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ゲンジスミレ [スミレの仲間]

不思議なスミレ
 葉の裏面が紫であることから平安時代の紫式部,そして源氏物語を連想したといわれている。和名の優雅なイメージからさぞ豊かな環境で生育していると思っていたが,日当たりの良い乾き気味の環境に生育していることが多い。数年観察している生育地は林道の法面にある。ここは崩れやすい不安定な斜面で随所に土留めが施されている。南向きで乾燥しやすく,根から水を吸収する植物には厳しい環境と思われる。
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ゲンジスミレ(スミレ科)Viola variegate var. nipponica 源氏菫 別名 イヨスミレ(伊予菫)
 本州(青森~岩手県の太平洋側,関東~中部地方の内陸部,岡山県)・四国(愛媛県)に隔離分布,山地に生えるまれなスミレ。草丈は5-10㎝,花期の葉は長さ2-4㎝,卵形~円形,基部は心形,表面は暗緑色。裏面は紫色になるが,淡緑色になるものもある。葉柄,花柄,萼片,蒴果に細かな毛を密生するが,肉眼ではほとんど無毛に見えるものが多い。
 花期は比較的早く4-5月上旬。花の径は1.5-2㎝で,ごく淡い紅紫色。普通花弁の表面は白に近く,裏面の方が色が濃い。各弁に紫の筋がある。側弁の基部は有毛。
 別名は1902年最初の産地である愛媛県に因む。発見当初の学名はV. umemurae として発表されたが,後に本州中部などでも見つかり,現在ではフイリゲンジスミレの変種とされて学名も表記のようになった。(上:2022.4.13 中・下:2020.4.24)

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