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スギナモ

初見の水生植物
 水底が全く見えないほど清らかな流水に水草が繁茂していた。1960年頃,尾瀬沼で異常繁殖したコカナダモを一瞬疑った。近づけない距離にあったのでカメラ内で拡大すると初見の種と感じ,帰宅して図鑑等で改めて確認した。北半球の寒冷地にも分布する北方系の植物と思われる。花期になると水上に立ち上がり葉腋に花を着ける。
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ヒツジグサ

半世紀ぶりの尾瀬ヶ原は観光
 開花時刻は未の刻とは限らない。昼間に開き夜は閉じる。これを数日繰り返し寿命を終えると思われる。埼玉県では野生絶滅となっているが、環境省のカテゴリーでは無指定である。栽培種が多く,野生自生種はかなり少ないようだ。
 今回は尾瀬ヶ原を見たことがない妻のリクエストで訪れた。快晴,無風,花はなく草紅葉は見頃でまさに観光,三脚は持たずスナップ写真に徹した。
 山の天気は激変しやすく,この数日後至仏山(写真C)の山頂部は冠雪した。花期はとうに過ぎているので別の地で写した未公開の過去写真(写真DE)を取り上げた。この時は三脚を立てて無風状態を待って撮影した。

 ※ 写真は上から順にA~E
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ミズオオバコ

沈水植物の花
 富栄養化の浅い水域の代表的な水田雑草であったが現在では絶滅危惧Ⅱ類(UV)に指定されている。空気中では水分を保てないので沈水葉となり花だけが水面に現れる。
 水田に繋がる古い用水路で撮影中,「何を撮っているのかい?」「数日前に水路の水を抜いた」など,水路に隣接する水田で雑草駆除中の方と様々な会話ができた。この水田では多くの雑草は水路から侵入するという。
 稲作では厄介な植物であるが,開花期と水路の落水時期が重なり葉も観察することができた。

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トチカガミ

葉裏に浮袋のある水草
 水田地帯の湖沼などに生える浮葉性の多年草,花(雌雄異花)は1日で萎む。花後の昨年をふまえて早めに訪れた。嬉しいことにまさに見頃,多くの雄花に混じって雌花も確認できた(写真下)。水面下でランナーを伸ばして増殖し,混み合ってくると葉は立ち上がる。
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アブラガヤ

風景に映えるカヤツリグサ科
 見晴らしの良い風景が広がる場所では不得意の植物も魅力的に見える。別のカヤツリグサ科を狙ったつもりが,普通に生えるアブラガヤを誤って写してしまった。
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ムラサキベンケイソウ

念願叶う
 ベンケイソウ2022-10-25)から間もなく1年が経過する。見誤った昨年の経験を生かして「柄のない葉」を意識して観察した。
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ドロノキ

沢沿いの柳絮
 風がほとんど吹いていない中,羽毛のようなものが舞っていた。1本立ちの径木に近づくとその正体が分かった。地面に花序のまま欠落しているもの(写真C)があり,見上げると綿毛(写真A,B)が確認できた。この地方ではドロノキの柳絮は9月になるという。早生樹種のドロノキは大径で通直になるものが多く良材になると感じたが,軽軟で耐久性は低く,製材時に刃物への損傷があることなどから用途は少ないという。和名の由来には諸説があるようだ。
 ※ 写真は上から順にA~D
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ハイイヌガヤ

多雪地に適応した変種
 特別保護区の林床でイヌガヤによく似た常緑低木が随所に見られた。膝の高さの樹高でも実をつけているので念のため撮影した。葉の感触や裏面にある2本の気孔帯もイヌガヤとほぼ同じである。種子は苦くて食用にならないイヌガヤに対して本変種は食用になるようだ。
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ハクサンカメバヒキオコシ

類似種多し
 カメバヒキオコシに似るが少し様子が異なる。花はヤマハッカ属Isodon 共通(写真C,D)であまり違いがないが,変種の多い仲間なので念のため撮影した葉の先端にある裂片にカメバヒキオコシとの違い(写真B)が見られた。母種はイヌヤマハッカIsodon umbrosus
 ※ 写真は上から順にA~D
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アキギリ

