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ムラサキシキブ

高貴な和名
 美しい紫色の果実を平安時代の作家・歌人にたとえたといわれるが、諸説あるので断定できない。類似種のコムラサキは小さな果実をたくさんつけるので、園芸用として植栽されている。
 クマツズラ科として分類されてきたが、AGP分類体系ではシソ科となった。古い人間としては、シソ科といわれてもなじめない。
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オトコヨウゾメ

コバノガマズミの類似種
 本日もガマズミ属の赤い実をとりあげた。オトコヨウゾメの花や果実(液果)のつきかたは,この属では少ないほうだ。カマズミをヨウゾメと呼ぶ地方があり,実を食するという。ところが本種の実はやせていて食用にならない。そのため男を冠したという見解もある。
 オトコヨウゾメの葉は綺麗に色づくが,まだその状態にはほど遠い。一方で葉が黒く変色する特徴もある。写真上は日当たりの良い林縁で、下は日照の少ない林内で撮影した。葉に赤い色素(アントシアン)が現れるためには、光合成による糖分が必要といわれている。

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コバノガマズミ

赤い実が目立つ季節
 野菊の見頃も終盤になり、いよいよ花の少ない季節になってきた。林縁ではガマズミ属Viburnum の赤い果実が目立っている。スイカズラ科に分類されていたが、APG分類体系ではレンプソウ科となり,2017年にはガマズミ科として分類されるようになった。
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カラハナソウ

和製ホップの果穂
 数年前、よく徘徊する丘陵地への道沿いで見つけた。冷涼な地方に分布していることから、栽培種の逸出なのか、自生なのかを疑っていた。ホップ(セイヨウカラハナソウ)とカラハナソウは痩(そう)果にある黄色の腺点で区別するが、確認できないままになっていた。ホップの腺点は密生するほど多いが、カラハナソウは数が少ない。撮影後、この部分を確認しカラハナソウとした。果穂には独特の香りと苦みがあったが、ホップの代用にはならないという。
 この付近で古くから農業を営む方にお伺いすると、昔から自生していたこと、栽培した事実はないこと、などを教えていただいた。

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チカラシバ

遊びに使われた力芝
 踏みつけにも強く、舗装されていない農道ではふつうにみられた。昔の子どもが遊びに使った植物で、穂を下からしごいて「クリのいが」のようにしてみたり、結んで輪をつくり人の足を引っ掛けたりした。和名は、容易に引き抜けないほど、しっかりと根をはることによる。
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ミゾソバ

泥湿地で群生
 谷戸または谷津とよばれ、耕作放棄された田んぼや周辺の水路などで群生している。湿った肥沃な泥質の環境を好む傾向にある。群生する様は見事であるが、これを上手く写せたことがない。背景を暗くして花を目立つように撮影してみた。
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キンモウワラビ [シダの仲間]

好石灰岩植物
 キンモウワラビ属Hypodematium はイワデンダ科やオシダ科に分類されてきたが、APG分類ではキンモウワラビ科とされている。和名は金毛蕨で、葉柄基部や根茎にある褐色で光沢のある鱗片による。「金毛」を意識して撮影したが、良い色が出せない。シダ植物それぞれの特徴をとらえて撮影するのは意外に難しい。埼玉県西部から群馬県南西部には石灰岩からなる山がある。ここには好石灰岩といわれる植物が分布している。環境省カテゴリでは絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されている。
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ヒメウラジロ [シダの仲間]

晩秋の兆し
 秋らしい気候となった途端、今朝は気温5℃台まで冷え込んだ。最低気温が5℃を下回るといよいよ降霜の季節。近年、春と秋が短くなった気がする。
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アオツヅラフジ

本日は秋晴れなり
 曇天や小雨模様の天候があきれるほど続いた。ようやく快晴の日を迎えたが、身近な所には被写体は少なくなってきた。
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ノコンギク [キクの仲間]

野菊の代表
 日本特産で個体数が多い。林縁、河原、畦、土手など多くの場所で見られる。この仲間(ヨメナ節)は紛らわしいが、冠毛の様子が分類する上で重要といわれる。どこでも見られる野菊であるが、放置されて藪になることや過剰な除草などで写真のような群生は少なく感じる。何より今年は台風の影響も大きい。
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クロヤツシロラン [ランの仲間]

2年越しの撮影
 2016年11月7日、偶然見つけた果実からこの植物とのつきあいが始まった。花は地表面に咲き、保護色で見つけにくいという予備知識はあった。翌2017年9月中旬からこの場所を観察してきたが、ついに花を見つけることができなかった。ところが、11月に自生地を訪れると数十個の果実が伸びているではないか。改めて見つけにくい花であることを認識した。各個体の場所を記録し、主に自生する7箇所に独自の目印をつけて2018年9月を待った。2018年9月22日、やっと1つの茎頂に数個の蕾(写真1)を見つけた。この茎頂に注目して数日おきに撮影した。写真4を除き、他の写真は同一茎頂のものである。この自生地では、10月6日までに3箇所で開花を確認した。茎頂につく蕾には開花順序があり、1つの花の寿命は約2日と思われる
自生地の環境は以下のとおりである。
◯幅員約2mの舗装道脇にあり、日照は少なく、湿度が高い。
◯道路沿いにはスギやヒノキの並木、これに落葉及び常緑広葉樹が混じる。
◯表土は小礫混じり、腐葉等の供給で菌糸も発達している。
◯付近には荒川の支流があり、小渓流を形成している。

※写真は上から1~6
写真1:茎頂の先にできた蕾 (2018.9.22)
写真2:最初に開花した花 (2018.9.26)
写真3:最初の花は萎みはじめ、次の花が開花 (2018.9.28)
写真4:花の拡大、中央部右側には足3対の白ぽい生物がいる。(2018.10.1)
写真5: 最終の花、右の萼片外側にはハエのような茶色の昆虫2匹がいる。萎んだ花3個が台風24号の強風で花柄から欠落。(2018.10.1)
写真6:果期のはじまり (2018.10.6)
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セキヤノアキチョウジ

細長い花冠と上下に分かれた萼片
 これまでにこの仲間(ヤマハッカ属Isodon) はヒキオコシヤマハッカを掲載した。花はよく似ているが、細長い花冠、萼は2唇形となり、上唇3裂、下唇は2裂して上唇よりも長いこと、花冠上唇に濃紫色の斑点がないこと、などで区別している。
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キツネノマゴ

路傍に咲く
 草刈りの回数が多くなく、除草剤を散布しない路傍でよく見かける。イネ科が繁茂するようなところには少ない。ユニークな和名には諸説あるが、決定的なものはないようだ。
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カシワバハグマ [キクの仲間]

秋晴れが待ち遠しい
 秋らしい天気にならないものの、近くの丘陵地ではコウヤボウキPertya の仲間が花期を迎えていた。この仲間は果期に冠毛が羽毛状にならない。モミジハグマ属Ainsliaea オクモミジハグマエンシュウハグマとは近縁であるが、こちらの冠毛は羽毛状になる。
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オケラ [キクの仲間]

古くから知られている植物
 オケラは古名のウケラがなまったといわれている。万葉集にも出てくるが、語源は定かではない。若芽は食用になり、地下茎は生薬として用いられてきた。
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オクモミジハグマ [キクの仲間]

白熊(ハグマ)という面白い和名
 白熊(ハグマ)ついてはエンシュウハグマの記事にあるので省略させていただくが、関東地方では本種が自生する。花の色やつくり、葉の形を比較すると「エンシュウ」の方に軍配をあげたい。
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