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ノビル [ネギの仲間]

旬は春
 小学校1年の頃,ガキ大将に無理やり生で食べさせられた。10歳に満たない子どもにはあまりにも刺激的な味覚であった。
 縄文時代にはすでに食用とされ,古事記や万葉集にも登場するお馴染みの植物である。秩父地方では茎の立たない4-5月が旬となる。鱗茎は生で味噌をつけたり,ぬたや天ぷらなどでも食される。酒のつまみに最適とされ,小さい頃にはノビル摘みをする大人を見かけた。最初の体験がトラウマとなり,2度と口に入れたことはない。
 観察すると全部が花となる個体(写真A,B)は意外と少ない。ムカゴ(珠芽)と花の両方着けるものやムカゴだけのものもある。すでにムカゴから芽を出しているもの(写真C,D)も見られる。身近な植物であるが,まだ調べられていないこともある。
 ※写真は上から順にA~D
nobiru.jpgnobiru2.jpgnobiru3.jpgnobiru4.jpg
ノビル(ヒガンバナ科)Allium macrostemon 野蒜 別名 チョウセンノビル
 北海道~沖縄に分布,原野や道端に普通に見られる多年草。鱗茎は球形で径15㎜内外,2-3個の葉が出る。葉は線形,長さ20-30㎝,幅2-3㎜,中空で断面は三日月形である。花期は5-6月。高さ40-60㎝の花茎が立ち,頂に集散花序をつけるが,はじめは総苞に被われて嘴状を呈する。花被片は6個,卵状長楕円形で長さ4-6㎜,白色または微紅色を帯び,やや平開する。雄しべは花被片よりはるかに長く,花糸の基部に歯がない。花柱も花被片より長い。花序のうち花の一部または全部が珠芽に変わるものがある。特に,日当たりが良いと,花よりも珠芽なることが多く,花茎についたまま芽を出すこともある。
 鱗片は春の摘み草の一つである。農耕地付近に特に多いので古くは農作物とともに中国から渡来したという説もある。和名は野に生える蒜で,蒜はネギ,ニンニク類の総称である。

 クロンキスト及びエングラー分類体系ではユリ科として分類される。(A・B2021.6.4 C2021.5.28 D2021.6.2)

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