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ムカゴサイシン [ランの仲間]

花後2か月経過
 2か月前,珍しい植物に出会えた。かすかな情報を頼りに現地を訪れると,想像しなかった環境に生えていた。花は完全に開かず,見頃はやや過ぎていた。開花期は菌従属栄養植物を思わせるが,結実期の終わり頃から葉(写真D)を広げて光合成を行う。多年生草本であるが,野生の成熟個体の寿命は短いという報告もある。
※ 写真は上から順にA~D
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ハコネシダ [シダの仲間]

涼やかなシダ
 観葉植物として知られるアジアンタムと同じホウライシダ属Adiantum である。秩父地方では岩上や崖などで時折見かける。この個体はトンネルが続く県道脇で撮影した。
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コヒロハハナヤスリ [シダの仲間]

2種めのハナヤスリ科
 時々散歩に訪れる公園の舗装歩道脇で群生していた。トネハナヤスリに似ているが,本種栄養葉の葉柄は短く,葉は秋まで残る。5月に発芽し,入梅以降,栄養葉及び胞子葉を伸ばしてきた。秋に枯れるまで観察を続けるつもりでいたが,ナイロンコード付きの草刈り機で綺麗に刈り取られてしまった。残念であるが,草刈り直前のものを掲載する。
 ドクダミと混生していたが,中には巻き付くような個体(写真下)もあった。

※ 写真は上から順に上,中,下
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エビガライチゴ

藪蚊の襲来
 ムラサキニガナのすぐ近くで美味しそうなキイチゴを見つけた。じっくり観察しながら良いアングルで撮影しようとしたが,ムラサキニガナ撮影中からまとわり付く藪蚊が一段と増した。手持ちで数枚撮影し,この場を脱出した。
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カワラサイコ

早めの花期に合わせて
 昨年8月中旬,この地を訪れたが,すでに残り花状態。今年は早い梅雨明け宣言に合わせて再訪した。自生周辺では様々な帰化植物が繁茂している。環境省RDBカテゴリでは特に指定されていないが,埼玉県RDBでは絶滅危惧Ⅱ類(UV)に指定されている。
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ムラサキニガナ [キクの仲間]

揺れる紫花
 草丈は1mを越える。それなのに花は小さい。全体の写真(写真下)では周囲の植物と混在して目立たない。クローズアップでこの花の魅力が出てくる。無風状態でも撮影者の動きだけで花が揺れてしまう。
※ 写真は上から順に上,中,下
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ミヤマクロスゲ

いつもの不安な同定
 数枚の撮影画像を図鑑の写真や図版と見比べて,該当するものを絞り,知識不足ながら種の解説を確認した。スゲ属Carex の同定には相変わらず自信はない。いまだに手探り状態である。

 この日,山頂を目前にしたところで登山道が渋滞状態となった。見上げると山岳救助隊が負傷者に伴って下りてる。しばらく平坦部で待機を求められた。そのため,この地味な花に気づくことができた。
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クモマニガナ [キクの仲間]

難解なニガナの仲間
 ニガナ属Ixeridium は茎葉の基部が多少とも茎を抱くものと,基部が細まって茎を抱かないものとに分けられている。同定するにあたり通常のニガナ,クモマニガナ,タカネニガナに絞り込んだ。前者に該当するニガナ,クモマニガナは,それぞれ小花数が5-7個,8-12個とされている。後者のタカネニガナには,基部が細まり葉柄のある根出葉,線形の茎葉,9-10個の小花数,とある。
 無融合生殖や近縁種との雑種起源の無融合生殖型をつくることから分類が難しいといわれている。素人なりに上記の検索を踏まえて同定した。ミヤマウスユキソウが生えるような環境で撮影したが,黄花は見つからなかった
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ハクサンハタザオ

頂上部に咲く地味な花
 群生していたものは(写真下)倒れかかり見栄えがしないが,これが特徴といわれている。開花後期には花序の重みで倒れて,花茎下部の葉腋から新たに発芽する。今回歩いたルートでは頂上部の砂礫地だけで見かけた。高山植物と思ったが低山から高山帯まで分布するようだ。
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ミヤマクロユリ [バイモの仲間]

伝説の花
 ここでは群生していたこともあった。個体数はやや増加傾向と思われるが,頂上部の草地に点在してる状況である。丈の高い草に被われているので意外と目立たない。
 特に憧れる花ではないが,花の色,黒百合伝説,花言葉,小説名などで,魅かれる人もいる。どちらかといえばイメージが先行しているのかもしれない。黒というよりは濃い茶色で,独特のにおいを嫌う人もいる。

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ウズラバハクサンチドリ [ランの仲間]

ハクサンチドリの1品種
 ハクサンチドリは北方寒冷地の植物といわれ,東北地方や北海道の多雪地の草地では群生することがある。この日も雪が早く消えたところで約50個体ほどが群生していた。これは少し標高を上げたところで無班の個体に交じって生えていたものを写した。
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ミヤマシオガマ

上唇は嘴状
 森林限界を越えた高山帯の砂礫の草地で見かけることが多い。これまで何度も撮影してきたが,いずれも旬を過ぎて本来の美しさを失ったものばかりだった。頂上部の草原では開花直後の美しい個体を随所で見ることができた。タカネシオガマに似ているが,本種の上唇は鋭く尖る。
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ミツバノバイカオウレン [オウレンの仲間]

雪解け後真っ先に
 訪れた山では登山道に雪が残り,一部では雪が解けたルートに迂回しなければならない。写真はそのような場所で写した。花期が5-8月と長いのは,雪が消えた所から咲きはじめるからである。
 花はバイカオウレンに似るが葉は5小葉でなく3小葉,一方同じ3小葉のミツバオウレンとは,円い花弁状萼片,褐色を帯びた花茎,短い花柱,などで違いが見られる。
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ミヤマウスユキソウ [キクの仲間]

