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ヒメミヤマスミレ [スミレの仲間]

あやふやな同定?
 前日のフイリフモトスミレに隣接したところで撮影した。花はフモトスミレに類似しているが,葉の裏は淡緑色で紫色を帯びていない。証拠として撮影して図鑑等で調べてみたが,素人レベルではヒメミヤマスミレとした。いつもながら同定には全く自信はないので,忌憚のないご指摘をいただければありがたい。
 環境省カテゴリでは特に指定されていないが,埼玉県では絶滅危惧Ⅰ類となっている。
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フイリフモトスミレ [スミレの仲間]

スミレ交雑種を探して
 3年前に見たミドリミツモリスミレのその後が気になり,自生地周辺を徘徊した。それらしい小さな葉は確認できたが,花をつけた別のスミレさえ見当たらない。尾根を下ったスギの林縁でタチツボスミレやマキノスミレはまばらに咲いているが,花をつけたフモトスミレは見つからなかった。代わりにフイリフモトスミレが多くなり,数年後にはミツモリスミレが見られるかもしれない。
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ヒメアオキ

日本海側特有の常緑低木
 ユキツバキ同様,アオキが多雪地に適応したタイプと考えられるもので,幹の基部は匍匐して群がって生える。分枝する枝は強くしなやかで,雪の重みに耐えられる。

 まもなく5月というのに,またもや寒の戻り。秩父市の最低気温(4月28日)は0.1℃。車には薄ら霜が降りた。昨日の雨上がりには標高1500mの頂上部に白いものが確認できた。今年の天気は全く先が読めない。
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ユキツバキ

日本海側特有の常緑低木
 多雪地に適応したヤブツバキの変種と考えられ,幹は地をはい,平たい半球形の樹形をつくる。春浅く彩りの乏しい山ではついカメラを向けたくなってしまう。
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アナマスミレ [スミレの仲間]

マンジュリカmandshuricaの日本海沿岸品種
 礼文島のアナマ岩で発見されたのでこの名があるという。母種スミレ V. mandshurica の海岸型といわれ,イソスミレの撮影後に観察できた。写真下は近くの駐車場に生えていたものだが,道路脇に群落をつくる母種とよく似ている。
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イソスミレ [スミレの仲間]

日本海沿岸貴重なスミレ
 4年前に撮影した写真で恐縮するが,何度も行けるような自生地ではない。あえて古い写真を使わせていただく。
 1928年(昭和3年),牧野富太郎博士が瀬波海岸(現・新潟県村上市)で発見したことから,セナミスミレともいう。生育地はイソ(磯)というよりは砂浜で,厳しい環境に生えるスミレである。発見地では絶滅の危機に瀕し,環境省カテゴリでも絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されている。砂浜の減少や開発,さらに盗掘やRV車の走行等がその一因ともいわれている。発見地とは異なる日本海沿岸の砂浜で撮影することができた。
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ミドリハコベ

コハコベとの比較
 前後に掲載しても厳密な比較にはならないが、素人なりに相違点を整理しようと試みた。どこが違うのか意識して写してみたものの、雄しべの数ぐらいしか違いが見いだせない。どことなく花弁の幅が広いように感じるが,分類上で花弁に関する記述はない。雄しべの数も5-10個で,コハコベの1-7個と重複する。
 コハコベとともに春の七草(ハコベラ)の一つで、小鳥やウサギの餌としても知られている。
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コハコベ

コハコベとハコベ
 全体が緑色でミドリハコベのように見えるが、クローズアップではコハコベの特徴(雄しべの数が少ない)が出ている。よく似ているミドリハコベとともにハコベと呼ばれることもある。両種とも花柱の先は3個になる。種子にある突起が両種の決定的な違いとなるというが、拙ブログではそこまでの証拠写真は撮っていない。10枚あるように見える花弁は、実際には2深裂した5枚である。
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キュウリグサ

旺盛な「サソリ」
 早春から咲き始め,春本番となれば路傍などで普通に見られる雑草の花序に注目して撮影した。花軸の先端が螺旋状に伸びながら,外側に向かって花をつけるような配列をサソリ型花序という。巻散花序や鎌型花序とも呼ばれているが,渦巻きを伸ばしながら次々と咲き続ける。
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スギナ [シダの仲間]

