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イボタノキ

今年はモクセイ科の当たり年か
 今年は白い花をたくさん着けたイボタノキをよく見かける。4月にはマルバアオダモも当たり年と思えるほどあちこちの山野で見かけた。
 この花が終わると,ネズミモチの花がまもなく見頃になる。やはりイボタノキ属Ligustrum の樹木である。
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ヘラオオバコ

自然公園内の帰化植物
 埼玉県中央部の荒川土手で縦列に咲く花を見たのが最初,花茎を伸ばし路肩に群生する様子に驚いた。約40年前のことである。在来種オオバコは轍に沿って生えるが,本種は踏みつけには弱いようだ。
 写真は公園管理事務所付近に生えていたものを写した。白色の雄しべが下から上へ輪状に咲上がり,花は雌性先熟と思われる。

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ノミノツヅリ

雑草の美しさ
 肉眼で見るノミノツヅリはとても小さく弱々しい。径5㎜ほどの小さな花に目を向ける人は限りなく少ない。乾燥した道ばたや人家の庭にも普通に見られ,厄介もので草むしりの対象となる。ところがクローズアップで撮影すると雑草の花とはとても思えない。
 分子系統解析に基づくナデシコ科の分類体系では,オオヤマフスマ属Moehringia は狭義のノミノツヅリ属Arenaria の内群になることが分かった。(邑田,2012)
 オオヤマフスマの他,同じ仲間にはカトウハコベ,チョウカイフスマ,メアカンフスマ,アポイツメクサなどがある。カトウハコベ以降はなかなか見られない稀少種である。本種だけが雑草扱いとなっている。
 和名の由来は,ノミノフスマと同様で,ノミノ(蚤のように小さな),ツヅリ(布切れなどをつぎ合わせた粗末な衣服)といわれている。

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フナバラソウ

風変わりな花と果実
 富士山麓で始めて見てから5年ほど経過した。資料を探していると埼玉県にも自生していることが分かった。それも懐かしい場所に自生していた。なんと55年前,中学校3年の遠足で訪れた場所だ。当時はどこにでもあるような山だったが,現在では施設の維持管理のため,草刈りが定期的に行われている。それも,この貴重種に配慮した草刈りと容易に想像できる。昨年,和名の由来となる果実(袋果)を写して今年に備えた。個体数は少なく,この個体以外はまだ蕾の状態である。環境省カテゴリでは絶滅危惧Ⅱ類(UV),埼玉県では絶滅危惧Ⅰ類に指定されている。
 ※写真は上から順にA~D
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マルバウツギ

雑木の美しさに魅かれる
 本種は上向きに咲き,花弁が平開するので見応えがする。やや淡黄色を帯びた花に出会うことが多いが,この日見たものは清楚で限りなく純白に近い花だった。雄しべの花糸に歯がないのが普通で,類似種のウツギやヒメウツギの花糸には歯があるのが一般的といわれる。

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ツレサギソウ [ランの仲間]

記念となる日に
 本種は拙ブログでは2度目の掲載となる。久しぶりに良い株に出会い,少々気合いを入れて撮影したものの,やや色被りするなど発色が気に入らない。
 誕生した孫が母子ともに無事退院という知らせが入った。はじめての対面で凛々しい寝顔に安堵する。まさに爺馬鹿である。裏山に咲いているツレサギソウが気になり,家族の目を気にしながら出かけた。白花とは相反する命名となるが,飛翔するサギに「健康で幸多き」を重ねて願った。
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タツナミソウ

茎の毛と葉の様子に着目
 花冠が直立し,その基部が直角に曲がるタツナミソウの仲間を数種見てきた。この仲間では,密に毛がある葉と腺点のある葉裏となると,種は限られる。さらに,開出毛のある茎と葉の鋸歯が10対前後となれば,本種以外に該当する種はないと思われる。類似種オカタツナミソウの茎は下向きの毛となる。
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タチガシワ

8年ぶりに
 本種を見た場所を8年ぶりに訪れた。過去の記憶をたよりに探しても,元の場所に同じように自生していることが少なくなった。期待はしていなかったが,微かに残る山道を進むと同じ場所に数株を確認した。8年前の写真(写真D)と比べて花つきは芳しくないものの,残っているだけでも嬉しい。
 自生地の標高は約700m,5年前まで宿泊人数900人超の埼玉県の野外活動施設があった。活動エリアは約70haという広大な落葉樹林にあったが,今では道路以外の施設は解体されて面影はなく,人の気配すら感じられない。
※写真は上から順にA~D
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ミミナグサ

