楕円状で小型の小葉などが本種の傾向という。しかし,花期に両種を区別するのは困難で,種子の状態を見て分類するという。しかも素人レベルで種子を観察するのは容易ではないようだ。
 ここでは一般的な傾向と自生する地域をふまえて同定した。改訂新版に我が「秩父地方にも分布」という記述に驚くとともに来年以降地元の
ヤマエンゴサクを注視したい。
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オオチャルメウソウ

オオチャルメルソウとチャルメルソウを比較
 訪れた山域には本種とチャルメルソウの両種が分布している。チャルメルソウと思い込んでカメラを構えると平開している萼裂片に気づいた。帰宅後,拡大した画像で花弁の特徴(5-9裂)も確認した。
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サツマイナモリ

異形花柱花
 本種には,長い花柱で位置の低い雄蕊をもつ花(長花柱花:写真A)と短い花柱で高く位置する雄蕊ももつ(短花柱花:写真B)の2タイプがある。サクラソウ属も同様である。
 分布の東限である房総半島でも見られるが,ヤマビルの猛威が恐ろしくて行く気になれない。今回訪れた自生地にはヤマビル情報は皆無,安心して白い絨毯を堪能した。
 ※ 写真は上から順にA~F
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ボタンネコノメソウ [ネコノメソウの仲間]

大型のネコノメソウ属
 本種を含め,ホクリクネコノメ,ヒダボタンは他のものに比べて大きい植物体といわれている。萼裂片よりも長い雄蕊や花柱のあるホクリクネコノメに対して,本種の雄蕊,花柱は萼裂片よりも短い。ヒダボタンはこの2種の中間型という。9年前に写したままで同定に迷っていた。確個たる自信はないが雄蕊と花柱,白く目立つ茎葉の脈を根拠として同定した。種小名 kiotoense は「京都産の」である。
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アオハコベ

地味で花弁のない花
 ヤマハコベ S. uchiyamana var. uchiyamana を基本種とする変種で花弁のないタイプ,10年程前に本変種の存在を教えてもらった。目的のサイコクサバノオに満足して遅い昼飯をとっていた近くの草地に存在することを把握していたので,偶々居合わせた方と一緒に探した。期待していなかったが,わずかな時間で見つかった。種小名apetala は「花弁のない」である。
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ミヤコアオイ

都に多し
 比較的広く分布する種といわれている。この日歩いたコースの随所で見かけた。写真上は山麓の歩道脇で,下は中腹の沢沿いで写した。先が地面に埋もれたような状態で咲き初めていた。下の写真では表土が流されて節くれ立った葉痕が見える。
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サイコクサバノオ [シロカネソウの仲間]

繊細な花に感動
 本種がなかなか見つからず源頭部が目前に迫ってきた。諦めて尾根に上がろうとしたその時ようやく出会えた。自生地は想像していた環境とは異なっていた。沢筋でありながら水捌けの良い向陽の斜面に群生していた。記録的な多量降雨では浸食されるような不安定な環境にあった。花弁状の部分は萼片,花弁は黄色~橙色,光が十分当たらないと花は平開しない。茶色っぽい葉は次第に緑を帯びる。自生箇所及び個体数は限られ,シロバナネコノメソウと共に生えるトウゴクサバノオの方が圧倒的に多い。
 近畿地方の花弁の舷部は橙色気味,色は九州に自生するサバノオの舷部(2個)に似ているが,本種の舷部は1個である。以前はサバノオの変種とされていた。種小名univalve はuni(一条の)とvalve(弁)である。
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シロバナネコノメソウ [ネコノメソウの仲間]

近畿地方以西に分布
 お目当ての花を探すために谷筋の源流部を目指すものの,なかなか目的の花にたどり着けない。不安がよぎる中,東日本では見られないネコノメソウに励まされた。本種(基本種)には4変種(ハナネコノメキバナハナネコノメ,キイハナネコノメ,トツカワハナネコノメ)がある。花弁状に見える白色の萼片は花が終わると淡緑色に変わる。萼裂片の先が尖ることや花粉が白色であることなどでハナネコノメ区別する。種小名album は「白色の」である。
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ヤマネコノメソウ [ネコノメソウの仲間]

