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ヒキオコシ

 前回に続き今回も地味な花である。自生地は平将門伝説が残る山間部で、谷を流れる川の名には流血の伝説が刻まれている。この地区に連なる主幹道路の路肩で撮影した。
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ヒコオコシ(シソ科)Isodon japonicus 引起 
 本州~九州に広く分布、乾いた日の当たる山野に生える。古くから「延命草」という生薬(健胃薬)で知られ、全草を乾燥させて用いる。ヒキオコシの名は、瀕死の重病人に弘法大師がこれを飲ませたら起き上がったという伝説に基づく。(一部 日本の野生植物:平凡社)

 花はふつう淡青紫色であるが、この場所のものは白色に近い。上唇に紫の斑点があるだけである。シロバナヒキオコシとして扱う考え方もあるようだ。1m近くまで伸びる草丈と小さな花であることから被写体として難しい。おそらく植物に関心がある者や薬学に関わる者を除けば、注目されない存在だろう。ヤマハッカ属の花は小さいが、花の上唇部を拡大してみるとそれぞれが実に面白いつくりをしている。周辺にある杉の林床は一面オオバノイノモトソウで鹿の食害を受けているが、林縁にあるヒキオコシを食べている気配はなかった。 (2016.9.26)


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