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タニヘゴ [シダの仲間]

湿地に生えるシダ
 撮影地は近くの丘陵にあるわずかな谷津。谷間の田んぼは荒れ放題に放棄され,イノシシが好むような環境が増える昨今である。しかし,ここは耕作していないものの,今でも人の手が入り湿地の環境が維持されている。生育地が限られ,個体数もそれほど多くないといわれるタニヘゴの叢生した状態(写真A)が数箇所にあり,周辺に新たな個体も見られる。直立する葉は1mほどに伸び,見応えのある群生になっている。
 ※ 写真は上から順にA~E
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タニヘゴ(オシダ科)Dryopteris tokyoensis 谷へご
 北海道(本土,奥尻島)・本州・四国(愛媛県・高知県)・九州(長崎県,鹿児島県の本土のみ)に分布,明るい湿地に生える夏緑性のシダ。分布域の広さの割に生育場所数や個体数はあまり多くない。
 根茎は短く,太く,直立し,直立した葉を叢生する。葉柄は葉身の半分よりはるかに短く,鱗片をやや密に着ける。葉柄の鱗片は披針形~長卵形,急に鋭尖頭,全縁,長さ1.5㎝,膜質で,暗褐色から淡褐色。
 葉身は単羽状複生,倒披針形。株の羽片は徐々に短くなり,最下部では長さ2-4㎝ほどになる。中軸にはやや細い鱗片がやや密にある。羽片は線形~線状披針形で浅裂~深裂し,羽片は円頭で微細な鋸歯がある。葉脈は上面で著しく凹む。葉質は軟らかい革質で帯黄緑色。
 胞子嚢群は羽軸近くに1-2(3)列に並んで着き,包膜は全縁の円形で,胞子が熟す頃には胞子嚢群の中央部に埋まるものが多い。和名は谷間や湿地に生育する羊歯の意味。(A~D 2021.7.11,E 2021.7.3)

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