身近な雑草といわれているが・・・・・
 図鑑などには“田畑や道端などに普通に見られる”と表記されている。比較的自然豊かな秩父地方であっても,今ではよく見られるのはオランダミミナグサである。シノニム synonym としての学名がいくつかあることから,分類が面倒な種と思われる。図鑑の検索では,萼片と小花柄の長さの違い,花の着き方,茎の色,などを視点としているが,咲きはじめと終わりとでは変化があり,同定に迷う。
 古い石段に数個体が生育しているのに気付いた。花の美しさは千差万別,雑草といわれる花でも魅かれるものがある。
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マメザクラ

フォッサ・マグナ要素の植物
 別名フジザクラと呼ばれるように,富士山の山麓や箱根を中心に関東地方の山地に分布,伊豆半島や房総半島にも見られるという。奥秩父山系(埼玉県・山梨県・東京都)にも分布しているが,武甲山や秩父山地の石灰岩地などではブコウマメザクラC. incisa var. bukosanensis 写真E)に変わる。両種には,葉,萼筒,柱頭に違いが見られるという。参考に掲載したブコウマメザクラは武甲山資料館の植栽地で撮影した。
※ 写真は上から順にA~E
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ヒメイチゲ [イチリンソウの仲間]

旬を迎えたアネモネAnemone の群落
 サクラスミレが見頃にだったので,近くにあるヒメイチゲの群落も気になった。いずれも2年前(2019年)に訪れた場所である。花期は,その時に比べて2週間ほど早く,ほぼ満開を迎えていた。これまで登山道脇や亜高山の林縁など見てきたが,この群落は尾根に近く,コケ植物が良く生育する草地にある。終盤を迎えたミヤマスミレ1輪が確認できる。
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サクラスミレ [スミレの仲間]

新たなスタート
 コロナ禍2度目のゴールデンウイークが終わった。本来ならば,人の流れを抑えるはずだったが,秩父地方は例外だ。主要幹線道路は他地域ナンバー車で渋滞,近くの荒川河川敷は見たこともない数のテント群。都会から脱出,ウイルスの少ない自然への逃避が明瞭だ。秩父地方は一月当たり数人の感染者数だったが,ここのところ連日のように感染者が出ている。ウイルスが人口集中部から地方へ拡散しているようだ。
 すでに沖縄や奄美は梅雨入り,平年から5~7日,昨年と比べ10日以上も早い。日本列島南方には前線が停滞している。この春は季節が早く進んだり,いろいろなことが重なるなど,花を楽しむ機会が少なかった。近くの丘陵地では春の花が終わり,この時期に咲くフジなども今年は散ってしまった。花が少なく,まさに端境期。ゴールデンウイークが終わり,人出の減った奥秩父を訪れた。標高の高いところも季節の進みは異常に早い。
 今朝秩父盆地の最低気温8.2℃,日中は25℃を超える夏日。連日20℃近い気温差はとても老体には負担が大きいが,明け方の吉報を励みとして充実した日々を送りたい。。

これまでに「華甲からの花巡り」で紹介した植物の一覧表を更新(5月4日)しました。
下記をクリックしてご覧ください。
華甲からの花巡り「掲載種和名一覧」sakurasumire5.jpgsakurasumire6.jpg

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ハマワスレナグサ

またまた過去写真から4(最終)
 2015年早春の佐渡島を堪能する予定だったが,初夏を思わせる好天候,谷沿いでも残雪はなく日射は強かった。お目当ての花々は咲いているものの乾ききった天候続きで元気がない。この日は佐渡島北側を左回りで一周した。外海府海岸の休耕田ではスギナに交じって帰化植物が繁茂していた。
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エゾヒナノウスツボ

またまた過去写真から3
 佐渡島から帰路で,まだ乗船時刻まで間があり港近くの海岸を散策した。植物を熟知した同行者のお陰で観察することができた。海岸近くに生育するため,光沢のある葉でクチクラ層が発達しているようだ。開花は平年より約1月ほど早いと思われる。この年佐渡では異常乾燥注意報が発令されていた。
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エゾオオバコ

またまた過去写真から2
 佐渡島には北緯38度線が通過していることから,寒暖両系の植物が分布するという。今回の13で取り上げるものはいずれも北方系及び寒地に生育する植物と思われる。あまり良い写真ではないが再撮影できる可能性が低いので取り上げたい。撮影地はトビシマカンゾウの群生地に近い海岸で,すでにハマナスが見頃となっていた。
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ゴウダソウ

またまた過去写真から1
 一気に春が訪れる雪国の花々は垂涎物,今ごろは素晴らしい季節を迎えていることだろう。昨年とは異なる緊急事態宣言であるが,事態はより深刻と受け止める。やはりわが身は自分で守らなければならない。
 6年前のこの時期,佐渡島で写したもの3種を取り上げたい。2015年の佐渡は雪が少なく,訪れた時には異常乾燥注意報が発令されるほどだった。島北部へ移動途中,同行の友が道沿いで変わったアブラナ科を見つけてくれた。これ以降この花を見かけたことはない。
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