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ノハラアザミ [キクの仲間]

昔ながらの田園風景
 地元でもあまり知られていない小規模の棚田を訪れた。流れる小川はコンクリートで護岸されているが,必要最低限の土木工事によるもので周辺の自然環境と融和している。除草剤使用や極端な草刈りは少なく,無舗装の畦道沿いではノハラアザミが晩秋を彩っていた。本種は花期に根生葉(写真D)が残る。苞葉が頭花の基部を車軸状に取巻くクルマアザミ(写真C)も見られた。
 ※ 写真は上から順にA~E
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ノハラアザミ(キク科)Cirsium oligophyllum 野原薊
 本州(青森県・秋田県~長野県・愛知県)に分布,低地~山地の草地に生える高さ30-100㎝,ときに300㎝(福島県)にもなる多年草。雌雄同株。
 茎は直立し,上部または中部で分枝し,上部にクモ毛と褐色の多細胞毛がある。根出葉はふつう花時にも生存する。
 根生葉の葉身は草質,深緑色,ときに脈に沿って白斑があるか中肋に沿って紅色を帯び,長さ10-50㎝,幅4-22㎝,狭楕円形~狭倒卵形または披針形,羽状に深裂~中裂して裂片は3-12対となるかあるいは粗い鋸歯縁~低い鋸歯のある全縁状,長さ1-3㎜の棘がある。茎葉の葉身は無柄で,基部は茎を抱く。
 花期は8-12月。頭花は3-5個が総状に疎らにあるいは密集して着くかときに単生し,直立して咲き,頭花の柄は長さ1-4(-20)㎝。頭花の基部に線状~披針形で長さ1-6㎝の托葉が2-15個ある。苞葉が大型となって,頭花の基部を車軸状に取り巻くものを<車咲き>といい,ノハラアザミの場合はクルマアザミとよぶ。
 総苞は鍾形~広鍾形,長さ15-20㎜,径12-16㎜,緑色で総苞片の縁は紫褐色,クモ毛が密集する。総苞片は11-12列,斜上し,総苞外片は狭卵形~披針形で長さ4-10㎜,内片の半長。腺体を欠くため,総苞片は粘らない。
 花冠は長さ18-21㎜,淡紅紫色,狭筒部は長さ8-11㎜,広筒部よりも長い。(2023.10.29)


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