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イタドリ

生で食す
 色鮮やかなイタドリに出会った。わずかに花は残っているが,赤や白に見える部分はほぼ果実となっていた。ルーペで見ると3つの翼からできている。翼は萼の3外裂片が大きくなったもので,この中に種子ができている。一般的には花や果実は白色であるが,品種レベルで赤いものがある。
 物心がついた頃,年上の人を見習って少し伸びてきた新芽を折って,生でしゃぶった。例えようのない酸味は今でも脳裏に焼き付いている。秋になると茎に寄生したイタドリ虫を採り魚釣りの餌とした。まだ物資が不足していた昭和30年代初期が懐かしい。
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イタドリ(タデ科)Fallopia japonica var. japonica 虎杖 別名 スカンポ
 北海道~九州・奄美諸島に分布,日当たりの良い荒地や斜面に生える多年草。
 根茎は発達し,新しい苗を出す。茎は棒状で中空,斜上または直立し,上部は多くの枝に分かれ,高さ30-150㎝になる。
 葉は有柄,広卵状楕円形~広卵形,先は尾状の鋭尖形,基部は切形~浅心形,両面脈上に短毛があり,長さ6-15㎝,幅5-9㎝。托葉鞘は膜質,早く落ちやすい。

 花期は7-10月。総状花序は円錐状に集まり,多くの花を着ける。花は雌雄異株。萼は5深裂し,白色で,長さ1.5-3㎜となる。花糸は細く,雄蕊は8個。花柱は3裂,雌花では萼の3外裂片が花後に大きくなり,翼を出し,全形は倒卵形,先は凹み,基部は細まり,長さ6-10㎜となる。痩果は3稜形,黒褐色で,光沢があり,長さ約2.5㎜。
 本種は変化が多く,次の品種と変種がある。単に花や実が赤い品種をベニイタドリ f. elata という。高山帯に生え,丈の低いものをオノエイタドリ var. compacta,本州の日本海側と東北地方に分布し,茎や葉に毛の多いものをケイタドリ var. uzensiaとよぶ。伊豆七島には,壮大で葉は厚く,光沢のあるハチジョウイタドリ var. terminalis がある。
 イタドリ類は若い茎を食用とする。漢名は虎杖といい,乾燥した茎は軽くて丈夫なことから杖に使われ,若い茎の紅紫色の斑点を虎斑模様に見立てたことに因る。(2023.8.31)


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