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エチゴルリソウ

雪国の瑠璃色
 渓流に溢れる雪代,青空に映える残雪,木々の芽吹きと百花繚乱など,どれをとっても雪国の春は劇的である。久しぶりの雪国の春はやはり期待を裏切らなかった
 前回は雪が少ない年にも関わらず,時期が早すぎてほとんどが蕾。逆に多雪の今季は4月に入って急激な気温上昇。思案した挙句,前回よりも10日遅れで計画した。予想は的中,美しい瑠璃色を愛でることができた。

 二箇所の自生地はともに南向きの急斜面にあり,根元曲がりの樹木(写真A参照)で被われていた。春は雪解けがより早く,夏は直射日光や強雨などを和らげるような環境と思われる。
※ 写真は上から順にA~D
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ホソバノアマナ

茎は繊細
 高山帯に生えるチシマアマナと同じ仲間で,本種の花被片に腺体はない。これまで積雪の多い地方で見てきたが,地元で観察することができた。埼玉県では準絶滅危惧種に指定されている。湿潤で腐植層の堆積した土壌に生えると思われる。
 この周辺ではニリンソウオクタマスミレミツバコンロンソウヒゲネワチガイソウコガネネコノメソウミヤマエンレイソウなども自生し,この時期は飽きることがない。またトリカブトの大群落もあり,秋にはどのような花を着けるのかが楽しみである。
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ミヤマエンレイソウ

淡紅紫色の内花被片
 2020-04-21では数個体が生える生育地での撮影であった。久しぶりに見事な群落にであったので改めて取り上げた。この一帯では写真のような群落が数ヶ所で観察できた。中には淡い紅紫色の筋が入る内花被片の個体(写真D)もある。
 残念なことであるが,こんなところまでモトクロスバイクが入り豊かな林床を荒らしていた。ここは埼玉県が県立自然公園として指定したエリアの一部である。
※ 写真は上から順にA~D
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コガネネコノメソウ [ネコノメソウの仲間]

黄金の絨毯
 今年はネコノメソウ属の数種を観察する計画を立てた。そして,トウノウネコノメキバナハナネコノメは実現することができた。コガネネコノメソウはすでに掲載しているが,地元で見事な群落に出会ったので改めて取り上げた。
 この自生地には頂(標高約600m)に近い北面の急斜面にあり,近くに沢などの水場もない。わずかな日照で湿度が保たれ,湿潤な土壌であることが要因と思われる。群落は50m以上にわたって続いている。
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シロバナヒメオドリコソウ

一面の白花
 区画整理された広々した畑作地帯の片隅を小さな白花が占拠していた。ホトケノザの白花?と思い,車を停めた。ほとんどがヒメオドリコソウの白花で,紅紫色の花はおよそ1割程度。花時には上部の葉が赤紫色を帯びるが,このアルビノ型にはそうした色は見られない。
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ゲンジスミレ [スミレの仲間]

不思議なスミレ
 葉の裏面が紫であることから平安時代の紫式部,そして源氏物語を連想したといわれている。和名の優雅なイメージからさぞ豊かな環境で生育していると思っていたが,日当たりの良い乾き気味の環境に生育していることが多い。数年観察している生育地は林道の法面にある。ここは崩れやすい不安定な斜面で随所に土留めが施されている。南向きで乾燥しやすく,根から水を吸収する植物には厳しい環境と思われる。
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オクタマスミレ [スミレの仲間]

秩父産の奥多摩
 美しい花をつける交雑種として知られている。約50年前,小学生の遠足などで訪れた馴染みの場所で撮影した。車道から少し入った林にヒナスミレエイザンスミレに混じって約10個体ほど確認した。夏日が続いた影響などで見頃は過ぎていた。
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ヒメミヤマスミレ [スミレの仲間]

春は何処
 平年気温を下回る気候が一転,4月10日以降,平年値を約10℃上回る最高気温。4日連続で真夏日に迫る気温となった。例年であれば山肌を徐々に上る萌黄色が,一気に駆け上がった。スミレの多くもあっという間に結実した感じがする。
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オシャグジデンダ [シダの仲間]

深山に産す
 ブナが点在する源流を歩いていると目前の樹幹に着生するシダを発見した。同じ冬緑性のアオネカズラは何度も見ているので,同じ仲間のオシャグジデンダと分かった。沢を挟んだ対岸から写したが,足場が悪いのでこれ以上近寄れない。6年前に別の地で撮影したものを添付した。
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ヒゲネワチガイソウ

貧弱な花
 ワチガイソウ属Pseudostellaria の中では花弁が最も多く,幅も狭い。過去に何度も写してきたが,いずれも見栄えのないものばかり。センスがあればもっとうまく表現できるのだろう。数株がまとまっていることで何とかごまかした。上部の2対の葉からはワダソウを連想するが,花がつくと見劣り感は否めない。
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ミツバコンロンソウ

花の色は繊細
 小さな花は見落としやすいが,芽吹き前の明るい林床なので気づくことができた。ピント合わせでよく見ると花弁は真っ白というよりはアイボリー,これに薄っすらと緑色の筋が入る。
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シコクハタザオ

変異の多い旗竿
 別の目的でシコクハタザオが分布する地(標高100m)に立ち寄った。幸いにも旬を迎えた個体を観察することができた。
 
シコクハタザオの基本種はフジハタザオ A. serrata var. serrata,この仲間には多様な変異があるといわれている。拙ブロクではその一変種イワハタザオ A. serrata var. japonica を掲載した際,この変異について触れた。
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キバナハナネコノメ [ネコノメソウの仲間]

鮮やかな黄色
 本変種は本州(近畿地方・中国地方),四国,九州に分布するシロバナネコノメソウを基本種とする。近縁種のハナネコノメや基本種との違いは花期の萼裂片が鮮黄色となること。葯が朱色を帯びた開花直後をねらって早めに訪れた。日当たりの悪い斜面には薄っすらと雪が残ていた。
 トウノウネコノメの分布と一部重複するが,より東方まで分布している。この地方へは地域高規格道路や高速道の整備が進んでアクセスが楽になった。
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トウノウネコノメ [ネコノメソウの仲間]

地域限定の固有種
 本種は1999年に若林三千男氏・高橋弘氏によって新種記載された。(植物分類・地理「本州中部産ネコノメソウ属の一新種及び一新変種」)
 コガネネコノメソウChrysosplenium pilosum var. sphaerospermum に似ていて, 種小名には接頭語pseudo-」がつく。これには「偽りの」「種小名種に似た」という意がある。萼裂片から突出する雄蕊が特徴であるが,子房の位置にも違いが見られると報告には記されている。コガネネコノメソウよりもひとまわり小さい感じがした。
 この地を4年前に訪れたことがあり,花期を過ぎた本種を確認していた。この仲間の中では花期は早い。

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ニッコウネコノメ [ネコノメソウの仲間]

台風の爪痕が残る沢で
 本種はネコノメソウ属Chrysosplenium では地味な存在であろう。一般的にハナネコノメと比べれば人気度は低いと思われる。本種はヨゴレネコノメと混同しやすいが,平開(直立)する花弁状萼片と通常8個(4個)ある雄蕊で見分けることができる。いずれも母種であるイワボタンの変種と考えられている。
 写真下の付近はハナネコノメコチャルメルソウを撮影した場所である。2019年の台風で跡形もなく流失,毎年復活を期待して訪れているが,未だその兆しさえ見られない。
※( )内はヨゴレネコノメの特徴
※ 写真は上から上,中,下

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