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ニッコウバイカウツギ

毛の有無を確認
 バイカウツギを観察したのは約10年前,デジタル一眼を使い始めた頃だ。写したものはピントが甘く気に入らないものばかり。それ以降は出会うことなく,梅雨に入ると毎年気にかけていた.
 久しぶりに見るバイカウツギに心躍った。前回は葉の様子を気にかけることもなかったが,今回はじっくり観察した。それは葉裏に毛のあるニッコウバイカウツギの存在を知ったからである。撮るまでもなく,触れるだけで毛のあることが分かる。3日後,別の場所でもバイカウツギを見つけたが,やはり「ニッコウ」であった。調べると関東地方周辺ではニッコウバイカウツギの報告が多いようだ。
 ルーペで確認すると毛が多いのは葉裏で,表より裏の毛が2倍ほど長い。真正面からの葉裏の接写(写真6)は毛の存在が一目瞭然。一方,葉表を同様の方法で写すと毛は白い点でしかない。葉を反らせて斜め方向から葉表一部にピントを合わせた(写真5)。
 ウツギマルバウツギヒメウツギなど(ウツギ属Deutzia) とは別属である。ウツギ属Deutzia の葉は星状毛であるが,バイカウツギ属Philadelphus の毛は枝分かれしない。
※ 写真は上から順に1~6(写真5と写真6の倍率は一致しない。)
nikkoubaikautsugi.jpgnikkoubaikautsugi2.jpgnikkoubaikautsugi3.jpgnikkoubaikautsugi4.jpgnikkoubaikautsugi5.jpgnikkoubaikautsugi6.jpg
ニッコウバイカウツギ(アジサイ科)Philadelphus satsumi f. nikoensis 日光梅花空木 別名 ケバイカウツギ,ニッコウウツギ,アイノコバイカウツギ
 本州に分布,山野の林内や林縁に生える落葉低木。樹高は1-3m。樹皮は灰褐色で縦に裂けて薄く剥れ落ちる。若枝は赤褐色で,縮れた軟毛がある。葉は対生し,長さ4-10㎝,幅1.5-4㎝の卵形~長楕円状卵形,先は鋭く尖り,基部は円形,縁には浅い鋸歯が疎らにある。表面には微毛があり,淡緑色の裏面には伏毛が多く,3-5本の脈が目立つ。葉柄の長さ5-10㎝。
 花期は6-7月。枝先から集散花序を出し,5-9個の白花をつける。花弁は4個,長さ1-1.5㎝,幅8-11㎜の広卵形,先は円く平開する。雄蕊は20個前後,花柱は長さ約8㎜で,先は4裂する。花柄は長さ5-7㎜。萼筒は長さ3-4㎜の倒円錐形。
 エングラー分類体系ではユキノシタ科に分類される。(2022.6.11)

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