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ヤシャブシ

目立たないハンノキ属の花_その1
 早春から花を着ける樹木が気になっていた。本種は早春から咲きはじめ,同属のハンノキよりも少し遅れて咲く。この仲間の雄花序は垂下するなどよく似ているが,雌花序の個数や着き方はそれぞれ異なる。同じ個体で花期と葉の展開期に観察した。
 本種の雌花序は雄花序の基部に直立して1-2個着く(写真AB)。果穂にはタンニンが多く含まれ,黒色の顔料の代用や染料となる。ハンノキ属の花粉はアレルゲンとなる。古木の樹皮(写真D)は縦に剥れる。
※ 写真は上から順にA~D
yashabushi.jpgyashabushi2.jpgyashabushi3.jpgyashabushi4.jpg
ヤシャブシ(カバノキ科)Alnus firma 夜叉五倍子
 本州(福島県~紀伊半島の太平洋側)・四国・九州(屋久島まで)に分布,丘陵~山地,特に尾根沿いに多く生える落葉小高木。崩壊地や林道などの治山工事後の法面に素早く侵入する。高さ8-15m,直径10-30㎝になる。樹皮は灰褐色,若木は滑らかだが,古くなると剥がれる。
 葉は互生,葉身は長さ4-10㎝,幅2-4.5㎝の狭卵形。先端は鋭く尖り,縁は細かい重鋸歯となる。側脈は13-17対,裏面の脈上に伏毛がある。葉柄は長さ7-12㎜。
 花期は3-4月。花は雌雄同株,雌雄異花,葉の展開前に開花する。雄花序は無柄で長さ4-6㎝,枝先から3個ずつ弓状に垂れ下がる。雌花序は有柄で雄花序より少し下部に1-2個直立して着く。
 果実は堅果。果穂は長さ1.5-2㎝の卵状楕円形で,直立または斜上する。(ABD:2023.3.28 C:2023.4.11)


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