ツユクサシュスラン [ランの仲間]
ジンバイソウ [ランの仲間]
ハクウンラン [ランの仲間]
初見の白花
ハクウンランと思われるものは数回見たことがあるが,開花した白い花は初めてである。アオフタバランを撮影後,回り道をして戻る際に見つけた。混交林に植林のスギが混じり,林床はより暗く,やや湿り気味である。約100㎡の広さに100株ほどが疎らに生えているが,群生することはなく,写真のように2個体が並ぶ程度に点在していた。
ハクウンランと思われるものは数回見たことがあるが,開花した白い花は初めてである。アオフタバランを撮影後,回り道をして戻る際に見つけた。混交林に植林のスギが混じり,林床はより暗く,やや湿り気味である。約100㎡の広さに100株ほどが疎らに生えているが,群生することはなく,写真のように2個体が並ぶ程度に点在していた。
アオフタバラン [ランの仲間]
緑色の地味な花
シナノコアツモリソウが自生する森には,不鮮明な白斑の双葉が数多くあることを承知していた。アオフタバランであれば花期を迎える頃なので再び訪れた。林床にはイノシシの仕業と思える痕跡があり,根が露出したコアツモリソウを数株見つけた。いずれも埋め戻したが枯れないことを願うしかない。
双葉のランは予想したとおりで,多くのアオフタバランが見頃を迎えていた。薄暗く,微風でも花茎が揺れるので,気に入るような写真にならない。
シナノコアツモリソウが自生する森には,不鮮明な白斑の双葉が数多くあることを承知していた。アオフタバランであれば花期を迎える頃なので再び訪れた。林床にはイノシシの仕業と思える痕跡があり,根が露出したコアツモリソウを数株見つけた。いずれも埋め戻したが枯れないことを願うしかない。
双葉のランは予想したとおりで,多くのアオフタバランが見頃を迎えていた。薄暗く,微風でも花茎が揺れるので,気に入るような写真にならない。
オノエラン [ランの仲間]
コクラン [ランの仲間]
キバナノショウキラン [ランの仲間]
ムヨウラン [ランの仲間]
再び菌従属栄養植物-ムヨウラン属の正体はいかに?
6月2日,「3箇所でムヨウラン属を確認した」(写真A,D)の情報があり,次の2件が直感的に浮かんだ。1つは,数日前に確認した棒状の個体(写真C),2つめは正体不明の「クロムヨウラン?」(2017.12.6掲載)である。クロムヨウランについては,花期を迎えた翌年8月に再三訪れたが,出現しないので正体不明のままである。
6月2日以降,確認したムヨウラン属の自生地は増えて6箇所(15個体)となった。いずれも徒歩30分の範囲で野生キノコの産地でもある。ムヨウランはベニタケやチチタケの菌類の仲間に寄生する菌従属栄養植物で,光合成を止めた植物と考えられている。花茎に残る数個の鞘状の苞葉(写真C,D)は,この植物の進化過程の証であろうか。
6月2日,「3箇所でムヨウラン属を確認した」(写真A,D)の情報があり,次の2件が直感的に浮かんだ。1つは,数日前に確認した棒状の個体(写真C),2つめは正体不明の「クロムヨウラン?」(2017.12.6掲載)である。クロムヨウランについては,花期を迎えた翌年8月に再三訪れたが,出現しないので正体不明のままである。
6月2日以降,確認したムヨウラン属の自生地は増えて6箇所(15個体)となった。いずれも徒歩30分の範囲で野生キノコの産地でもある。ムヨウランはベニタケやチチタケの菌類の仲間に寄生する菌従属栄養植物で,光合成を止めた植物と考えられている。花茎に残る数個の鞘状の苞葉(写真C,D)は,この植物の進化過程の証であろうか。
同定のために各個体の花茎の高さ,花数,花被片の長さ,花柄子房の長さを測定した。その結果からムヨウランと思われたが,花がほとんど開かない個体から同定に迷った。ムヨウランの花は半開するが,写真E,Fを除いてほとんどが開かないので他のムヨウランの可能性もある。別の自生地で撮影したムヨウラン(写真G)を参考に掲載した。
写真Bは写真Aの5日後の状態で,花柄子房部を残して副萼部から先が欠落している。夏以降,この子房部分が膨らみ,「クロムヨウラン?」(2017.12.6掲載)のように変化するのかを注視したい。
