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ネコシデ

未同定の植物から(その1)
 未整理の写真から数種を同定することができた。最初は今年オゼソウを撮影後,下山途中で観察したものを取り上げた。
 樹皮,枝の皮目,果穂からすぐにカバノキ科と分かったが,気に入る写真ではなかったのでお蔵入りしていた。同定には葉縁の「鋭く粗い重鋸歯」が決め手となった。「シデ」がつくアカシデイヌシデはクマシデ属Carpinus に,本種はカバノキ属
Betula に分類されている。
nekoshide.jpgnekoshide2.jpgnekoshide3.jpg
ネコシデ(カバノキ科)Betula corylifolia 猫四手 別名 ウラジロカンバ
 本州(大峰山脈以北)に分布,山地の上部~亜高山帯に生える落葉高木。高さ3-15m,直径30㎝ほどになる。
 樹皮は若木で暗紫褐色,しだいに灰白色または帯白色となり,老木では横に剥がれる。枝は暗紫褐色,横長の皮目があり,傷つけるとサロメチールのにおいがする。
 葉は長枝では互生,短枝には1対つく。葉身は長さ4-8㎝,幅3-6㎝の卵状長楕円形,先は鋭く尖り,縁には鋭く粗い重鋸歯がある。カバノキの仲間では最も鋸歯が目立つ。側脈は8-14対。はじめ両面とも絹毛があり,裏面の脈上に残る。裏面は粉白色。
 花期は5月。雌雄異花同株。葉の展開と同時に開花する。雄花序は枝先に垂下,雌花序は短枝の先にやや下向きにつく。
果実は堅果。花穂は長さ3-5㎝で上向きにつく。(2023.7.7)


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