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ハカタシダ [シダの仲間]

白い斑の葉
 埼玉県にも分布するが,葉に白い斑の出るものは見たことがない。幸運にも和名の由来となるような個体に出会った。葉が整った個体(写真上)はやや黄色を帯び,本来の色のもの(写真下)は葉が欠損していた。
hakatashida.jpghakatashida2.jpg
ハカタシダ(オシダ科)Arachniodes simplicior 博多羊歯
 本州(福島県南部~新潟県以南,佐渡)・四国・九州(本土の北~中南部)に分布,低山のやや乾燥した崖の下や斜面などに生育する常緑草本。あまり群生はしない。
 根茎は短く匍匐または斜上し,やや硬くて縁に毛がある鱗片を着ける。葉柄は藁色で葉身と同長~やや長く,基部は膨らんで鱗片を密生する。葉身は2回羽状複生の卵状長楕円形。側羽片は下部の3-5対は明瞭で,それより上方は急に狭まり,頂羽片(的)になる。羽片は有柄の線状披針形で最下部が最長で,最下羽片の基部後側は長く伸びて小羽片となる。小羽片の先端は尖り,裂片の辺縁には鋸歯がある。羽片の上面には羽軸に沿って筋状の白斑(ときに黄白斑)が出ることがかなりある。
 胞子嚢群は裂片のやや辺縁寄りに着く。包膜は全縁~微小な波状縁のある円腎形で,胞子が成熟すると胞子嚢群の中央が埋まるようになる。

 染色体数はn=82の2倍体で有性生殖。和名は葉の白斑を博多織に見立てた。(2024.4.13)


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