ムヨウランの分布は,埼玉県平野部のごく一部のみで確認された(1998年版埼玉県植物誌)だけで,秩父地方での自生は記録されていない。今年は各地でムヨウランが豊作というが,菌従属栄養植物がどのような環境を好むのか,分布の拡大などとあわせて興味深く,継続して観察したい。
※写真は上から下へA~G
写真Bは写真Aの5日後の状態で,花柄子房部を残して副萼部から先が欠落している。夏以降,この子房部分が膨らみ,「クロムヨウラン?」(2017.12.6掲載)のように変化するのかを注視したい。
ムヨウランの分布は,埼玉県平野部のごく一部のみで確認された(1998年版埼玉県植物誌)だけで,秩父地方での自生は記録されていない。今年は各地でムヨウランが豊作というが,菌従属栄養植物がどのような環境を好むのか,分布の拡大などとあわせて興味深く,継続して観察したい。
※写真は上から下へA~G
クロヤツシロラン [ランの仲間]
2年越しの撮影
2016年11月7日、偶然見つけた果実からこの植物とのつきあいが始まった。花は地表面に咲き、保護色で見つけにくいという予備知識はあった。翌2017年9月中旬からこの場所を観察してきたが、ついに花を見つけることができなかった。ところが、11月に自生地を訪れると数十個の果実が伸びているではないか。改めて見つけにくい花であることを認識した。各個体の場所を記録し、主に自生する7箇所に独自の目印をつけて2018年9月を待った。2018年9月22日、やっと1つの茎頂に数個の蕾(写真1)を見つけた。この茎頂に注目して数日おきに撮影した。写真4を除き、他の写真は同一茎頂のものである。この自生地では、10月6日までに3箇所で開花を確認した。茎頂につく蕾には開花順序があり、1つの花の寿命は約2日と思われる。
自生地の環境は以下のとおりである。
◯幅員約2mの舗装道脇にあり、日照は少なく、湿度が高い。
◯道路沿いにはスギやヒノキの並木、これに落葉及び常緑広葉樹が混じる。
◯表土は小礫混じり、腐葉等の供給で菌糸も発達している。
◯付近には荒川の支流があり、小渓流を形成している。
※写真は上から1~6
写真1:茎頂の先にできた蕾 (2018.9.22)
写真2:最初に開花した花 (2018.9.26)
写真3:最初の花は萎みはじめ、次の花が開花 (2018.9.28)
写真4:花の拡大、中央部右側には足3対の白ぽい生物がいる。(2018.10.1)
写真5: 最終の花、右の萼片外側にはハエのような茶色の昆虫2匹がいる。萎んだ花3個が台風24号の強風で花柄から欠落。(2018.10.1)
写真6:果期のはじまり (2018.10.6)
2016年11月7日、偶然見つけた果実からこの植物とのつきあいが始まった。花は地表面に咲き、保護色で見つけにくいという予備知識はあった。翌2017年9月中旬からこの場所を観察してきたが、ついに花を見つけることができなかった。ところが、11月に自生地を訪れると数十個の果実が伸びているではないか。改めて見つけにくい花であることを認識した。各個体の場所を記録し、主に自生する7箇所に独自の目印をつけて2018年9月を待った。2018年9月22日、やっと1つの茎頂に数個の蕾(写真1)を見つけた。この茎頂に注目して数日おきに撮影した。写真4を除き、他の写真は同一茎頂のものである。この自生地では、10月6日までに3箇所で開花を確認した。茎頂につく蕾には開花順序があり、1つの花の寿命は約2日と思われる。
自生地の環境は以下のとおりである。
◯幅員約2mの舗装道脇にあり、日照は少なく、湿度が高い。
◯道路沿いにはスギやヒノキの並木、これに落葉及び常緑広葉樹が混じる。
◯表土は小礫混じり、腐葉等の供給で菌糸も発達している。
◯付近には荒川の支流があり、小渓流を形成している。
※写真は上から1~6
写真1:茎頂の先にできた蕾 (2018.9.22)
写真2:最初に開花した花 (2018.9.26)
写真3:最初の花は萎みはじめ、次の花が開花 (2018.9.28)
写真4:花の拡大、中央部右側には足3対の白ぽい生物がいる。(2018.10.1)
写真5: 最終の花、右の萼片外側にはハエのような茶色の昆虫2匹がいる。萎んだ花3個が台風24号の強風で花柄から欠落。(2018.10.1)
写真6:果期のはじまり (2018.10.6)
ヒメミヤマウズラ [ランの仲間]