おびただしいほどの純群落
 「ツクシ誰の子 スギナの子・・・」 懐かしい詩の一節だ。個人的には小川の土手沿いに広がる草地を連想する。写真上はこのイメージとは全く異なる光景だ。ここは広々した湿り気のある耕作放棄地と思われる。肥沃な平地にもかかわらず,耕作されている面積の方が狭い。農地の形態を維持するために除草剤を散布しているのだろう。
 地獄草という別名をもつスギナは難防除雑草の代表で,除草剤で除去するのが困難である。なじみ深く優しいイメージに反して強かな植物ともいえる。トクサ類は古生代石炭紀に発達したシダ植物の生き残りと考えられており,様々な地球の環境変化に耐えられる性質を持ち合わせているのかもしれない。

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マキノスミレ [スミレの仲間]

圧巻の群落
 これだけ見事な群落を見たからには再掲しなければなるまい。拙ブログ2度目の掲載である。
 明るい落葉広葉樹林が広がる里山の支尾根に出ると,枯れ葉の中に紅紫色の模様が視野に入った。マキノスミレが多いと聞いていたが,これほど大きな群落とは思わなかった。カメラを構えてみたもののアングルが定まらず,美しさにしばし見とれていた。掲載した写真は群落の一部を切り取ったもので,両サイドに広がる。
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スミレサイシン [スミレの仲間]

日本海側多雪地のスミレ
 太平洋側に分布するナガバノスミレサイシンに対応するように日本海側に分布する。スミレサイシンの仲間は,花が咲いているのに葉が開ききらないのが特徴という。太くて長い地下茎になることから,すり下ろして食用にする地方もある。
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アワガタケスミレ [スミレの仲間]

粟ヶ岳で発見されたスミレ
 従来はナガハシスミレ(写真下)の変種として分類されてきたが,1997年に新種として登録された。発見地とは別の自生地で観察された方から貴重な情報をいただいた。3月末からの長い寒の戻りで開花は1株のみだが,これだけでも十分。お陰様で雪の消えた低山で希少なアワガタケスミレ(写真上・中)を堪能することができた。感謝の気持ちでいっぱいである。
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レンプクソウ

目立たない小さな花
 レンプクソウを発見した時に,フクジュソウと根が繋がっているかのように錯覚したことが和名の由来という。花は上向きに1花,側面に4花,何とも不思議なものである。属名のAdoxa には「取るに足らぬ」という意味があるという。
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マルバコンロンソウ

セントウソウ群落に混生
 どこにでもありそうな植物なのに観察するのはいつもセントウソウの群落地。ここでは個体数は少ないながら毎年花づきの良いものに出会える。
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セントウソウ

別名はオウレンダマシ
 本種の葉をセリバオウレンと勘違いして,この別名に納得したことがある。自宅から徒歩約10分の距離にあり,クロヤツシロランの自生地やカワニナの生息する小川にも近い。群落地ではセリ科特有の微かな芳香がただよっていた。
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ネコノメソウ [ネコノメソウの仲間]

水温む春
 近くのカタクリ群生地に小さな水たまりがある。源は斜面からのわずかな湧き水である。湿地を好むネコノメソウの開花に水温む春を感じた。和名は裂開した蒴果を,明るい場所で閉じる猫の瞳孔にたとえた。
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クサボケ

花に新たな発見
 恥ずかしながら,じっくり観察したことがなかった。撮影しながらよく見ると,些細なことだが2つのことに気づいた。
 花の内部にある円形の緑色(写真下)は,萼片の一部であるようだ。花弁の基部がくびれて細くなることから隙間ができる。そこに緑色の萼片の一部が丸く見えている。また,両性花と雄花が混在していることも確認できた。どの花でも,そのつくりや仕組みは多種多様で奥が深い。
 生育地では定期的な草刈りが行われ,高さ
数10㎝のものがほとんどだ。放置すれば1m近くまで生長するが,藪になり日照条件が悪化してしまう。
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ヤマザクラ

