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トケンラン [ランの仲間]

無斑のトケンラン
 2年前,花後の個体を偶然見つけた。緑色の花茎からコケイランと思ったが,葉は長楕円形で謎となっていた。同じ場所を2年ぶりに訪れると見頃の花が出迎えてくれた。それも図鑑に掲載されている花とは異なる無斑の花(写真AB)である。和名の由来とされる特有の斑紋は全く見られない。アルビノタイプと思われるが,分類に詳しい方がきっと素晴らしい命名をされると思う。近くに生えていた有斑の個体(写真CDE)も,側花弁や萼片は黄褐色ではなく地色は緑色であった。それにしても巧妙で美しい花である。
 ※ 写真は上から順にA~E
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トケンラン(ラン科)Cremastra unguiculata 杜鵑蘭
 北海道・本州・四国に分布,亜寒帯から冷温帯の落葉樹林下に生える地生の多年草。球形の偽球茎を細長い地下茎が互いにつないでいる。
 葉は2個あって偽球茎に頂生し,長楕円形,長さ10-12㎝,幅3-5㎝,鋭頭。葉にはしばしば紫斑点があり,表面には縦ひだがある。花後に葉は枯れるが,秋に新しい葉を出す。
花期は5-6月。花茎の高さは50-60㎝,疎らに数花を着ける。苞は披針形,長さ4-6㎜。萼片は線状倒披針形,側花弁は線形,ともに鋭頭で黄褐色の地に紫斑点がある。唇弁は白色で暗紫色の斑点があり,線形,蕊柱の下部を抱き,基部はほとんど膨れず,1/3の所で急に曲がり,3裂する。側裂片は披針形で小さく,中裂片は倒卵形で円頭で縁が波状である。蕊柱は長さ14㎜,先端の葯は円形。
 和名は,花被の斑点をホトトギス(杜鵑)の胸から腹にかけてある斑紋に見立てたことに因る。(2023.6.6)



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