猫の目を撮る
 類似種のネコノメソウは葉が対生,本種は互生で水湿地よりも半陰地でよく見られる。和名は,蒴果(写真下)の様子を「昼間の猫の眼(瞳孔が縦に狭くなった状態)」に見立てたことに因る。属名Chrysosplenium は chrysos(黄金の)と splen(脾臓)との合成で,種子散布は雨滴散布と考えられている。
 ※ 写真は上から順に上,中,下
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カタクリ

カタクリの寿命
 秩父地方では小鹿野町や旧荒川村(現秩父市)に有名な群生地があった。拙ブログでも2017-02-07桃源郷の春で紹介した。どこでも見られる植物だったが,シカの食害や落葉広葉樹林の荒廃でこれらは消滅した。やむを得ず多地域の数箇所で春の訪れを味わった。

 種子から発芽して花を咲かせるまでに7-9年の歳月を要すことは知っていたが,その一個体にも寿命があることを体感した。数個体が残る自生地で継続観察してきたが,数年前から個体小さくなり,今年は花を着けなくなった。カタクリの寿命に関する分献等は見つからなかったが,諸説があり平均寿命は40-50年と推定されている。見守ってきた個体の寿命は40年足らずと思われ,意外と短い。白花品の種小名  f. leucanthum は「白い花の」である。

 長年にわたりカタクリを観察してきてカタクリの生育斜面には一定の方位があると感じていた。興味深い研究報告を見つけた。この論文に次のような要旨がある。
 カタクリの生育地は北向きの斜面に偏る傾向があり,10調査地点では,N90°E(真東) ~ N88°W(ほぼ真西)の間に限られていた。海抜400mを超える地点では,生育地の斜面方位が西に偏る傾向がわかった。(須永 智 1998 「カタクリの生育斜面の方位特性について」 群馬県立自然史博物館)
 ※ 写真は上から順にA~E
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シロバナエゾスミレ [スミレの仲間]

エイザンスミレの白花品
 エイザンスミレの花は2018-04-22のように淡紅紫色のものや花弁に紅色の条が入ることが多い。撮影地では上弁と側弁の大部分が純白であった。蕾の時期にも観察したが一般的なエイザンスミレと比べて鮮緑色の茎葉が印象的である。
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ツルネコノメソウ [ネコノメソウの仲間]

未だ明瞭な走出枝は見えず
 タチネコノメソウに似るが,本種の特徴でもある地上性の走出枝を確認するために1週間ほど空けて再訪した。ややそれらしいものが見えるが顕著なのは伸長した草丈だけだった。沢沿いの水湿地の岩上を好み,背景(写真A)には終盤のハナネコノメも生えていた
※ 写真は上から順にA~C
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キバナノアマナ

写欲をそそる群生
 2017-04-05以来,2回目の投稿となる。前回と同じ自宅近くにある自生地で撮影した。久しぶりに良い個体が群生していた。
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シロボウエンゴサク

紅紫色の次郎坊
 一般的な傾向では平野部で普通に見られるようだ。山間部の秩父地方ではヤマエンゴサクが優占し,ほとんど見かけない。伊勢地方で本種を「次郎坊」,スミレを「太郎坊」と呼んだことが和名の由来という。花の色は紅紫色から青紫色で色の薄いものもある。
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シデコブシ

大古に存在した湖の周辺に分布
 本種は庭木として普通に植栽されている。野生種は周伊勢湾の丘陵地の限られた湿地に生える希少固有種である。自生地は数百万年前に存在していた大きな湖の周辺とほぼ一致するという。この湖に堆積した良質の粘土は有名な焼き物産業の原料になっている。
 モクレン属Magnolia の別の種と交雑が確認されているが,撮影地はほぼ純粋のものと考えられている。
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クリハラン

4月はシダでスタート
 ムカゴネコノメソウイワボタンが生育する沢沿いでは随所に群生していた。関東地方南部以西から九州,沖縄本島を主な分布とする。埼玉県RDBカテゴリーでは絶滅危惧ⅠA類(CR)に指定されている。大柄で光沢のある単葉はよく目立つ。ここでは被写体として状態の良いものが多く少々時間をかけて撮影した。
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