クロイチゴ

紫黒色に熟す果実
　日当たりの良い山野で見るナワシロイチゴの花に似ているが，3出複葉の小葉が異なっていた。直感的にキイチゴ属Rubus の中では美味しいと評判の黒莓であると気づいた。

クロイチゴ（バラ科）Rubus mesogaeus var. mesogaeus 黒苺
　北海道～九州に分布，山地に生える高さ約1mの落葉低木。茎や枝には白い軟毛とやや下向きの刺がある。
　葉は掌状の3出複葉で互生し，花の着く枝の葉は小葉が1対，着かない1年目の茎の葉では小葉が2対のものも混じる。頂小葉は広卵形で，側小葉より大きく，先は尖り，縁は欠刻状の重鋸歯がある。裏面には綿毛が密生する。葉柄と葉軸には細かい毛が密生し，小さな刺がある。
　花期は6-7月。枝先や葉腋から球状の花序を出す。花序には淡紅色の花が5-10個つく。花弁の長さは約3㎜，倒卵形で直立する。
　果実は集合果，径約1㎝の球形で，8月頃紅色から紫黒色に熟す。(2022.6.13)