紫色のサルビアSalvia
 関東の者であれば広く分布するキバナアキギリが一般的であろう。以前から赤紫色~青紫色の花を見たいと思っていた。キバナアキギリと同じような環境に生えて分布する地方では比較的容易に見ることができる。花は美しいが順序よく花序に着いている花は少なく,全体の草姿にはあまり惹かれない。ハナバチや風の影響なのか,周辺には欠落した花が多数見られた。花は落ちやすく撮影には気を遣う。人より昆虫が訪れて受粉が完了すれば花の役割は果たしたことになる。アキギリにとって見栄えなどどうでもいいことだ。
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ヤマトリカブト

猛毒植物の観察
 トリカブトの仲間が少し分かってきたので,できるだけ撮影して調べるようにしている。本種については2022-10-21で取り上げているが,ツクバトリカブトも分布する地域だったので念のため撮影した。花柄には屈毛が生え,葉や葉柄には毛がないことを確認した。
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ウメバチソウ

美しい仮雄蕊
 高原の湿り気のあるところで見かけることが多い。掲載済みのコウメバチソウよりも母種が後になってしまったが,花のつくりの巧妙さにいつも感嘆する。雄蕊は全部で10個,そのうち花弁と対生する5個は仮雄蕊で,残り5個に葯がつく。花糸は1本ずつ伸びて花粉を順々に出すと思われる。
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ナガミノツルケマン

撮り難い植物
 林縁や林道脇などで見かけることがあり何度も撮影してきた。今回も掲載に迷うほど出来映えの悪い写真だ。多数の花を着けるが見栄えしないところが特徴か。茎は四方八方によく分枝するもののまとまりがない。直立せずに他に寄りかかるように伸びるので始末が悪い。ややまれなツルケマンに比べれば見かけることは多く,花の黄色はより濃い。
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イタドリ

生で食す
 色鮮やかなイタドリに出会った。わずかに花は残っているが,赤や白に見える部分はほぼ果実となっていた。ルーペで見ると3つの翼からできている。翼は萼の3外裂片が大きくなったもので,この中に種子ができている。一般的には花や果実は白色であるが,品種レベルで赤いものがある。
 物心がついた頃,年上の人を見習って少し伸びてきた新芽を折って,生でしゃぶった。例えようのない酸味は今でも脳裏に焼き付いている。秋になると茎に寄生したイタドリ虫を採り魚釣りの餌とした。まだ物資が不足していた昭和30年代初期が懐かしい。
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サンヨウブシ

数少ない青紫色の花
 シロバナサンヨウブシ一色の自生地で青紫色の花をようやく見つけた。念のため花柄や葉柄の毛の有無を確認した。
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シロバナサンヨウブシ

白花の鳥兜
 以前から気になっていた白花のトリカブトをじっくり観察することができた。無毛の花柄,葉も茎も無毛,トチノキやカツラなどが混じる典型的な水流沿いの温帯林に生えること,などからサンヨウブシA. sanyoense の白花品種とした。ここでは青紫色の花を見つけることが難しいほど,随所で白花が見られた。
 ※ 写真は上から順にA~F
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タマガワホトトギス

断崖に残る
 低山帯から亜高山帯に分布し,標高が高いほど開花は早い傾向にある。標高約400mにある撮影地はかつては群生していたが,現在では切り立った崖に5株ほど残るのみ。直立や斜上するというが,ここでは食害や人の手が届かない断崖から垂下する個体だけとなった。
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カリガネソウ

バネのような花柄
 1mを超える草丈,分枝した上部に花序があることから撮影には無風が必須条件だ。絶好の気象条件に喜び勇んでカメラを構えると吸蜜に訪れるハナバチで揺れ続ける。邪魔な存在が人間であると考え直し,吸蜜行動をしばらく観察した。
 ハナバチが下の大きな裂片に止まると,その重みで花柄がバネのように下に曲がる。ハナバチが離れると瞬く間に元に戻る。わずか1秒前後で受粉が行われるようだ。撮影中は集中していて感じなかったが,写し終えると強い臭気が気になった。

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マルバハギ

厳しい残暑続く
 夜には虫の音を耳にするようになったが,昼の暑さに秋の気配は感じられない。涼しさを求めて標高を上げると秋の花を見て少し安心した。
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ママコナ

