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ムカゴサイシン [ランの仲間]

花後2か月経過
 2か月前,珍しい植物に出会えた。かすかな情報を頼りに現地を訪れると,想像しなかった環境に生えていた。花は完全に開かず,見頃はやや過ぎていた。開花期は菌従属栄養植物を思わせるが,結実期の終わり頃から葉(写真D)を広げて光合成を行う。多年生草本であるが,野生の成熟個体の寿命は短いという報告もある。
※ 写真は上から順にA~D
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ムカゴサイシン(ラン科)Nervilia nipponica 零余子細辛
 本州(栃木県以南)・四国・九州・琉球諸島・伊豆諸島に分布,暖温帯の常緑広葉樹林やスギ植林などの二次林の林床に生育する。公園など自然度の低い場所にも自生するにもかかわらず,自生地は極めて少ない。環境省RDBカテゴリでは絶滅危惧ⅠB類(EN)。
 開花期の高さ3-10㎝。開花期に葉はなく,開花後心形の葉(長さ1.5-3.5㎝)を開き,それとともに地中でランナーを伸ばし,先端が球茎となる
 花期は4-7月。花は完全に開かず,横向きに1個着ける。花は咲いてもすぐ閉じて自動自家受粉を行い,結実する。背萼片の長さ8-13.5㎜,唇弁は3裂し,長さ8.5-12.5㎜,中央裂片は倒卵形。萼片には淡緑色に紫色の斑紋が入る。側花弁と唇弁は白色で紫色の斑紋が入る。(ABC:2022.6.5 D:2022.7.30)

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