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クラガリシダ [シダの仲間]

決め手は葉表にある1条の溝
 ある深山を再訪した。ある程度の土地鑑(勘)があるので駐車してからあまり時間を要しない。今回は過去に訪れた際に見落とした径木の着生植物が目的である。極めて珍しいのでシシランと見違えてもおかしくない。高所に着生したもの(写真AB)では区別しにくいが,接写できるような所(写真CDE)にも着生しているのでで同定しやすい。葉はシシランより細く,特徴である葉表中肋の凹んだ1条の溝(写真D)も容易に確認できる。葉裏に生じる2条の胞子嚢群を期待したが全て裸葉であった。
 ※ 写真は上から順にA~E
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クラガリシダ(ウラボシ科)Lepisorus miyoshianus 別名 キヒモ
 本州(能登半島,長野・静岡・愛知・岐阜4県の接する付近,近畿地方,中国地方西部)・四国(愛媛県)・九州(大分県耶馬渓)に分布,深山の原生林中の樹幹に生じる常緑性のシダ。
 根茎は短く,径約2.5㎜,密に鱗片を着ける。鱗片は下部が卵形,基部はやや心形,先端に向かってしだいに狭くなり,鋭尖頭,辺縁には小さな突起があり,淡灰色から濃い部分は黒褐色で格子状,膜質,長さ4-5㎜,幅約1㎜。
 葉は狭線形,長さ30-50㎝,幅2.5-4㎜,先端に向けてしだいに細くなり,鈍頭,下方もしだいに狭くなり,葉柄というべき部分はせいぜい長さ2-4㎜くらい,両面とも平滑で無毛,全縁。中肋は表面は凹んで1条の溝となり,下面には広く顕著な隆起となる。
 胞子嚢群は連なって線形となり,楯状側糸は小型。
 和名は岐阜県落合村(現下呂市小坂町)暗がり坂で発見されたことに因る。東アジアの特産の珍種であり,すでに危険な状態にある。(2023.9.14)



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