SSブログ

トウゲシバ [シダの仲間]

シダに見えないシダ
 葉の大きさなどによって3つに区別して,変種とする考えもある。ここでは3型に分ける視点も持ち合わせていないので,トウゲシバとして広義の学名を用いた。
 あえて3型として分けるとすれば,掲載した個体はホソバトウゲシバに相当する。

hosobatougeshiba.jpghosobatougeshiba2.jpg
トウゲシバ(ヒカゲノカズラ科)Huperzia serrata(広義) 峠柴
 北海道・伊豆諸島・本州・四国・九州・沖縄に分布,やや湿っぽい場所で見られ,胞子体は小形で常緑性の草本。空中湿度がやや高い林下の地上に生え,ときに群生する。
 葉は中央に1本の主脈のみがある披針形の小葉で,茎や枝に多数が螺旋状に互生する。葉の形や大きさ,葉柄の発達の程度などで,ホソバトウゲシバ(var. serrata),ヒロハノトウゲシバ(var. serrata f. intermedia),オニトウゲシバ(var. longipetiolata)の3型が区別されることがあるが,区別が困難なことが多い。あまりか確定的ではないが,より南方または暖帯ほど葉が大きく,より北方の個体ほど小さい傾向がある。
 親株と同様な環境には幼植物が群生することがある。地上茎は短く斜上して数本に分かれた後にほぼ直立して,上部で1-3回ほど二叉分岐的に分枝する。胞子嚢穂は形成せず,葉の基部上面側に1個ずつ着ける。染色体はn=68,136,2n=204の4,6倍体で有性生殖である。胞子は胞子嚢中に多数形成され,夏から秋に熟す。胞子塊は淡黄色。成熟胞子は四面体型で,赤道面の中央部は凹み,内部に油滴がある。(2022.5.30)

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。