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シナノショウキラン [ランの仲間]

予想外の鍾馗様
 この日のねらいはシナノショウキランではなかった。ゲートのない林道で目的地まで車で行くことができるが,豊かな林相に惹かれて数㎞手前に駐車した。歩き始めてまもなく,道路脇に見たことのない淡黄色に気づいた。草をかき分けると,それは明らかにシナノショウキラン。多くの方が憧れ,わずかな情報を手掛かりに探し求めると聞いてきた。まず見ることはできない貴重種と思っていた。車で通過すれば気づくことはなかった。このような形で遭遇するとは,運を使い果たすようで恐ろしいくらいだ。それも見事な株である。さらに驚くべきことは,ここは信濃の国ではない。初見の淡黄色は想像以上に美しく,しばし見とれて時の経つのも忘れるほどだった。
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シナノショウキラン(ラン科)Yoania flava 信濃鍾馗蘭
 本州中部(主に長野県南部)に分布,高さ10-30㎝の菌従属栄養植物。根茎は分枝し,肥厚する。地上茎は多肉,直立し,基部には密に,上部は疎らに鱗片葉が着く。花期は6-7月。花序は総状に着き,花は肉質で大型,長い柄がある。側萼片は平開,側花弁は唇弁を覆う。側花弁及び唇弁の縁には赤紫色の斑点がある。ショウキランY. japonica に似るが,花弁が淡黄色であること,唇弁の形が異なることで区別される。2001年新種記載された。
 属名Yoania は江戸時代末期の蘭学者・宇田川榕菴に因む。(2021.6.24)

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サクラスミレ

傷みもなく新鮮で綺麗ですね。
豊かな森に出会ったら、林道も歩いてみるべきですね。
by サクラスミレ (2021-07-03 21:34) 

hanameguri

コメントありがとうございます。
豊かな森から素晴らしいご褒美をいただきました。サクラスミレさんを見習うことはできませんが,年齢に応じた山歩きで自然に学びたいと考えています。
by hanameguri (2021-07-03 21:57) 

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