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サクライソウ

摩訶不思議な植物
 分類学上,様々な議論を経て今日の位置づけとなった植物である。写真Aは沢沿いの落葉常緑混交林下で湿潤な環境に生育していた。一部にはミズゴケやバイカオウレンなども生えていた。写真Bは緩やかな尾根に通じる落葉広葉樹林下の山腹に群生していた。絶滅危惧ⅠA類(CR)に指定されているが,想像を絶する群生である。両者の環境の共通点は,北東向きで朝陽だけが当たる樹林下であることと,十分な孔隙(隙間)がある土壌であることの2点である。ふかふかな土で踏み込むのを躊躇うほどだ。菌従属栄養植物であることから土壌微生物の豊かさを思わせる。林内の菌類が放つ「香気」を強く感じ,何ともいえない心地良い匂いが立ち込めていた。前年の植物体がまだ残るような個体(写真B)は意外に多い。極細の淡黄色の茎は堅く腐植し難い感じだ。

 別の目的でこの付近を訪れた時,このサクライソウ自生の存在を教えていただいた。生涯見ることはできないと思っていたが,奥深い菌従属栄養植物の世界を体感することができた。感謝しなければならない。
 ※ 写真は上から順にA~D
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