東北地方産の高山性ウスユキソウ属
 東北地方の高山帯からは3種のウスユキソウ属が報告されている。その中で本種の分布は最も広いと思われる。ハヤチネウスユキソウと比べると随分小さいという印象を受けた。写した個体のほとんどが10㎝前後の草丈であった。その分,花茎の茎葉数は少なく,頭花も小型である。一部の検索法として,花茎に着く葉の数の違いが示されている。その数は約10個(ハヤチネウスユキソウ),5個以下(ミヤマウスユキソウ)とある。
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ツガザクラ [ツツジの仲間]

亜種を意識
 エゾノツガザクラアオノツガザクラの近くで別のツガザクラ属Phyllodoce が生えていた。前回の2020-07-16では亜種ナガバツガザクラ ssp. tsugifolia についても記載したが,今回は当時のことも意識して撮影した。正確な実測は行わなかったが,拙ブログに掲載した画像からも葉の長さや幅,萼片の形が異なる。2020-07-16の個体はナガバツガザクラと思われる。
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アオノツガザクラ [ツツジの仲間]

ハイブリッドの近くで
 前回の2017-02-07は古いポジフィルムをデジタル化したものを取り上げた。今回はエゾノツガザクラが主目的であったが,両種を比較するために時間をかけて観察した。10mほど離れた所には前回のエゾノツガザクラが生えていた。
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エゾノツガザクラ [ツツジの仲間]

分布南限地を訪ねる
 この自生地における本種の花期は例年6月20日ごろ,残念ながら6月下旬は悪天候続きで予定を延ばしてきた。先ずは安全第一。7月に入ったので残り花状態であることは覚悟していた。
 北半球の寒帯に広く分布しているが,この自生地は分布の南限と思われる。アオノツガザクラと混在していることが多く,いくつかのパターンで自然雑種が報告されている。登山ルートの3箇所で自生を確認した。いずれも付近にはアオノツガザクラが見られた。
 純系のエゾノツガザクラの花冠は,表面に腺毛,細長い形,紅紫色,といわれている。
分布南限地では花冠のほとんどが,疎らな腺毛,球状壺形,淡紅紫色,であった。萼片も含めて両種の特徴が混在するハイブリッドと思われる。日本で純系のエゾノツガザクラの自生は北海道の限られた山域だけのようだ。
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暑中お見舞い [あいさつ]

暑中お見舞い申しあげます
 記録的に早い梅雨明けで長い夏になりそうです。どうぞご自愛ください。
 画像サイズを落としているので分かりませんが,多くの登山者が雪渓を歩いています。雪渓から時折霧が立上りますが,この日は涼しさをあまり感じませんでした。
 この地方の6月下旬は連日強風が吹き荒れていました。登山日は山開き(7月1日)直後,最初の土曜日で多くの登山者が訪れていました。
 記事数は今回で1000回となりました。

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タチゲヒカゲミズ

極小の花を撮る
 連日地味な花を取り上げる。山菜として重宝されるミズ(和名 ウワバミソウ)と同じ科の植物であるが,岩壁面が垂直を超えて傾斜しているような岩陰を好むようである。絶滅危惧種に指定されているとても小さな植物でほとんど気づくことはない。埼玉県RDB2011でも新知見種として報告されている。
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キジカクシ

和製アスパラガス
 当然であるが,栽培種アスパラガス(和名 オランダキジカクシ)に似ている。細長い葉のようなものは葉状枝と呼ばれ,茎が変形したものと考えられている。光合成を行うので擬葉ともいう。本来の葉は退化して鱗片状で葉状枝の基部に着くといわれるが,1㎜程度で慣れないと見つけ難い。雌雄異株なので花を接写しようとしたが,これまた見分け難い。
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ヤマドリゼンマイ [シダの仲間]

爽快な景観
 ヤマドリゼンマイが群生する様子は惹かれるものがある。高原や湿原が少ない地域の者にとって一種の憧れのようなものだ。
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ヒモカズラ [シダの仲間]

紐状の常緑シダ
 小高い所に岩場が見えた。近くに案内表示があり,その先には明瞭な道が続いていた。登ること数十分で岩場に着いた。さらに足元のしっかりした場所を数m進むと初見のシダがあった。一見してヒカゲノカズラに似るが,細くて岩上を匍匐する様子はやはり別物である。himokazura.jpghimokazura2.jpg

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シナノタイゲキ

草地に生える地味な花
 タカトウダイやハクサンタイゲキは撮影したことがあるが,シナノタイゲキはあまり記憶がない。以前の分布は長野県や山梨県に限るとの記載であったが,近年では東北地方産の標本も記録されている。埼玉県にも分布するハヤザキタカトウダイも今では同種扱いとなっているようだ。
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ヤマトテンナンショウ

明瞭な特徴のあるテンナンショウ
 分類の視点が捉えにくいテンナンショウの仲間はどれも同じように見えてしまう。その中でもウラシマソウは花序付属体が長く伸びるような特徴があり,私のような素人の視点でも見分けられる。仏炎苞舷部が細長く尖る本種も同様に見慣れると同定しやすい種の一つである。
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カンボク

5裂片の装飾花
 本種を含め,ヤブデマリオオカメノキは5裂片の装飾花をつけることで知られている。これまで観察して気づいたことをまとめた。
種 名 装飾花の大きさ
カンボク 5枚が同形 広卵形で3裂
ヤブデマリ 1枚が小さい 楕円形~広楕円形,基部は楔形~円形
オオカメノキ 5枚が同形 円状~広卵形,基部は心形,葉脈は凹む

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