1年草の半寄生植物
 ミヤマママコナタカネママコナに比べれると普通に見られる植物だった。半日陰の林道脇の刈り込んだ草地などでよく見られたが,近年では樹木が茂り10年前のような群生地(写真CD)はほぼ消えた。埼玉県カテゴリーでは準絶滅危惧(NT)となった。
 ※ 写真は上から順にA~D
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ホンゴウソウ

極細の地上茎
 幸運なことに奇妙な花を2度見ることができた。最初は植林下,近くにはヒナノシャクジョウも生えていた。この個体(F)では雄花を判別できなかった。次はやや荒れたコナラ二次林下,ここではヒナノシャクジョウは見られなかった数個体がまとまっていて,上部に黒っぽい雄花,その下部に球状の雌花があること確認した。

 ●全体の様子(A,F) ●側方からの花序(B~D) ●上方からの花序(E)
 ※ 写真は上から順にA~F
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シロバナイナモリソウ

盛夏に咲く
 全体に小さく初夏に咲くイナモリソウに比べるとかなり地味な存在といえる。長い雄しべが特徴的で,和名からは白花品種と思われるが全く別の種である。
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ヒナノシャクジョウ

摩訶不思議な花
 この仲間の花を見るのはルリシャクジョウ以来,約40年ぶりとなる。極小の本種を一度見て慣れてくると,地表の白い個体に気づけるようになった。筒状の先端が茶色のものは花後,先端がまだ白いものは蕾。花は一日花で,通常は1個体1つずつ咲くといわれている。花のつくり(写真C)は,3つの外花被片(萼片),3つの内花被片(花弁),外花被片間に3つの雄蕊,筒状中心部の底から出て先が3裂している部分が雌蕊と思われる。陽の当たるようなところにも生えていたのは意外だ。
 ※ 写真は上から順にA~C
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カワミドリ

姿勢の悪いカワミドリ
 天候が安定していたのこの日,あえて狭隘で険しい道路をのんびりと帰ってきた。梅雨明け発表前にもかかわらずカワミドリが早くも咲いていた。どの個体も倒れていたので以前写したもの(写真D)を加えた。
 ※ 写真は上から順にA~D
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イタチササゲ

黄褐色の花に気づく
 ほとんど通行のない峠道で気づき少し引き返した。道路沿いの日当たりの良い草地は素通りすることが常だったが,この日ばかりは違った。日頃から先入観を捨てて観察しなければならないと思う。
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エゾカワラナデシコ

苞は2対
 掲載直前に苞の部分をトリミング(写真上)したところ,苞が2対あることに気づいた。カワラナデシコの花の苞は3-4対であることから基本変種エゾカワラナデシコに慌てて変えた。
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キバナノヤマオダマキ

淡黄色の花
 一般的には距の色や距の先端の形で細かく分類されている。花全体が淡黄色であることから「キバナ」(写真AB)とした。過去に写したヤマオダマキ(写真C)を比較のために添付した。
 ※ 写真は上から順にA~C
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シロバナハクサンフウロ

純白の1個体
 今や珍しくなった食害のない草原に立ち寄ると,天文学的な数のハクサンフウロが一面(写真C)に広がっていた。しばらく歩くと白花品種(写真A)を見つけた。数個体がまとまって咲いていないかと期待したが結局この1個体のみ。色を帯びることなく,とびっきり白い花だった。出現する確率は果てしなく低い。
 ※ 写真は上から順にA~C
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カワラマツバ

本来の葉は2枚
 本来の葉は対生する2枚で,残りの6-8枚は托葉といわれている。日当たりの良いやや乾いた草地に生えることが多いが,植生遷移により乾燥化する湿地で観察した。湿地の現状維持には手間の掛かる作業が必要となる。
 基本種キバナカワラマツバ(写真C)subsp. asiaticum の白花タイプで1品種扱い,下記の種の詳細は基本種の記載を引用した。
 ※ 写真は上から順にA~C
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ノハナショウブ

園芸品種ハナショウブの原種
 同じ仲間のアヤメやカキツバタに比べ花期が遅い。次々に花を咲かせるのではなく,1花の寿命は数日間で群落全体では1週間程度とみられる。ハナショウブの学名が I. ensata var. ensata と表記されていることから原種の方が変種扱いとなっている。
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