趣のあるサクラ
 ヤマザクラ群のヤマザクラ,オオヤマザクラ,カスミザクラ,オオシマザクラなどは,葉の展開と同時に開花する。ソメイヨシノのような派手さはないが,このグループのほうが落ち着いて良いという人も多い。開花はソメイヨシノよりも遅い。
 イヌシデの撮影中,風が止むのを待っていると近くに自生するヤマザクラに気づいた。逆光気味のアングルなので太陽が雲に隠れるのを待って撮影した。
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イヌシデ

「花隠し」という季語に感動
 サクラの花が雪で隠れた状態を表す季語という。サクラの見頃に積雪がある地方特有の言葉と聞いた。なんと綺麗な言葉であろうか。4月10日はこの季語にふさわしい天候で,この冬でも見られなかった雪化粧の秩父連山となった。

 高木の花を撮影できるアングルは意外と限られている。さらに強い風や日射での撮影には厳しいものがある。カメラを上方に向けていると「何を写している?」「何の鳥がいます?」と尋ねられることも多い。「花を写しています」と応えるが,いつも理解してもらえない。
 ※写真上:枯れ葉のように見えるのは前年の果穂の一部  写真中:枝の先端から垂下する雌花序
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シキミ

悪しき実?
 和名は「悪しき実」がなまったものといわれ,全体に毒がある。土葬した亡骸を獣から守るために墓地に植えたという。墓地以外の自然林で観察できたのは久しぶりだ。
 ※4月8日掲載したミヤマシキミの雌花を撮影できたので追加しました。
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ヨゴレネコノメ [ネコノメソウの仲間]

汚れた葉?
 濃緑色の葉に灰色が入るようすが,ほこりを被って汚れたように見えるのだろう。「汚れ」は少し気の毒な和名である。趣きに乏しい下草の少ないスギ植林を地味な花が彩りを添えていた。
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ミヤマシキミ

有毒の常緑低木
 葉や果実はアルカロイドを含み有毒,枝葉のようすがシキミ(マツブサ科)に似ることが和名の由来という。シカの食害が酷い地域では目立つ低木となっている。かっては,頭痛やめまいのなどの民間薬,煎じた汁は虫下しとして用いられた。
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タカオスミレ [スミレの仲間]

こげ茶色の葉
 ヒカゲスミレ V. yezoensis の品種で,特徴は葉の表面が黒褐色であること。東京都・高尾山ではじめて採集された。花期が過ぎてから出てくる葉は緑色で母種との見分けが難しくなる。
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カントウミヤマカタバミ

就眠運動する植物
 カタバミの仲間は3出複葉で,シュウ酸を含み,酸っぱさと苦みがあるという。和名の漢字表記では酢漿草,生薬や家紋などにも用いられる。
 就眠運動をすることでも知られ,真昼でも完全に開花した花は少ない。やや湿り気のある植林などで数多く見かけるが,花をつける個体はあまり多くない。撮影したこの葉裏にはほとんど毛は見られない。
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ミヤマキケマン

過疎の山峡で
 廃校付近の古い石垣で久しぶりに見事な株に出会った。秩父地方の山峡ではふつうに見られる。人の姿は消えたが,野面積みの石垣は未だ健在である。平成の世も残りわずか,この間に秩父地方の廃校数は15を越えるという。
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ユリワサビ

雪化粧の秩父連山
 今朝は奥秩父の山並みまでがすっきりと見渡せる。宵の内に降った雨は山では雪,標高約500mから高い所では冬に逆戻りしたような景色になった。
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ヒメスミレ [スミレの仲間]

号外配布の特別な日
 世間が何かと騒がしい一日であった。
 天候は,真冬のような寒気が入っているため,奥秩父から武甲山までの山並みは雪雲模様だ。

 特別な日にも拘わらず,記事にする花は人家周辺に限られるふつうのスミレ。実家の玄関先で毎年咲いているが,今年は花付きがひときわ良く見える。「日本のスミレ」(いがりまさし)では,このスミレにもっとも似合うのはアスファルトのすきまから顔をだしている姿ではないだろうか,と記されている。
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