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アズマイチゲ [イチリンソウの仲間]

再びキンポウゲ科の花巡り
 今日は、朝から気持ちの良い晴天。自宅から見える奥秩父の山々は新たな雪化粧、朝日に映えて美しい。これでスギ花粉の飛散がなければ最高である。
 学生時代、春咲き植物の花の開閉運動と傾熱性について学んだことがある。この季節に咲く花は、曇や雨の日には気温が上がらす閉じてしまうものが多い。過去の撮影記録を見ると、「2015年3月15日、アズマイチゲ見頃」とある。今日は晴れて気温も上がるという予報を信じて、秘密の群生地に向かった。午前10時に到着するが、群生地東南側の山で日陰になり、やっと日光が当たりはじめた状態。花は全て閉じている。午後になれば開花すると判断し、別の所へ向かう。
 群生地に戻ったのは午後1時。数え切れないアズマイチゲの一華一華がそれぞれ自己主張するように咲き誇っていた。彼岸入り前の最高の一日となる。急いで墓参りの準備をしないと、故人に叱られてしまいそうだ。
azumaichige.jpgazumaichige2.jpg

アズマイチゲ(キンポウゲ科)Anemone raddeana 東一華
 イチリンソウと同じ仲間(イチリンソウ属Anemone)で、北海道、本州、四国、九州に分布、落葉広葉樹林の林縁や林床にはえる。「東の一輪草」が和名の由来といわれる。秩父地方の花期はセツブンソウの見頃が過ぎた3月下旬。この場所は標高が低く北風の当たらない場所であることから、私が訪れる群生地の中で一際早く見頃となる。落葉広葉樹が芽吹く前に開花、初夏には地上部は枯れてなくなるスプリング・エフェメラルの一種である。
 藪になって光が不足したり、イノシシの被害を受けたりなど、見事な群生地が少なくなっている。この撮影地周辺は地域の方々が里山再生事業に加わり、程良く人の手を入れて昔ながらの環境保全に努めている形跡を感じる。そのおかげでこのような群生地で愛でることができる。カメラをセットすると薄曇りになり、柔らかな光で風もなく最高の撮影条件となった。まるで自生地がフォトスタジオになったようである。アズマイチゲから「もっと上手に撮れるだろう」といわれそうだ。(2017.3.16)
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コメント 2

松田

アズマイチゲ、今季はまだ会えずにいます。外秩父山系の秘密の
フィールドでもそろそろ見頃な筈ですが、週末は野暮用に追われ
るばかり。
それにしても見事な群生ですね。こんな写真を見せられると、心中
穏やかではありません(笑) 思い切って今週末あたり…。
スミレの便りも届き始め、彼の地に思いを馳せる今日この頃です。
by 松田 (2017-03-20 09:49) 

hanameguri

ご無沙汰しております。
隠居の身になりますと野生植物の都合に合わせられます。
咲きはじめで全く痛んでいない花に出会えました。
今まで見た中で最高の群生地です。
現役の多忙な方を刺激して大変恐縮です。
by hanameguri (2017-03-20 10:26) 

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