ウラジロ [シダの仲間]
葉は正月飾りに
2020年も余すところ5日となった。令和2年元旦にはネズコを掲載し,「庚子(かのえね)は新たな芽吹きと繁栄の始まりを表す意味がある」と引用したが,予期せぬ新たな芽吹きとなってしまった。「新しい生活様式」は容易に身につけられるようなものではないが,受け入れなければならない。コロナ禍にあっても,成長していく孫たちから生きる力を享受できる毎日に感謝以外の何ものでもない。ささやかな幸せであるが「繁栄の始まり」と受け止めている。
2020年も余すところ5日となった。令和2年元旦にはネズコを掲載し,「庚子(かのえね)は新たな芽吹きと繁栄の始まりを表す意味がある」と引用したが,予期せぬ新たな芽吹きとなってしまった。「新しい生活様式」は容易に身につけられるようなものではないが,受け入れなければならない。コロナ禍にあっても,成長していく孫たちから生きる力を享受できる毎日に感謝以外の何ものでもない。ささやかな幸せであるが「繁栄の始まり」と受け止めている。
ツメレンゲ
絶壁に群生
幹線道路から離れ,海に面した小さな集落に出た。海岸沿いの道で露頭がむき出しになり,その崖ではノジギク(2020-12-05ノジギク:写真上)とツメレンゲが群生していた。前後の法面はコンクリートの吹付や落石防護柵が施されている。やがてこの露頭も消える運命にあるようだ。
本種は2016-10-24,2017-10-29に続き3回目の投稿となる。特別な思い入れがあるわけではないが,海岸段丘崖にある見事な群落は記録せざるを得ない。写真上は群落のごく一部である。
幹線道路から離れ,海に面した小さな集落に出た。海岸沿いの道で露頭がむき出しになり,その崖ではノジギク(2020-12-05ノジギク:写真上)とツメレンゲが群生していた。前後の法面はコンクリートの吹付や落石防護柵が施されている。やがてこの露頭も消える運命にあるようだ。
本種は2016-10-24,2017-10-29に続き3回目の投稿となる。特別な思い入れがあるわけではないが,海岸段丘崖にある見事な群落は記録せざるを得ない。写真上は群落のごく一部である。
オニヤブソテツ [シダの仲間]
ツワブキ [キクの仲間]
オオイワヒトデ [シダの仲間]
オオタニワタリ [シダの仲間]
お久しぶり
拙ブログでは2度目,前回2019-01-19はポジフィルムをデジタル化したものを用いた。
今回「岬めぐ&野菊めぐり」の途中,亜熱帯林が広がる場所を通りかかった。さほど期待もせずに林に入ると,屋久島で見た懐かしいシダが出てきた。このシダをデジタルカメラで写すことはないと思っていたが,思いがけない再会となった。日本の11月とは思えない光景である。
拙ブログでは2度目,前回2019-01-19はポジフィルムをデジタル化したものを用いた。
今回「岬めぐ&野菊めぐり」の途中,亜熱帯林が広がる場所を通りかかった。さほど期待もせずに林に入ると,屋久島で見た懐かしいシダが出てきた。このシダをデジタルカメラで写すことはないと思っていたが,思いがけない再会となった。日本の11月とは思えない光景である。
ハマナデシコ
ムラサキセンブリ [リンドウの仲間]
ヤナギノギク [キクの仲間]
植物の分布に関連する地質
秩父地方・長瀞に「地球の窓」と呼ばれる岩畳がある。この近くに博物館があり,小学生の頃からよく通った。岩畳が三波川変成帯の結晶片岩であることも,ここで教えていただいた。それから60年近くも経つことになる。
三波川帯は,長野県諏訪湖付近から西南日本に延びる中央構造線の外帯に接し,全長約1000㎞に達する広大な変成岩帯で,南側の四万十帯へと続く。三波川帯は四国中央部では最も広い幅で東西に延びている。この三波川帯と四万十帯に挟まるようにして一部は秩父帯や黒瀬川帯となるが,この周辺では蛇紋岩地が確認されている。高知市北部では広大な蛇紋岩地が広がり,一部は鉱山として今でも稼働している。秩父地方の三波川帯にも同様な蛇紋岩地があり,日本最初の流通貨幣・和同開珎となる銅の採掘跡もこの一帯にある。以前から遠くて近い存在と感じていた。ヤナギノギクの母種は静岡県以西に分布するヤマジノギク,同じような地質が秩父地方にあるが残念ながら本種の分布域ではない。