数少ない姫
鳳凰三山の針葉樹林帯を長く歩いた割には、ヒメミヤマウズラの個体数は少なかった。初日に数株を見ただけで、最も見栄えの良いものを撮影した。ミヤマウズラに似るが、唇弁内部の毛の有無、花柄の有無などで区別できる。
鳳凰三山の針葉樹林帯を長く歩いた割には、ヒメミヤマウズラの個体数は少なかった。初日に数株を見ただけで、最も見栄えの良いものを撮影した。ミヤマウズラに似るが、唇弁内部の毛の有無、花柄の有無などで区別できる。
ミヤマウズラ [ランの仲間]
ナツエビネ [ランの仲間]
コイチヨウラン [ランの仲間]
ホザキイチヨウラン [ランの仲間]
タカネアオチドリ [ランの仲間]
北岳・亜高山帯の植物
北岳山頂部「高山の岩礫地を彩る」を含めて計15回にわたって掲載してきた。標高2200~2700mの亜高山帯でも貴重な植物に出会った。あと数回、北岳の植物にお付き合いいただきたい。
7月上旬の大雨で大樺沢コースに架かる橋が流され、広河原からのコースは白根御池小屋を経由するしかない。急登がひたすら続く辛いコースでできれば避けたいが、タカネマンテマ自生地へは必須のコースである。この植物はこの急登途中で見つけたもので、観察できたのは1個体のみ。途中で時間を費やすと山頂部での撮影時間が不足するため、翌日下山するときに撮影した。
はじめて見るランで少し様子が異なる。アオチドリに似ているが、花や花茎に見られる紫褐色がほとんど見られない。帰宅後、図鑑や文献等で南アルプスにはタカネアオチドリがあることを知った。
北岳山頂部「高山の岩礫地を彩る」を含めて計15回にわたって掲載してきた。標高2200~2700mの亜高山帯でも貴重な植物に出会った。あと数回、北岳の植物にお付き合いいただきたい。
7月上旬の大雨で大樺沢コースに架かる橋が流され、広河原からのコースは白根御池小屋を経由するしかない。急登がひたすら続く辛いコースでできれば避けたいが、タカネマンテマ自生地へは必須のコースである。この植物はこの急登途中で見つけたもので、観察できたのは1個体のみ。途中で時間を費やすと山頂部での撮影時間が不足するため、翌日下山するときに撮影した。
はじめて見るランで少し様子が異なる。アオチドリに似ているが、花や花茎に見られる紫褐色がほとんど見られない。帰宅後、図鑑や文献等で南アルプスにはタカネアオチドリがあることを知った。
アツモリソウ [ランの仲間]
激減する自生地
この花を見るのは3回目。過去にはクマガイソウとの比較で2017-05-17で掲載した。別の花を目的としていたが、近くを通ったので立ち寄った。自生地では保護活動している方から貴重な話を伺った。自生地の昔の状態やこれまでの維持管理、鹿の食害等,説得力のあることばかりである。
この花を見るのは3回目。過去にはクマガイソウとの比較で2017-05-17で掲載した。別の花を目的としていたが、近くを通ったので立ち寄った。自生地では保護活動している方から貴重な話を伺った。自生地の昔の状態やこれまでの維持管理、鹿の食害等,説得力のあることばかりである。
ヒメムヨウラン [ランの仲間]
カモメラン [ランの仲間]
ノビネチドリ [ランの仲間]
サカネラン [ランの仲間]
シナノコアツモリソウ [ランの仲間]
コアツモリソウ [ランの仲間]
最も地味で小さなアツモリソウ
アツモリソウ属Cypripedium の他の種に比べて非常に小さく目立たない。同属のクマガイソウやキバナノアツモリソウとは明らかに一線を画す。過去に一度だけこの花を見たことがある。正直に表現すれば、気づかなかったのかもしれない。双葉だけなら、フタバランの仲間かなと思うくらいだ。おまけに花は葉の下に隠れるようにして咲くものが多い。1つあるとその周囲に次々に見つかり、この日は面白いように多くのものを鑑賞した。
アツモリソウ属Cypripedium の他の種に比べて非常に小さく目立たない。同属のクマガイソウやキバナノアツモリソウとは明らかに一線を画す。過去に一度だけこの花を見たことがある。正直に表現すれば、気づかなかったのかもしれない。双葉だけなら、フタバランの仲間かなと思うくらいだ。おまけに花は葉の下に隠れるようにして咲くものが多い。1つあるとその周囲に次々に見つかり、この日は面白いように多くのものを鑑賞した。