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トチカガミ

葉裏に浮袋のある水草
 水田地帯の湖沼などに生える浮葉性の多年草,花(雌雄異花)は1日で萎む。花後の昨年をふまえて早めに訪れた。嬉しいことにまさに見頃,多くの雄花に混じって雌花も確認できた(写真下)。水面下でランナーを伸ばして増殖し,混み合ってくると葉は立ち上がる。
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トチカガミ(トチカガミ科)Hydrocharis dubia 鼈鏡
 本州~南西諸島に分布,池や溝に生える多年草。走出茎が水底を横にはい,その先に新しい株をつくる。葉は根生し,長柄があり,基部に2個の托葉(長さ2.5-3.5㎝)がある。葉身は円心形,全縁で径4-7㎝,裏面の中央に気胞があり,水面に浮かぶ。ただし,密集すると葉身は立ち,気胞をもたないことがある。
 花期は8-10月。花は単性。雄の苞鞘には約5㎝の柄があり,2枚の苞片からなる。雄花の蕾はこの内に約5個でき,花柄が細長く伸びて1花ずつ水面で開花し,1日で萎む。
 雌の苞鞘には柄がなく,内に雌花が1個だけ発達し,花柄が伸びて水面で開花する。
 雄花,雌花ともに萼片は3個で緑色,花弁は3個,卵形で白色,長さ10-15㎜。雄花には6-9個の雄蕊と3-6個の仮雄蕊がある。雌花には6個の仮雄蕊がある。花柱は6個で先は二叉に分かれる。
 トチガガミのトチはスッポン(鼈)の意味で,カガミは円い葉を鏡に見立てたことに因る。(2023.9.27)

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