コバノカモメヅル
興味深い鴎蔓
旧ガガイモ科は地味な花が多いが,興味深い花も多い。花冠は5裂して,喉部に副花冠が発達する。ラン科のような花粉塊をつくることで知られ,種名に「カモメヅル」がつくものが数種があり,少し分かりづらい。クロンキストやエングラー分類体系では花粉塊につく柄の有無で大きく分けるようだ。すでに掲載したクサタチバナやイケマも花粉塊に柄がある仲間である。
旧ガガイモ科は地味な花が多いが,興味深い花も多い。花冠は5裂して,喉部に副花冠が発達する。ラン科のような花粉塊をつくることで知られ,種名に「カモメヅル」がつくものが数種があり,少し分かりづらい。クロンキストやエングラー分類体系では花粉塊につく柄の有無で大きく分けるようだ。すでに掲載したクサタチバナやイケマも花粉塊に柄がある仲間である。
オオカモヅル属はかって,花粉塊の形態の誤認によりキジョラン連に含まれていたが,分子系統学的解析からトウワタ連のカモメヅル属と単系統群になることが明らかにされている。近年の研究では,オオカモメヅル属はカモメヅル属の異名として扱うことが指示されている。そのため,今回は旧版のオオカモメヅル属として扱われていた種はすべてカモメヅル属に含めた。
検索上では,オオカモメヅルやコカモメヅルは,花冠は径6㎜以下,果実は線形披針形で幅5-6㎜,対になることが多い。
一方,コバノカモメヅルは,花冠が径6㎜以上,果実は狭披針形~広披針形で幅6㎜以上,1つだけ発達することが多い,と示されている。
検索上では,オオカモメヅルやコカモメヅルは,花冠は径6㎜以下,果実は線形披針形で幅5-6㎜,対になることが多い。
一方,コバノカモメヅルは,花冠が径6㎜以上,果実は狭披針形~広披針形で幅6㎜以上,1つだけ発達することが多い,と示されている。
コバノカモメヅル(キョウチクトウ科)Vincetoxicum sublanceolatum var. sublanceolatum 小葉の鴎蔓
本州(関東地方・中部地方・関西地方)に分布,山麓の草地・湿地・休耕田などに生えるつる性の多年草。茎は巻きついて長く伸び,条があってわずかに曲がった毛がある。葉は対生,7ー15㎜の葉柄があり,長楕円状広披針形で先は鋭頭~鋭尖頭,長さ3ー11㎝,幅1ー2.5㎝,基部は円形またはときにわずかに心形。花期は7ー9月,葉腋から花序を出し,長さ1ー2㎝の総花柄の先に散状に2ー数個つき,小花柄は細くて5ー12㎜。花の径7ー9㎜。花冠裂片は細長く,長さ4ー6㎜で鈍頭。クロンキストやエングラー分類体系ではガガイモ科に分類されている。(2019.9.15)
本州(関東地方・中部地方・関西地方)に分布,山麓の草地・湿地・休耕田などに生えるつる性の多年草。茎は巻きついて長く伸び,条があってわずかに曲がった毛がある。葉は対生,7ー15㎜の葉柄があり,長楕円状広披針形で先は鋭頭~鋭尖頭,長さ3ー11㎝,幅1ー2.5㎝,基部は円形またはときにわずかに心形。花期は7ー9月,葉腋から花序を出し,長さ1ー2㎝の総花柄の先に散状に2ー数個つき,小花柄は細くて5ー12㎜。花の径7ー9㎜。花冠裂片は細長く,長さ4ー6㎜で鈍頭。クロンキストやエングラー分類体系ではガガイモ科に分類されている。(2019.9.15)
【参考文献等】
大橋広好他 編 改訂新版 日本の野生植物 2015 平凡社
大橋広好他 編 改訂新版 日本の野生植物 2015 平凡社
2019-09-24 00:00
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