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キンキエンゴサク

変種から種へ
 日本の野生植物(1982.平凡社)ではヤマエンゴサクの変種であったが,改訂新版(2016.平凡社)では種として扱われている。
 花序に花数が少ないこと,楕円状で小型の小葉などが本種の傾向という。しかし,花期に両種を区別するのは困難で,種子の状態を見て分類するという。しかも素人レベルで種子を観察するのは容易ではないようだ。
 ここでは一般的な傾向と自生する地域をふまえて同定した。改訂新版に我が「秩父地方にも分布」という記述に驚くとともに来年以降地元の
ヤマエンゴサクを注視したい。
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キンキエンゴサク(ケシ科)Corydails papilligera 近畿延胡索
 本州(埼玉県・新潟県以西)に分布,植林地,草地,沢沿いに生え,地下に球形の塊茎がある多年草。
 鱗片葉の腋の小球芽は大きく,塊茎とほぼ同大になることもある。
 茎は高さ10-20㎝。葉は2-4回3出複葉で小葉は楕円形。
 花期は4-5月。花序は2-数個の花を着け,苞は扇形で複数の深い欠刻がある。花は赤紫~紫色で長さ20-30㎜。下側の花弁の凹み(内側の花弁がはまっていた部分)のまわりは白く縁どられる。
 蒴果は広卵形で長さ・幅とも10㎜内外,ヤマエンゴサクに比べて厚みがある。種子の周辺近くに微小の乳頭状突起がある。
 染色体数は2n=32,40,48,56。6倍体(2n=48)が広く分布し,4倍体(2n=32)は花がやや小さく,秩父地方と京都府南部~大阪府北部で見出される。(2024.4.12)


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