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ホザキヤドリギ [寄生植物]

冬青空に映える
 ホザキヤドリギの果実が目立つ季節となり,6月に見た宿主樹(シラカンバ,イロハモミジ)を再訪した。花期(写真DE)には宿主の葉に紛れて見分け難いが,落葉した木立ではレモンイエローの果実が映えていた。
 常緑性で雌雄異株のヤドリギに対し,本種は落葉性で雌雄同株でヤドリギよりも先端の枝に寄生するという。APG分類体系では別科となる。両種が着生している宿主樹があるというが今回は見つけられなかった。
 冬の空は水蒸気や塵も少ない紺碧色だ。花を写すには避けたくなる光条件だが,この果実の色には好条件となった。なお,一部の写真(DE)ではレタッチやトリミングをしているが,他の写真はいわゆる「撮って出し」に近い。
 ※ 写真は上から順にA~E
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ノボロギク [キクの仲間]

小春日和続く
 落ち葉が舞う季節となり,在来種の花はほとんど見られなくなった。この季節,自宅近くの河岸段丘崖では春を思わせるような景色(写真A~D)が広がる。斜面では平面よりも太陽光の角度が高くなり,さらに湿り気もある。今年は降霜も少なく一部(写真D)ではホトケノザ,ヒガンバナ,ヨウシュヤマゴボウなども生き生きしていた。手入れの乏しい果樹畑ではノボロギクの大群落(写真E)が広がっていた。
 ※ 写真は上から順にA~E
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ウラジロガシ

照葉樹林の構成種2
 本種は埼玉県では貴重な群落を形成することがある。特に県西南部の山地には大径木の本種を優占種とする群落(写真C)があり,天然記念物に指定されている。植生はチャート質の急傾斜地に成立し,ウラジロガシの他,ツクバネガシ,ヤブツバキ,ヒサカキ,アオキなどで構成されている。幹回り3m前後の大径木(写真C・D)の樹冠は欠損しているが,落雷または暴風によるものと想像した。急斜面には古い倒木も見られた。内陸でありながら房総半島や伊豆半島の暖帯照葉樹林を思わせる。この群落からわずか数㎞離れた標高約800mに冷温帯のブナが分布することも興味深い。このような植生が見られる場所は,県西南部の山地で東から南東方向に開けた渓谷に限られる。
 尾状に伸びる葉先や斜上気味の鋸歯と波立つような葉縁(写真B),薄い革質の葉質などで
シラカシと区別できる。本種(写真A)の果実は翌年の秋に熟す。
 ※ 写真は上から順にA~D
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トキリマメ

赤く熟す豆果
 鞘に包まれた果実はマメ科の特徴で豆果と呼ばれる。本種やタンキリマメの豆果は良く似て,熟すと赤くなり,のちに2つに割れて黒い種子が見える。この個体では熟した豆果が割れるまでに約10日を要した。
 ※ 写真は上から順にA~D
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キッコウハグマ [キクの仲間]

3年経過
 近くの山で花数の多い個体群に出くわした。この場所での自生をはじめて確認した。センブリの残り花を期待していたが,こちらはすでに結実していた。
 2019-11-23の掲載からまもなく3年となるが新型コロナ感染拡大で世は様変わり。感染は治まる気配はなく第8波に入ったという。コロナ禍の中で生まれた世代の今後が気がかりでならない。
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メグスリノキ

3出複葉のカエデ
 カエデ属Acer の中でも紅葉の美しさは際立つ。落葉高木といわれるが残念ながら高い木に出会ったことがない。撮影した個体も高さ5m,太さ15㎝程度だ。春に採取した樹皮や枝葉を乾燥させたものを煎じ,眼病予防などに用いられてきた。同じように3出複葉となるミツデカエデは,小葉の縁が欠刻状となるので容易に見分けられる。megusurinoki.jpgmegusurinoki2.jpg

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ハウチワカエデ

黄葉から紅葉へ
 紅葉の美しさだけでなく,淡い新緑と濃紅紫色の花の美しさにも惹かれる。本種は次のように類似種と区別する。
  ・ハウチワカエデの葉柄は葉身の1/4~1/2の長さで軟毛があり,暗紅色の花
  ・コハウチワカエデの葉柄は葉身の2/3~同長で毛があり,淡黄色の花
  ・オオイタヤメイゲツの葉柄は葉身と同長で無毛
 写真Dを除いて他の4枚は同じ個体を写した。2018年(写真E)の紅葉はやや早く,特に美しかった。
 ※ 写真は上から順にA~E
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ガマズミ

花と実を同株で写す
 丘陵帯から山地帯にかけて普通に分布しているので度々花や果実を写してきた。ところが草刈りで伐採されてしまうことがあり,同じ個体で花や果実を観察できなかった。
 ミズナラが優占する落葉広葉樹林下(標高約900m)のもので目的を達した。観察しながら尖った葉身先(写真C)が気になっていた。太平洋側ブナ帯に分布するオオミヤマガマズミと疑ったが,鋸歯の様子から一般的なカタバミとした。
 ※ 写真は上から順にA~D
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シラカシ

照葉樹林の構成種
 シラカシのような常緑樹では当年枝だけでなく,2年枝以前の古い枝にも葉が着いている。当年枝の葉と古い葉には差があり,図鑑における葉の形態は2年枝以前の葉のものと思われる。写真上,中に写っている葉はほとんどが当年枝の葉で,中には類似種のウラジロガシと見間違えてしまうものもある。念のため,同株で古い枝についた葉(写真下)も撮影した。シラカシの果実はその年の秋に熟し,ウラジロガシは翌年の秋に熟す。
 ※ 写真は上から順に上,中,下
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アオツヅラフジ

大株に出会う
 2018-10-20以来,2度目の掲載となる。左側の藪から生長し,高さ2m以上のアズマネザサの頂部から垂れ下がっていた。下垂している部分だけも1m位あり,ブドウの房を小さくしたような藍色の果実(有毒)がたくさん実っていた。薄曇りで無風の天候に救われた撮影となった。
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タコノアシ

茹蛸出現
 2018-09-14以来,2回目の掲載となる。埼玉県レッドデータブック2011には「加須・中川低地~低山帯の水田地帯にかけて分布する」とある。今回は報告されたこの分布外で自生を確認することができた。荒川中流域の氾濫原及び県中西部の休耕田であるが,ともに人為的管理はほとんど見られなかった。個体数はそれぞれ50個体を超えていた。攪乱依存のある植物なので今後の推移を見守りたい。
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