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ヤマトチャルメウソウ

オオチャルメルソウではなくヤマトチャルメルソウ
 一度は「オオチャルメルソウとチャルメルソウを比較」として掲載したところ,拙ブログの読者から「オオチャルメルソウは九州のみの自生」というご指摘を頂戴した。根拠となる文献等を検索すると「日本産チャルメルソウ属および近縁種(ユキノシタ科)の自然史」(奥山雄大.2015)という論文が見つかった。論文には次のような記載があった。
 従来近畿地方に分布するオオチャルメルソウとされていたものだが,著者による分子系統解析と交配実験の結果,四国,九州のオオチャルメルソウとは全く異なる種であることが明らかとなった(Okuyama and kato 2009)。近畿の大和地方が分布の中心であるため,この和名を与えた。雌性両全性異株。なお,開花期であれば形態でも花序あたりの花数,花弁の分裂数,雌蕊の形状などでオオチャルメルソウとは比較的容易に区別できる。また本種はオオチャルメルソウとと異なり,ミカドシギキノコバエの訪花を受けない点で生態的にも異なっている。また花には鼻で感じられるにおいがほとんど無くライラックアルデヒドも放出しない。<以下略>
 ここでは学名は標準ではなく,根拠となる論文に従って異分類のものを引用した。
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ヤマトチャルメウソウ(ユキノシタ科)Mitella yamatoensis 大和哨吶草
 本州(近畿地方)に分布,山地の渓流沿いの林下に生える多年草。
 根茎は直立または斜上し,根出葉を束生する。葉身は著しく縦に長く,縁には不揃いの鋸歯があり,基部は心形,先端は鋭形,両端に長毛及び短腺毛を生じる。葉柄は長さ3-15㎝で,短腺毛を密生し,長毛も混じる。左右に分かれた托葉は辺縁の鋸歯が顕著で長い縁毛がある。
 花期は4-5月。花茎は高さ20-40㎝で,短腺毛がある。花柄は1-4㎜で,微腺毛を有する。萼筒は浅い倒円錐形,萼裂片は広3角形で,花時に平開する。花弁は淡黄緑色で,羽状に細かく5-9裂し,外面に腺点があり,花時に平開する。花̪糸は葯よりも短い。裂開直前の葯は鮮黄色。花柱は極めて短く,先端で2-4裂する。種子は長楕円形で,長さ約11㎜,種皮は褐色で縦に微小な隆条がある。(2024.4.12) 

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