クロバナヒキオコシ

連日の小さい花
　オオヒナノウスツボとは別の科になるが，草丈は同じように1mを越える。花はさらに小さい。同じ仲間（ヤマハッカ属Isodon）ではヤマハッカ，ヒキオコシ，セキヤノアキチョウジ，カメバヒキオコシをすでに掲載しているが，これらと比較しても小さくて目立たない。花の色は独特で，なかなか渋い色合いである。

クロバナヒキオコシ（シソ科）Isodon trichocarpus 黒花引起こし
　北海道･本州（日本海側）に分布，林縁の草地に生える多年草。茎は4角で高さ50-150㎝，稜上に下向きの細毛がある。葉は3角状広卵形で長さ6-15㎝，幅3-7.5㎝，縁には鋸歯があり，先は鋭く尖り，基部は広いくさび形に狭まって葉柄の翼に流れる。葉は薄く，表面にはまばらに毛があり，裏面の脈上に短い圧毛と腺点がある。花期は8-9月。茎上部の葉腋から出た集散花序が集まって大きい頂生の円錐花序をつくり，花を多数つける。花冠は暗紫色で長さ5-6㎜。　(2020.8.25)