こうした貧栄養の蛇紋岩地は植物の生育に不適とされるが,この環境に適応できる植物には格好の場所なのだろう。植栽されるトサミズキは高知県蛇紋岩地の固有種である。
秩父地方・長瀞に「地球の窓」と呼ばれる岩畳がある。この近くに博物館があり,小学生の頃からよく通った。岩畳が三波川変成帯の結晶片岩であることも,ここで教えていただいた。それから60年近くも経つことになる。
三波川帯は,長野県諏訪湖付近から西南日本に延びる中央構造線の外帯に接し,全長約1000㎞に達する広大な変成岩帯で,南側の四万十帯へと続く。三波川帯は四国中央部では最も広い幅で東西に延びている。この三波川帯と四万十帯に挟まるようにして一部は秩父帯や黒瀬川帯となるが,この周辺では蛇紋岩地が確認されている。高知市北部では広大な蛇紋岩地が広がり,一部は鉱山として今でも稼働している。秩父地方の三波川帯にも同様な蛇紋岩地があり,日本最初の流通貨幣・和同開珎となる銅の採掘跡もこの一帯にある。以前から遠くて近い存在と感じていた。ヤナギノギクの母種は静岡県以西に分布するヤマジノギク,同じような地質が秩父地方にあるが残念ながら本種の分布域ではない。
こうした貧栄養の蛇紋岩地は植物の生育に不適とされるが,この環境に適応できる植物には格好の場所なのだろう。植栽されるトサミズキは高知県蛇紋岩地の固有種である。
ノジギク [キクの仲間]
アシズリノジギクの母種
この花を関東地方で見れば,きっとリュウノウギクと思うことだろう。朧気にも予備知識があったので遠くからもノジギクと予想できた。違いは,葉の基部がやや心形,内片より短い総苞外片,とされている。名はノジギク(野路菊)であるが,主な自生地は海岸付近といわれている。海に面した切り立った崖上部に生えているもの(写真上)を望遠レンズで引き寄せた。
この花を関東地方で見れば,きっとリュウノウギクと思うことだろう。朧気にも予備知識があったので遠くからもノジギクと予想できた。違いは,葉の基部がやや心形,内片より短い総苞外片,とされている。名はノジギク(野路菊)であるが,主な自生地は海岸付近といわれている。海に面した切り立った崖上部に生えているもの(写真上)を望遠レンズで引き寄せた。
アシズリノジギク [キクの仲間]
アゼトウナ [キクの仲間]
シオギク [キクの仲間]
岬めぐり&野菊めぐり
山渓ハンディ図鑑11日本の野菊(いがりまさし. 2007. 山と渓谷社)に「海岸を染め分ける野菊」(p38ー39)という図説がある。日本列島の全海岸線を踏破することは困難でも,この図を参考にすれば特定地域に分布する野菊を愛でることができる。今回は四国南部にある幾つかの岬を目標にして,その地方特有の野菊を観察した。
シオギクはイソギク(犬吠埼~御前崎に分布)に似ているが,頭花の径,総苞外片の形,染色体数などに違いが見られる。観察すると頭花が大きい分,見応えがあった。ところが事前に承知していたことだが,本来のシオギク(写真A~D)はわずかしか見られず,様々な雑種(写真E)が蔓延っていることに愕然とした。原因はこの岬にはないノジギクを観光用に植栽したことにはじまる。野生化した雑種の除去作業が行われたが,その効果はあまりないように思えた。遺伝子汚染によるシオギクの衰退が顕著である。
※ 写真は上からA~E
山渓ハンディ図鑑11日本の野菊(いがりまさし. 2007. 山と渓谷社)に「海岸を染め分ける野菊」(p38ー39)という図説がある。日本列島の全海岸線を踏破することは困難でも,この図を参考にすれば特定地域に分布する野菊を愛でることができる。今回は四国南部にある幾つかの岬を目標にして,その地方特有の野菊を観察した。
シオギクはイソギク(犬吠埼~御前崎に分布)に似ているが,頭花の径,総苞外片の形,染色体数などに違いが見られる。観察すると頭花が大きい分,見応えがあった。ところが事前に承知していたことだが,本来のシオギク(写真A~D)はわずかしか見られず,様々な雑種(写真E)が蔓延っていることに愕然とした。原因はこの岬にはないノジギクを観光用に植栽したことにはじまる。野生化した雑種の除去作業が行われたが,その効果はあまりないように思えた。遺伝子汚染によるシオギクの衰退が顕著である。
※ 写真は上からA~E